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グルメ漫画「しあわせゴハン」にはセリフは無いがドラマがある

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お世辞にも絵は巧いと言えないグルメ漫画、しかもセリフが無いときたもんだ。そんな漫画が面白いわけ…って、めっちゃ面白いやんけー!

通常グルメ漫画の魅力って言ったら、まずは美味しそうな食べ物、そしてそれを食べる表情。あとは食に関する知識だったり、手軽にマネできるようなレシピだったり、実在するお店紹介だったりするわけだけど、食べたものの説明をしないグルメ漫画なんてあります?

「噛んだ瞬間にぶわーっと熱い肉汁がほとばしってきて…」とか、言葉だけで想像できる部分がいくらでもあるのに、それを一切排除してるんです。それなのに凄く面白い。

というわけで今回は、セリフは無いけどドラマがあるグルメ漫画「しあわせゴハン(全4巻完結済み)」を紹介します。

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作品概要

エピソード毎に取り上げられる料理、そして登場人物が異なるため、人の数だけドラマがあり、食事の数だけドラマがあると感じさせてくれる作風である。

ある人は仕事帰りにラーメンをすすり、ある人は実家から送られてきたじゃがいもを食べ、ある人はお風呂上りにビール片手に枝豆をつまむ。

本作は、そういうなんてことない日常が、一切のセリフで着飾ることなく淡々と展開されていくサイレンとグルメ漫画だ。「美味しい」などの感想を述べることもなければ「この食材は今朝採れたばかりで~」というような自慢げな説明も無い。

しかし、読んだ人の数だけドラマがある。そんな雰囲気を感じさせてくれる温かいグルメ漫画と言っても過言ではない。

 

見所をチェック!!

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物語の見せ方がメチャクチャ巧い

ぶっちゃけ絵はそんなに巧くないです。グルメ漫画で絵が巧くないってのは致命的なような気もするんだけど、心配無用。本作に登場する料理はみんな美味しそうに見えるんです。

というのも、恐らく見せ方が巧いんじゃないかと思うんですよね。例えばラーメンだったら、湯気で曇る眼鏡とか、汗をかきながら食べてる姿があったり、急に見開きでスープを飛ばしながら勢いよく麺をすすってるページを出してきたりとか。

ラーメンの絵だけ見たら、全然美味しそうじゃなかったんですよ。それが五十歳は超えてるであろうサラリーマン風のおじさんという、絵的にも綺麗とは言い難いビジュアルの人間が食べているにもかかわらず、メチャクチャ美味しそうに見えるという神秘。

他のグルメ漫画で取り扱うような高級な感じじゃなくて、一般的な食事をこんなにも幸せそうに食べる様子が見られるってのは、読んでるこっちも幸せになりますよ。

 

カップ麺もドラマを生む

例えばラーメンとかなら作ってくれる人がいるわけで、お店自体に縁がある場合もあるし、昔よく食べに行ってたラーメン屋さんのラーメンとかになると、味なんかもう思い出補正でどうにでもなるじゃないですか?

でも本作にかかればカップラーメンもドラマを生みます。カップラーメンで感動するストーリーを作れって言われて、しかも言葉による泣き落としが無理となったら、これはもう詰みだと思うんですよ。でも本作はしっかりドラマを作ってくれるんです。

しかもセリフが無いから「こうなのかな?それともあーなのかな?」って色々と想像しながら読み進めることが可能。これは感受性が豊かな人ほど、涙腺をやられる作品だと思う。

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最終的には補足説明にて物語を補完

前項で軽く触れたカップラーメンのエピソードを例にすると…。

  1. 女性がアパートから帰ってくる。
  2. テーブルの上に書置きがあり「マージャンしてくる 力也」と書かれている(旦那か恋人は麻雀しに出掛けたんだな)。
  3. 女性が怒りを本棚にぶつけ泣いていると、本棚から落ちた雑誌に載っていたガードマン募集の広告に印が付けられていた(もしかして力也は彼氏で、彼女のためのプレゼントか何かを買うために彼女に内緒でアルバイトをしているのでは?)。
  4. ガードマンの仕事をしている力也、寒さに震えながらカップ麺を食べているとスマホにまゆみから「マージャンしすぎて風邪ひくなよ!」のメッセージ(彼女はまゆみっていうのね。ガードマンやってることに気付いてるって含みも持たせてきたかー)。
  5. カップ麺を食べる力也。
  6. 力也が家に帰ってくると、こたつで寝ているまゆみ。テーブルの上にはラップされたコロッケ(?)と「おつかれ」と書かれた手紙(もしかして力也の帰りを待ってて、寝落ちしちゃったのかな?)。
  7. オシャレな箱に入った指輪の絵(プロポーズするための指輪を買うためにガードマンをしてたのか!)。

内容の簡単な説明と、そのシーンを見て僕が思ったことを箇条書きにしたんだけど、これの答え合わせがエピソード毎に最後に載ってるんですよ(上記画像の部分ですね)。

クリスマス兼誕生日プレゼントに渡した指輪を彼女はちゃんと、婚約指輪だと気付いてくれたみたい。

このあと彼はまたヒゲを剃って、真面目に就職活動を再開しました。

…まぁ僕の予想も大体合ってるという感じでした。ぶっちゃけ想像しながら読み進めていくだけで面白いんで、この答え合わせ的な説明は要らないって説もあるんですけどね。

読み進めてって自分が思い描いたのと違った時に「そういうことか!」って嬉しくなるパターンもあれば、逆に「なんだ、そんなことか」とガッカリしちゃうパターンってのも出てくるんで。

それでも差し引きして十二分に余るくらいの魅力が詰まったグルメ漫画だと思いますよ。

 

全編を通じての感想

最初から最後までセリフが無いスタイルを貫いていて、色んなドラマを見せてくれた作品でした。イロモネアでも賞金を持って帰るのにサイレントが鬼門になってたけど、本作の場合は無駄な情報が一切入ってこないから想像力が掻き立てられるってことなのかなぁ。

あとは絵がそんなに上手じゃないのに食欲がそそられるってのは神業ですね。料理単品の絵を見ても全くそそられないのに、それを食べている人の絵(しかもちょっと不細工)が加わったらメチャクチャ美味しそうに見えるんだもん。この技術は凄いですよ。

全4巻ってことで割と短い作品になっちゃったけど、まだまだ読んでいられたし、ぜひまた「新・しあわせゴハン」みたいなカタチで新しいエピソードが読めることを期待しています。

 

あとがき

スラムダンクの最後もセリフが一切ないのに感動したもんな…ってそれとこれとは違うか。

 

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