三度の飯と復讐劇が好きです。しかも絵が綺麗で復讐の相手が自分の家族となれば、嫌でもテンションが上がるってもんでしょう。
純和風の世界観ってのもそうだし、侍vs忍者って世界観もそうだけど、初期設定としてはメチャクチャ面白いと思う。家族への復讐ってのと獣的要素がちょっとNARUTOっぽいって感はあるものの、この絵のクオリティは必見です。
というわけで今回は、復讐をテーマに描かれる純和風ダークファンタジー「しのびがたき(全5巻完結済み)」を紹介します。
しのびがたき あらすじ
本作は、復讐が復讐を呼ぶという流れの戦国ダークファンタジーである。忍者によって家族を殺された侍と、侍によって家族を殺された忍者による、復讐劇と言ってもいい。
登場する地名や人物などの多くは、実在したものをモチーフにしており、戦国時代に詳しい人間であればピンとくるものも多いだろう。
圧倒的な画力で構成される全5巻、一度読み始めたら目が離せない!
しのびがたきの登場人物
吉中 虎之助
尾長の国の国主、尾長信影に仕えていた剣術指南役の吉中家三男。復讐のために忍者を斬る、孤高の侍。
尾長の国に忍者が攻め込んできた際に、義兄弟の風丸に裏切られ全滅した吉中家の生き残りであり、家族を殺された復讐として風丸を討つことを目的として旅をしている。
浅間 紅璃
霧化国国主の娘にして、浅間家の生き残り。
虎之助に自身の復讐を手伝ってもらって以降、霧化国の再建を目指すとともに、全ての元凶である尾長信影を討つことを決める。
草眼 風丸
忍者の生まれだが、虎之助に父親に拾われ、武士として育てられた。虎之助の義兄弟にあたる。
ある時、尾長の国を忍者が襲ってきた時に忍者側に寝返り、虎之助以外の吉中家一族を全滅に追い込んだ。
尾長 信影
尾長の国の国主。忍者から忍術を奪う力を持っている。
しのびがたきの見所をチェック!!
和風な世界観にマッチするダークな要素
最初見た時は九尾かと思ったよね。たぶん本作を読んだ漫画好きの読者の多くは、みんなそう感じたんじゃないかと思う。
個人的には侍とか忍者って世界観がとにかく大好きで、ゲームでも天誅とか侍道とかそういうチャンバラ要素のあるアクションゲームが堪らなく好きなんだけど、当然NARUTOも読みました。
で、復讐のために生きてきたっていう一族の悲劇みたいなもんも見てきたし、すっげー獣みたいなものを自分の中に宿している悲劇みたなもんも見てきた。
そして思った。「なんか似てない?」と。
本作は侍と忍者の運命を巡る復讐劇なんだけど、主人公が九尾みたなのを片腕に宿していて、すごく強いんです。そして、自分の義兄弟に復讐するために旅をしているっていうね。
既視感が凄まじい。でも、前例があるだけにすっげーしっくりくる。和風な世界観とダークな要素が見事にマッチした作品です。
圧倒的な画力の高さ
これはコミックス1巻の表紙の時点でわかってたことだけど、画力が圧倒的に高いです。
すっげー絵がうまい、惚れる。髪の毛の線とか細かく描かれていて、バトルシーンなんかも迫力あるし、とにかく引き込まれる絵です。
最終巻にはセリフの一切ないバトルシーンもあって、個人的にはスラムダンクの最終回かと思うくらい、絵に引き込まれたと言っても過言ではありません。多分、過言じゃない。多分。
ベタな友情劇
本作には結構…いや、かなりベタな友情劇があります。ベタもベタ。読んでてフラグ立ったのとかも全部筒抜けのやつ。例えるなら、クローズZEROⅡで小栗旬が鳳仙に1人で殴り込みに行ったときに「あー、どうせ仲間くるわー」って思ったようなやつです。
例えるなら、吉良吉影と戦っているときに死んだと思っていた億泰が最後の最後に助けにくるようなやつです。「ベタすぎるのにも、ほどがあるだろー!」って思うんだけど…だが、それがいい!
個人的には、復讐することしか頭になかった閉鎖的な主人公が、少しずつ心の闇を晴らしていくって展開でも良かったと思うけど、本作ではかなり序盤で主人公が明るいキャラになってしまうので、その辺は「うーん」という感じ。友情はベタだけど見応えあり。
しのびがたき コミックス全5巻を読んだ感想
途中から主人公のキャラが急に変わったり、最終巻になってから急にギャグ要素が強くなったり…。ぶっちゃけ「テコ入れかな?ブレてるなぁ…」と思わずにはいられない部分が多く見られました。
個人的にはですよ?復讐に燃える感じのダークさがウリだと思ってたので、最初から最後まで血生臭い感じで行ってくれればよかったのにって思います。
もちろん友情的な要素は良かったし、仲間の絆みたいなもので主人公が少しずつ変わっていくとかなら良かったと思う。ただ、復讐劇にギャグ要素はいるのかなぁってのがね。僕の中ではちょっと引っ掛かりました。
ただ、絵は文句無しに綺麗です。これは他の漫画でもあまり見られないレベルと言ってもいい。世界観ともマッチしてたし、ぜひ次回作でも純和風ファンタジーを書いて欲しいですね。
kindleのレビューにもあったけど「原作付きで描いて欲しい」ってのは僕も賛成。既に面白いとされている原作を武器に、この画力で再現して貰えたら…。間違いなく跳ねるはず。
あとがき
絵のクオリティがパネェっす。
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