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「オキテネムル」を読んだ感想・レビュー

 

これまでにも寄生生物をテーマに描かれた名作漫画は幾つかありますが、そのどれもと一線を画す感じの作品がこちらの「オキテネムル」です。

作者の連打一人氏は「王様ゲーム」で知っているんですけど、絵がすごく上手なマンガ家さんで女の子が可愛いんですよね。普段の表情はもちろん、絶望感が全面的に出ている顔の表現も上手くて印象に残っています(ストーリーのあれこれは別にして)。

というわけで今回は、動物と寄生生物が展開するパニックホラー「オキテネムル(全9巻完結済み)」の紹介です。

※序盤を読んでの感想のため、物語の核心に迫るようなネタバレは無し。

 

 

オキテネムル あらすじ

 

人間に寄生することでキリン男やヘビ女となる寄生生物がテーマとなっている作品。寄生されてしまったヒトは最終的に死ぬことになってしまい、それまでの間に感染したヒトの唾液、粘膜、血液感染によってヒト→ヒトへと感染経路を広げていくというもの。

寄生された人間は発症するまで見分けが付かないが、それを唯一見分けることができるのが「オキテネムル」と呼ばれる能力者であり、オキテネムルは寄生生物を、寄生生物はオキテネムルをお互いに探し合うという内容となっている。

 

オキテネムルの登場人物

春末 彼方

 

本作の主人公でオキテネムルの能力者。この能力を巡って多くの抗争に巻き込まれていくこととなる。

 

シキ

 

外部情報捜査局(ガイチュー)のエース捜査官。カナタの相棒として、彼を護衛することになる。戦闘能力は高い。

 

セツ

 

ある組織に捕らえられていて、繰り返される実験の末に規格外の力を手に入れた。オキテネムルもどきと呼ばれている。

 

オキテネムルの見所をチェック!!

オキテネムルと寄生生物のせめぎ合い

 

例えば同級生が寄生生物に感染していて、それに気付いたとして「素直にそれをガイチューに教えるかどうか」という部分に、教えることに対する葛藤がしっかりと描かれています。

ガイチューはオキテネムルの力を使って寄生生物を探し出そうとするんだけど、見つける=殺すってことだからそれを素直に教えたくないっていう躊躇する様子が描かれているのは良いと思う。

最近のデスゲーム的な展開の作品だと、人が死んで当たり前みたいな感じで進んでいくのに違和感を感じる読者も少なくないと思うので、このあたりはしっかり描かれているように思います。

 

寄生生物などに関する豆知識

 

寄生虫と言えば最も有名なものの1つとして、カマキリに寄生するハリガネムシが挙げられると思うんだけど、寄生生物が人間の思考を乗っ取る事に対する例えみたいな感じで例として出てきます。

他にもモンシロチョウは人間の目ではオスとメスの区別が付かないけど、モンシロチョウ同士ならオスが黒く見えているとか。実際にそうなのかどうなのかは置いといて、結構面白いと感じる豆知識が織り込まれています。

 

オキテネムルが戦うのは寄生生物じゃない

 

寄生生物はとある人間によって造られ、その人間の目的はオキテネムルを見つけ出すために寄生生物を造ったという展開は、僕としてはすごく胸熱の展開でした。

それを分かりやすくするための解説で、トキソプラズマの例を出したりする辺りも思わず「へぇ~」と言わされてしまったし、いたずらにグロいだけの作品じゃないことが分かります。

ちなみにトキソプラズマっていうのは、ネズミに感染して最終的にはネコに感染して生殖活動をするらしいんだけど、その過程でわざと宿主のネズミがネコに食べられるように仕向けるらしいです。

 

あとがき

「寄生虫」とかYouTubeでググったことがある人なら文句無しにおすすめ。

 

 

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