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「ストーカー行為がバレて人生終了男」を読んだ感想・レビュー

ストーカー行為がバレて人生終了男表紙
Ⓒストーカー行為がバレて人生終了男

ストーカーと言えばちょっと前から大きく問題視されている事例です。男女差別は良くないとは言えど、特に女性側から見るストーカーの恐怖感ったら半端ないと思います。

そんなストーカーをコメディータッチに仕上げ、さらにサスペンス要素を放り込んでくるという新感覚過ぎる漫画作品があるんです。ストーカー被害に遭わないための啓発活動というわけでもなければ、ストーカーという犯罪行為に対する注意喚起というわけでもなく、軽く茶化している要素こそあれど決して馬鹿にしていないという…。

この感覚はまさに新ジャンル!というわけで今回は、新感覚サスペンス「ストーカー行為がバレて人生終了男(連載中)」を紹介します。

ストーカー行為がバレて人生終了男のあらすじ

影沼秀夫、中堅私立大学4年生。現在、就職活動苦戦中。そんな影沼の唯一の趣味は、街で見かけたかわいい女性の後をつけること……。突然やってきた人生最良の日、影沼は「これが最後」と心に誓い、ほろ酔い美女の後をつけるが因果はめぐり、最悪の事態に陥る!! 「人生終了」の緊急事態、衝撃のストーカーサスペンス!!(ストーカー行為は法律で禁止されています)

ストーカー行為がバレて人生終了男の見所をチェック!!

主人公はストーカーを繰り返す特殊性癖を持つ大学生

ストーカー行為がバレて人生終了男1
Ⓒストーカー行為がバレて人生終了男

芸人さんでもストーカーや不審者っぽさを題材にして笑いを取る人がいますが、あれは「やってそうだけどやってない」という前提があるからこそ笑えるわけで、マジもんのストーカーは笑えないです。

本作の主人公は、街で見かけた可愛い女の子をストーキングして家を突き止め、それをノートに書いて「東京→埼玉間 美人マップ」と称してコレクションするという…。なかなかの奇天烈ぶりを発揮しています。

これまでの人生において女性に縁がなく、ひ弱で草食系で腕力も無さそうというキャラがあるからまだ平和的に見ることができますが、踏み込んでいる領域はかなりコアな領域と言えるでしょう。この設定だけでも既に面白そう(そして実際に読み進めるとヤメ時を見失うくらい面白い)。

想定されていたハラハラ展開

ストーカー行為がバレて人生終了男2
Ⓒストーカー行為がバレて人生終了男

タイトルの時点で「どうせストーカー行為がバレて警察の世話になるんでしょ?」って部分は想像に容易く、ここから転落していく人生を眺めながら悦に浸る系の漫画かと思うじゃないですか?

他人の不幸は蜜の味じゃないけど、大学生活を満喫していて就職も決まり、それも超一流企業に採用された人物がストーカー行為によって全てを失うサマは、よほど性格の良い人を除いてメシウマに映るのでは?本作はその期待に応えてくれます…というか、その期待を超えてきます。

警察の事情聴取とかで下手なことは言えないし、かと言ってすべてぶちまけてしまうのも危ういという不安定な立場における駆け引き。「アリバイを証明したいのに、それを証明しちゃうと別件の容疑が出てしまう」みたいなやるせなさというか、とにかく期待を裏切らない展開が見所です。

予想不可能なとんでもない展開へと発展

ストーカー行為がバレて人生終了男3
Ⓒストーカー行為がバレて人生終了男

前項では「期待を裏切らない」と評しましたが、はっきり言って「期待を大幅に上回ってくる」と言ったほうが適切かも。最初はストーカー男の転落人生みたいに思ってて「どこにサスペンス要素があんねん」くらいに思ってたんだけど、気付いたらめっちゃサスペンスしてた。

あれよあれよと目まぐるしい展開が続くので、2巻とか3巻くらいになると「俺、何見させられてんの?」くらいになります。緊張感はマジもんのサスペンスだし、美人マップとか作って満足しているような変態男が巻き込まれる事件にしちゃ、壮大なスぺクタルでお送りされすぎてる。

サスペンスって言ったら、最初から最後まで手に汗握る緊張感みたいなものが魅力だと思ってたけど、最初はコミカルな感じだったのに、気付いたらサスペンスの世界に引きずり込まれているってのも面白い要素なんだと勉強になりました。

ストーカー行為がバレて人生終了男 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

ストーカー気質が一切なく、ストーカー的な感情が一切わからないという人に刺さるかどうかは分からないけど、少しでも「芸能人やアイドルがどこに住んでいるのかが気になる」みたいな感情を持ったことがあるなら、ある程度は理解できるんじゃないかと思います。

で、何より「他人に直接的な危害を加える気が微塵もないストーカーが、気付いたらとんでもない展開に巻き込まれていく」という展開が面白すぎる!ストーカーがストーカーを成敗するみたいな、相談に乗ってくれる警察官がストーカー的な…。その程度なら驚かないんだけど、本作では割と予想できる展開の斜め上をいきます。

ちょっと強引さが目立って、サスペンスとしてはリアリティには乏しいような気がしないでもないけど、読み物としてコメディーチックな部分も多く、これはこれでアリ。とにかく先の展開が気になるし、序盤では「本作品がどうやって終わるのか」が全く予想できず、未知数であることも本作の魅力です。

あとがき

ストーカーはしたことないけど、人生は終了してます。