サスペンス・ミステリー 個別紹介

筒井哲也作品「ノイズ【noise】」の鬼気迫る緊張感にオラわくわくすっぞ

更新日:

「マンホール」「予告犯」などの作品で有名な筒井哲也先生の新作コミックスが発売されました(2018/05/18)。

毎回、過激ながらも社会の在り方に一石を投じるという過激なスタンスがすごく好きで、読み始めたら一気に夢中にさせられてしまう作品が多いのですが、今回もその期待にバッチリ応えてくれそうな展開です。

それでは早速ですが、筒井哲也先生の新作「ノイズ【noise】(連載中)」を紹介します。

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作品概要

長年、過疎化と高齢化に悩まされてきた山あいの小さな村に一筋の光が差し込んだ。

村の特産品として栽培されている黒イチジクが脚光を浴び、全国から注文が殺到することに。

ふるさと納税で潤った財政を尻目に「都会者の金で食う飯は美味い!」と吐き捨てる助役がいる一方で、町役場を改修したり、図書館を新設して観光客を呼ぼうとする町の政策に疑問を持つ者も少なくなかった。

そんな田舎に訪れた1人の男。この男の存在が、順調に動き始めた猪狩町の運命を大きく変える。

 

登場人物

泉 圭太

猪狩町が注目されるキッカケとなった黒イチジクを栽培しているイズミ農園の代表者。

若者がおらず、限界集落として馬鹿にされている故郷を何とかしたいという想いが強い。

1人娘の教育問題を巡って妻と別居しており、協議離婚の手続き中である。

 

田辺 純

イズミ農園で働く手伝い人。柔道で鍛えた筋肉が自慢で腕っぷしも強い。

冬は猟師としての活動もしており、猟銃を扱う技術にも長けている。

 

鈴木 睦雄

28歳当時、女子大生ストーカー殺人事件を引き起こし、殺人と強姦の罪で逮捕された。懲役18年の実刑判決を受けたが模範囚であったことから、13年目に仮出所。そして、猪狩町に姿を現す。

自分で殺人事件を引き起こしておきながら、逮捕前の取材では「自分も恋人を殺された被害者だ」と言わんばかりの猿芝居を見せ、田辺からは「平然と嘘がつける人間」と評されている。

 

守屋 真一郎

猪狩町に新たに配属されることとなった2年目の巡査。

「地域の安全を第一に、住民から慕われる警察官になりたい」と話すが、先輩からは「地域社会の平穏のためには、地域住民に対して忖度することも必要だ」と諭され、その意味を大きくはき違えてしまうこととなる。

 

畠山 努

愛知県警捜査一課に所属するベテラン刑事。とある警察OBが失踪した事件を追い、猪狩町に姿を現す。

14年前に起きた女子大生ストーカー殺人事件の担当刑事でもあり、その事件を未然に防止できなかったことを悔いている。

 

見所をチェック!!

出し惜しみしない展開の速さ

筒井作品の最大とも言ってもいい特徴と言えば、その展開の速さです。多くのサスペンス作品は、土台を丁寧に作り上げてから様々な所に伏線を張り、少しずつ読者を惹き込んでいくものが多いように思えるんだけど、筒井作品の出し惜しみの無さはハンパ無い。

「平穏な村に突如として現れた不穏分子」みたいな前置きがあるなら、少しずつ「こいつが不穏分子っぽいけど、果たして本当にそうなんだろうか?」と思わせる感じがあってもいいと思うんです(あまりにも多いとくどくなるけど)。

それでも本作を含めた筒井作品では「こいつが不穏分子ですけど、何か?」と言わんばかりの加速感が感じられます。で、最終的にはイイ意味で読者を裏切るというか「本当に伝えたかったもの」を強いインパクトでもって表現してくれるんですよね。

いつまでも結論を言わずにのらりくらりとする政治家みたいな女々しさが一切なく、毅然とした態度でストレートに物を言っている感じが凄いですよ。

 

緊張感が張り詰めるシーンの演出が一級品

他の作品でもそうなんだけど、筒井先生のサスペンス作品は緊張感が張り詰めるシーンの演出が秀逸だと思う。

例えば、何かの犯罪を犯していたとして、それを警察に嗅ぎつけられた際のやりとりとかですかね。所有しているだけで逮捕されてしまうようなブツを運んでいる場合に、警察に声をかけられるのって避けたいじゃないですか?でもあからさまに避けると「なんかアイツ怪しくねぇ?」って感付かれてしまうリスクが出てくるというか…。

で、平然を装ってるんだけど、何かの偶然で警察には声をかけられちゃって、でも核心に迫られることはなく、安心してその場を離れようとした瞬間に「ちょっと待て」となるような感じ。僕の説明が下手過ぎて申し訳ないんだけど、緊迫感の表現がメチャクチャ巧みだと思います。

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幾つもの運命が交錯して辿り着く結末とは

この物語が序盤から秀逸だなぁと感じる理由の1つに、初期設定を蔑ろにしていないという部分があります。

「平穏な村に不穏分子が訪れて…」という展開なのであれば、多くの読者は「なんで?何のために来たの?」とか思うじゃないですか?その辺の説明も作中でしっかりされているんです。

あとは殺人事件が発覚してないのに都合よく警察が来たりとかね。ちゃんと警察が来るべくして来ているということが説明されている作品って、意外と少ないような気もしますから。そういう意味でも、ちゃんと腑に落ちる展開が期待できると思います。

 

コミックス1巻を読んでみての感想

田舎の雰囲気がすごく良くて、田舎生まれの僕にとってはすごく懐かしい雰囲気を感じました。で、そこに現れた元受刑者っていう展開も、静かな水面に雫が落ちて波紋を呼ぶって感じがして、一気に引き込まれるんですよね。

とにかく時系列の見せ方も上手で、読み進めていて「あー、そういうことだったのか」って思わされる場面が随所に散りばめられているのもすごいと思います。第一巻でこれですから、何巻まで続くのかわかりませんけど、早くも続きが読みたくて仕方ありません。

筒井先生の作品は多くが短い巻数で完結することが多いので、すごく読みやすくて無駄な演出がないんです。現時点では、今作も5巻以内に完結するんじゃないかと思っていますが、個人的には「息を止めながら読んでいるような緊迫感のある作品」だと思っているので、長けりゃ身体がもちませんから丁度いいのかなぁと。

ちょっと過激な作風も筒井先生ならでは。妙なリアリティのある緊迫感を堪能したいという人は、ぜひ手に取ってみてください。

 

あとがき

こんなに心地良いノイズって初めてかも。

 

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