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セミのひと夏にも似た一瞬の輝きに心を奪われる演劇漫画「ブタイゼミ」を紹介する

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短い漫画が好きです。で、全5巻以内くらいの漫画を読み漁りたいんだけど、それくらいのボリュームになるとどうしても打ち切られた作品が多くなっちゃうんですよね。

そうなってくると全2巻で完結した漫画作品ってのは、終わるべくして終わったというか、作者の人が「ここで完結するのが美しい」と考えて終わらせてることが多いから、最後までノンストップで楽しめる作品が多いんです。

というわけで今回は、最初から最後まで一気に楽しませてくれる漫画の中から、演劇・舞台にスポットを当てた青春演劇漫画「ブタイゼミ(全2巻完結済み)」を紹介します。

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作品概要

感情を上手く表現することのできなかった男が、演劇と出会って自分の感情を表現する喜びを知った。その男の拙い演技を見た女には、この才能が唯一無二のものに見えた。

天才女優と呼ばれる裏で、本当の自分を隠し続けていた女には、誰にも打ち明けていない過去があった。その女の演技を見た男には、嘘の為に命を削っているように見えた。

その2人が出会った時、ブタイセミは急激な進化を遂げ、運命の歯車も加速的に回り出す。

 

登場人物

千石 今日太

本作の主人公。ティッシュ配りのアルバイトをしてても「ティッシュに入れる広告の内容は把握しておく必要がある」と言い、自分の家に仕事を持ち帰ってサービス残業をするような、一風変わった人物。感情が一部欠損しているような振る舞いをすることが多々ある。

ある時、如月今日子に出会ったことで演劇の深さに魅了され、自身も劇団ブタイゼミへの入団を決意する。

 

如月 今日子

彗星の如く劇団ブタイゼミに現れ、劇団の知名度を爆発的に上げた人物。

あまり自身のプライベートを語ることはなく、劇団員たちも彼女の素性を詳しくは知らない。

 

西尾

ブタイゼミの劇団員。プロ意識が高く、頭の悪いチンピラ役を演じる際には歯を抜いたというエピソードを持っており、役の大小で取り組む意識を変えたりしない。

主役を巡って今日太と演劇による対決をすることになる。

 

タケトミ

舞台の世界での権力者。

如月がブタイゼミに入団するキッカケを作った人物でもある。

 

見所をチェック!!

見開きページの熱量がハンパ無い

本作は結構な頻度で見開きページが出てくるんだけど、その熱量がハンパ無くてすごく心に訴えかけてきます。イメージとしては、読んでいて急に鳥肌が立つって感じ。

登場人物たちの普段の雰囲気と演じている時の雰囲気が違い過ぎて、イイ意味で「本当に同じ漫画かよ」って思います。

そして見開きページのセリフが結構重い。言葉は短いんだけど、考察のしがいがあるセリフというか、なんとなくズシンと来るような重みを感じるって言うんでしょうか。

このゾクゾクッとする感じがたまりません。たぶん読み始めたらクセになるはず。

 

「役を演じる」ということの何たるか

僕はドラマで俳優さんや女優さんの演技を見てても「誰誰の演技が巧い」とかはあんまり思わなくて、ドキュメンタリーとかを見てて舞台監督が演者に向かって「お前は心から演じていない!」とか言っているのを見ると「おいおい、マジかよ」って思うタイプの人間なんだけど、それでも心をえぐられるインパクトがあります。

謝罪するシーンとかで「お前は心から謝っていない!」とかいうやつ、僕にはOKシーンとNGシーンの区別が全くつかないので。そんな僕が茶化すことなく、物語に一気に引き込まれてしまいました。

本作の冒頭では、主人公がヒロインに向かってセミを演じさせるシーンがあります。周りの野次馬はまぁパンチラ目当てでカメラ向けたり、SNSに投稿したりとかするんだけど、演じる側はそういうの関係ないもんね。だってセミだもん。

かの吉永小百合さんが鶴を演じて、野生の鶴に警戒されることなく近付いたというエピソードがあります。本当かどうかは知りませんが、そういうこともあるのかなぁって思わされてしまうような迫力が大きな魅力です。

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タイトル「ブタイゼミ」の意味

色んな人に「セミに対するイメージ」を聞いたら、多くの人は「ずっと地中にいて、ようやく地上に出てきたかと思ったらすぐに死んじゃう可哀想な昆虫」って答えるような気がします。

まぁ僕からしたら「あんなに大きな声で喚き散らしたら、人間だってすぐ死ぬわ」って思うけど、あれって命を削って鳴いているというようにも捉えられますよね。

本作の表題は「ブタイゼミ」で、セミに始まってセミに終わるというような流れになってるんだけど、セミの色んな一面が描かれていると言っても過言じゃありません。

僕は、最初は意味が分からないのに物語を読み終わった時にしっくりくるタイトルこそが秀逸だと思っているので、そういう意味でも本作には感銘を受けました。

 

全巻読んでみての感想

こんなこと言ったら舞台を命がけでやってる人とか、舞台が好きな人に怒られちゃうと思うんだけど、舞台ってどうしてもテレビに出られない人が出る場所ってイメージがありました。

「最近あの人見ないなー」って思ってる人が久々にテレビに出てるのを見てると「ずっと舞台で活動してました」みたいなことって結構あるじゃないですか?もちろん舞台を中心に活躍してる素晴らしい役者さんはいます。いますけど、テレビに活動の場がないアイドルくずれの逃げ道にもなってる気がするんですよね。

でもそういう考えを改めさせられるくらい、内容の濃い全2巻だったと思います。こんな短い巻数でこれを表現するなんて、本当にすごい。

 

あとがき

アパートの目の前で死んでるかと思いきや、近付いた瞬間に「じじじじじじじじじ!!!!!!」っていうやつ、あれやめて。

 

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