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「新・信長公記~ノブナガくんと私~」を読んだ感想・レビュー

新・信長公記~ノブナガくんと私~
Ⓒ新・信長公記~ノブナガくんと私~

戦国武将最強って誰だと思います?まぁ人によって答えは変わってくるだろうし、もっと言えば「何をもって最強とするのか」によっても変わってくるよね。喧嘩最強って意味なのか、統率力って意味なのかとか。

いずれにしても決して答えが出ないっていう点で言えば、非常に魅力的かつ面白いテーマだと思います。じゃあそれをテーマに漫画にしようって言って、戦国武将たちのクローンを現代でヤンキーさせてみたっていうのが本作です。

というわけで今回は、戦国最強ヤンキー列伝の開幕「新・信長公記~ノブナガくんと私~(全8巻完結済み)」を紹介します。

新・信長公記~ノブナガくんと私~のあらすじ

2105年「ある戦国オタクの科学者が“名だたる武将達が一斉にこの世に生まれたら誰が一番強いのか”を知るために禁断の実験に手を染めた」という都市伝説がささやかれる。15年後、日下部みやびが入学した銀杏高校には名前もキャラも戦国武将そのもののクラスメイトが34人も終結していた!  彼らが目指すのは不良の世界の「てっぺん」を獲ること。やる気満々の武田信玄、上杉謙信、伊達政宗に羽柴秀吉……。ひとり織田信長だけはマイペース。不良たちも「あいつはただのバカ」と見くびるが…!

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「戦国武将最強は誰?」がテーマの不良漫画

新・信長公記~ノブナガくんと私~
Ⓒ新・信長公記~ノブナガくんと私~

本作は「戦国武将のクローンたちを同年代に生み出し、その中の最強を決めよう」という感じの歴史シミュレーション的漫画です。同じクラスに所属している戦国武将たちっていうことで、よくある感じの不良・ヤンキー漫画における登場人物が戦国武将たちバージョンって思ってもらえれば。

まぁ天下人っていう意味では信長、秀吉、家康あたりが有力候補だろうけど、単純に不良としての腕力って話になってくると本多忠勝とか前田慶次、真田幸村あたりも捨てがたい…みたいになってきて、とにかく序盤からワクワクする展開が続きます。

まぁタイトルにもあるように武力、統率力、知力をトータル的に考えるとやっぱ信長ってことになるんだろうか。でも歴史は繰り返すってことで、秀吉が漁夫る展開もありそうだよね。とりあえず創造だけでもあーだこーだ言えるくらいには面白いです。

各武将たちの特徴がしっかり反映されている

新・信長公記~ノブナガくんと私~
Ⓒ新・信長公記~ノブナガくんと私~

戦国武将のクローンってことで、各武将の逸話や特徴的なものがしっかりと現代風にアレンジされて反映されています。信長はうつけものってことで掴みどころがなかったり、秀吉は女好きでハッタリをかますのが上手かったり…。

中でも武田と言えば騎馬隊ってことで、単車を乗り回す暴走族設定っていうのにはワロタ。こんな感じの史実に基づいた設定がいくつか用意されているので、歴史好きとしてはちょっとニヤニヤしてしまう展開も多数用意されていました。

ガチの歴史マニアならあれこれ言いたくなるような作風かも分かんないけど、個人的にはフランクに読める日本史×ヤンキー漫画という感じで嫌いじゃないです。むしろかなり好きな部類。

ライアーゲームの作者ならではの頭脳戦

新・信長公記~ノブナガくんと私~
Ⓒ新・信長公記~ノブナガくんと私~

本作の作者である甲斐谷忍氏と言えば、ライアーゲームやワンナウツといった心理戦に重きを置いた作品が有名です。そして本作は不良漫画っぽいベースがありながらも、しっかりと心理戦的な要素も組み込まれていました。

戦国武将なんてみんな我が強くて天上天下唯我独尊みたいなもんですから、委員長(クラスで一番偉いやつ)を決めろって言われればみんな自分の名前を書くわけで、協調性なんかほとんどないわけです。これをどうやって解決するかって部分はライアーゲームっぽさがあって、ちょっと衝撃を受けました。

もちろん戦国時代を生き抜くには腕力よりも策を練る力が重要だったろうと思うし、そういった部分が頭脳戦となって作中で楽しめるのは非常に良き。歴史に興味がなくても心理戦漫画が好きだったり、これまでの甲斐谷忍氏の作品が好きだったという人にもおすすめです。

新・信長公記~ノブナガくんと私~ コミックス序盤を読んだ感想・レビュー

信長を題材にした漫画ってめちゃくちゃ多いですけど、やっぱ戦国時代が舞台になっている作品が多いんですよね。その時代を素直に描くか、あるいは現代からタイムスリップしたかっていう違いはあれど、基本的には戦国ベース。たまに信長が現代に来るパターンは見るかな。

でも名だたる戦国武将たちのクローンを全員同じクラスにしたヤンキー漫画って考えると、ありそうで無かった感がハンパないです。超有名な不良漫画で歴代のボクサーの名前が付いたやつはあったけど、戦国武将(それも名前だけじゃなくて特徴も押さえてる)っていうのは相当熱い。

「どうせ信長が最強なんだろうな」と思いながらも、史実の信長は天下統一を目前にして倒れているわけで、二度あることは三度あるって言われているわけで…。今後の展開が非常に楽しみな導入部分でした。戦国武将が好きな人、不良漫画が好きな人、甲斐谷忍氏の作品が好きな人におすすめです。

あとがき

タメだから仕方ないけど、秀吉が信長をバカ呼ばわりするのは相当な違和感。