何かと「〇〇女子」と言って煽ってくる昨今。急に広島カープが強くなったからって、巷ではカープ女子なるものが取り上げられてたけどあんなん邪道ですよ。本当にカープが好きな人ならともかく、多くはインスタ映えとか流行りに乗っかったミーハーですから(←偏見)。
それに引き換え、僕としては自分を持っていて我が道を行く女性は心から好き。1人でラーメンとか牛丼とか食べてる女性はむしろカッコイイとさえ思いますね。というわけで今回は、そんなカッコイイ女性の姿を描いた釣り漫画「おひ釣りさま(連載中)」を紹介します。
※コミックス1巻のみ、軽いネタバレを含みます。
おひ釣りさま あらすじ
女性が1人で食事や趣味を楽しむことを「おひとり様」と言うが、本作は主人公の女性が釣りを趣味にしており、休日になると1人で釣りに出かける様子を描いた漫画である。川、海、釣り堀…。場所や獲物を選ぶことなく釣りに明け暮れる姿は、その主人公が女性であることを忘れさせるくらいカッコイイと言っても過言ではない。
釣りに関する豆知識、仕掛けの種類、釣り方のテクニックはもちろん、所々に笑いのエッセンスも加えてくれているため、釣りの基本的な知識が無くても楽しめるような仕上がりになっているのも大きな魅力と言えるだろう。
おひ釣りさまの見所をチェック!!
上条星羅(24)のミステリアス感
本作の主人公は入社2年目の会社事務員、上条星羅(24)。決して愛想が良いとは言えないけど仕事はそつなくこなし、他人にどう思われているかなんて気にしないという毅然とした感じがたまりません。
ロングヘアーが似合う美形の女性で、普段は感情をあまり表に出さないクールビューティーであることからも、同じ会社の社員は「休日は何をして過ごしているんだろう?」と想像してしまうようなミステリアスさを持っています。これがいい!
そんな彼女が魅せる、大物と対峙したときに魅せる闘争心剥き出しの表情とか、魚との対決を制した時の喜びの表情は、読んでいるこっちの感情も揺さぶってきますよ。
楽しみながら釣りのテクニックも学べる①
僕はこれまでに釣り好きの父親に連れて行かれて何度か釣りをしたことがあるってくらいで、仕掛けの種類とかテクニックとかを全く知らないズブの素人です。そんな僕でも楽しみながら釣りのテクニックを学ぶことができます。
細かい説明の後で「手っ取り早く言うと…」みたいな端的な説明もあるので、釣りに興味が無くても楽しめるのはすごいと思う。なんならこれを機に釣りに興味を持つ人すら出てきそうな勢い。
よくありがちな「ただ可愛らしい女の子をキャスティングして釣りをさせているだけの作品」というわけではなく、釣り好きの読者も楽しめるような構成になっているように感じるので、釣りが好きな人にもおすすめしたいです。
楽しみながら釣りのテクニックも学べる②
釣りをしない僕からすると狙う魚によってエサが変わることくらいは分かっても、竿の種類とかリールの種類とか色んな物の違いがそこまで影響するようには思えないんだけど、こんなヘタレにも分かりやすく解説してくれています。
その魚の特徴とか釣るまでの醍醐味なんかを釣り以外の何かに例えて表現してくれているので、すっげー分かりやすいです。
例えば「シロギスは群れで動くからすぐ合わせると魚が散ってしまう」という出来事を、焦らずに魚がかかるのを待つことが重要だとしていて、それを分かりやすく「がっつく男はモテない」と形容してるんですよね。
別に本作を読んだからと言って釣りが上手くなるとは思わないけど、下手な入門書よりも釣りに興味を持つ人が出てくるんじゃないかと。少なくとも僕は釣りに興味が出てきました。
おひ釣りさま コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
〇〇女子って言葉の流行りと共にそれを題材にした漫画も増えてきていて、個人的には「なんでこんな漫画出したんだろう…」って思う作品も多いです。具体的には言わないけど例えば可愛らしい女の子を出しておけば何でもOK的な風潮って言うか、ただ可愛らしい女の子が料理を食べるだけの漫画とかね。
グルメ漫画って「真似したくなるようなアイディアレシピ」とか「実在するお店のレビュー」とか、何かしら得られるものを目的に読む人も多いと思うから、ただ可愛らしい女の子が「美味しい~」って言ってるだけの漫画って違うと思うんです。
話はそれましたが、本作は単純に「可愛らしい女の子に釣りをさせているだけの漫画」ではなく、下手すりゃ入門書になるんじゃないかくらいのクオリティで描かれている釣り漫画で、作者の方の「女の子を主人公にしとけばウケるんじゃないか?」的な思惑はあったとしても、ちゃんと釣り部分が掘り下げられている作品です。
そういう意味でも数少ない釣りジャンルを盛り上げる作品になりつつあると思うし、海釣り・川釣り・沼釣りとかそれぞれの違いも簡潔に説明してくれてたりするから、釣りが好きな人もそうでない人も楽しめるんじゃないかと思います。
あとがき
こういう趣味漫画がもっと流行って欲しい。