中学生~高校生くらいの時って恋愛とエロのことばっか考えてました。それがいつの頃からか恋愛を面倒なものだと思うようになってしまい、こうなってしまうと人はただ枯れていくだけだと思うんだけど…。
本作の世界観に触れていたら、多分もっと早い段階で達観していたんじゃないかと。控えめに言って超面倒くさいし、だからこそめちゃくちゃ面白い!というわけで今回は、新感覚の頭脳戦ラブコメ「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(連載中)」を紹介します。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~のあらすじ
「恋愛は告白した方が負けなのである!」 家柄も人柄も良し!! 将来を期待された秀才が集う秀知院学園!! その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!! プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!! 新感覚“頭脳戦”ラブコメ、開戦!!
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~の見所をチェック!!
恋愛が戦争だったら…を再現する激しさ
惚れた方が負けっていうのは昔から言われていることだけど、それを顕著にしたラブコメって感じの作品です。控えめに言ってめちゃくちゃ面白いし、屁理屈をこねくり回してしまうような読者にとってはたまらない作風と言っていいでしょう。
本当はお互いに両想いで周りから見てもお似合いな二人の男女が、どちらも「自分からは告白したくない」ってことで、いかに相手に告白させるかっていう駆け引きを水面下で行うという…。
基本的に恋愛って駆け引きみたいな部分が大きいし、押してダメなら引いてみるっていうことが言われている世界ではあるんだけど、そのスケールが凄すぎて笑うしかないっていうね。これはもう「ちょっと隙を見せる」とかそういうレベルじゃないし、間違っても恋愛マニュアル本には載らないやつです。だが、それがいい!
当事者が必死な様子が面白い
たまに「お前、謝ったら死ぬの?」ってくらいの人っているじゃないですか?ちょっと悪いことをしてしまったっていう自覚があるなら、謝れば許してもらえるだろうに意地でも謝らないやつ。
子供ならまだしもそれを大人がやっていると「謝りたくないからか遠回しな言い方してるなぁ…」って思ったりするんだけど、それの恋愛バージョンという感じです。そもそも素直な二人じゃなんで、元から付き合いたいじゃないんですよね。最初から既に「付き合ってやってもいい」ですから。
そういう高飛車な人間がただ待っているっていう状況に飽きて相手にちょっかいを出すんだけど、お互いが同じことを考えてるから暖簾に腕押し状態っていうのがめちゃくちゃ面白いです。読んでて「何見させられてるんだろう…」とか思う時もあるんだけど、この面白さは今までのラブコメになかったやつだと思います。
なまじっか頭が良いからなのか変な方向に間違えている駆け引きなんかも出てきたりして、思わず笑ってしまうはず。特に今現在、片想いをしているっていう人にはほぼ例外なく刺さることでしょう。
超高度な恋愛心理戦
例えばトランプで「ババ抜き」をするとして、ノーマルなルールにおいても色んな駆け引きがあると思うんです。自分がババを持っているときにあえてババじゃない方に目線をやるとか、相手に引かせるときにあえてババを少し飛び出した状態にするとか。
それのめちゃくちゃ高度なやつをやってます。「勝者は敗者になんでも一つお願いごとが出来る」っていうボーナスが出ると、普通は一生懸命勝ちにいくのが正解だと思うんです。でもこの場合において、勝つことが正解なのかどうかっていう部分まで落とし込んで考えないといけないっていうね。
お願いごとにしたって常識の範疇で、許されるものと許されないものがあるわけで…。そこにお願いごとは紳士的なものに限るっていう条件が付与されると、もう何が紳士的なものなのかが分からなくなってくるし、むしろ負けることの方が勝ちなんじゃないかって気がしないでもないです。
この二重三重に罠を張り巡らせる感じというか、単純に考えすぎな二人の様子は見応えたっぷりです。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
あー言えばこー言うっていう展開、詭弁や屁理屈などの口が達者な感じが好きな人ならドハマりしてしまうような内容のラブコメです。頭脳戦っちゃ頭脳戦なんだけど、それをもっと有意義なことに使えーって言いたくなる感がたまりません。
単純に言えば相手に告白させようとしている男女の駆け引きの物語なんだけど、いろんな方向に話が脱線しつつもちゃんとそのレールに乗っている感じとか、あるいは「ここまで来たらもう告白すればいいんじゃね?/ここまできたらもう諦めればいいんじゃね?」ってなってしまうほどの面倒くさい雰囲気が最高です。
恋愛において直球勝負なんてそこそこ勇気とか経験がなきゃ難しいんだから、多くの人は答えの出ないシミュレーションであれこれやった人も少なくないと思うんだけど、その究極系がこれ。恋愛で駆け引きをしたことがあるって人には漏れなく刺さると思うので、恋愛漫画が好きな人だけじゃなく心理戦が好きな人にもおすすめです。
あとがき
こうなってくると恋愛ってもう面倒くさい。