ネコを題材にした漫画であれば、もうそれだけで癒しと笑いが成立すること必至です。実際の猫ライフを元に描くのであれば、猫を飼っている人からすれば「あるある」の宝庫だし、猫が飼えないという人もそれを見て癒されることでしょう。
このように「読者を笑わせよう!」と思わなくても、自然と笑みがこぼれてくるのがネコ漫画だと思うのですが、じゃあネコを題材にしてコメディー漫画を描いたら…?というわけで今回は、癒し系ねこコメディー「ねこったけ(全6巻完結済み)」を紹介します。
ねこったけ あらすじ
通学途中に野良猫たちの集いに参加し、野良猫たちの写真を撮りまくったり、野良猫たちのデータをノートにまとめたりしている男子高校生・富士健祐。ある日、健祐は野良猫たちの中でも一際仲の良い「タマ子」が居なくなったことに気が付く。探し回っているとタマ子はカラスの集団に襲われていた。
健祐は必死にタマ子を助けようとするが、カラスたちの凶暴さにやられて助けきれない。そんな時に現れたのが猫拳道の使い手・猫マスターである。ネコパンチ、ネコキャッチ、グルーミングなどの猫拳道を駆使し、カラスを追いやった猫マスターの姿に憧れた健祐は猫マスターに弟子入りを志願するのであった。
ねこったけの見所をチェック!!
コメディータッチな猫物語
本作で描かれているのは、コメディータッチな猫物語です。主人公の師匠的な存在である猫マスターは猫拳道と呼ばれる武術を使いますが、これは猫好きの猫好きによる猫好きのための憲法であり、誰も傷付けることはありません。
ちょっとふざけている感があって、決してリアルに寄せている漫画作品ではありませんが、このコメディーチックな部分こそが本作の大きな見所と言えるでしょう。
猫を観察することの重要性
実際に猫を飼ったことがある人…というか、実際にペットを飼ったことがある人なら分かると思うんですが、世間一般的に言われていることが自分の飼っている子に当てはまるとは限らないじゃないですか?
例えばウチの猫はマタタビにそこまで食いつきが良くなかったし、極論を言うと「散歩が嫌いな犬もいるんじゃない?」くらいに思ってます(だからと言って散歩に連れて行かないというのはまた別の話)。
だからじゃないですけど、本作はコミュニケーションの一環として「観察することの重要性」みたいなことを教えてくれているような気がします。猫コメディーなんだけど笑わせるだけじゃないみたいな。良い意味でふざけてる漫画なので小さい子にもおすすめです。
笑いあり、涙ありの猫物語
猫コメディーということで、笑いの部分はしっかり押さえてあることが分かりますが、読み進めていくと泣ける場面もしっかり用意されています。僕も実家で猫を飼っていた時期があって、当時は「自分と猫の関係性」を考えたことがありませんでした。しいて答えるなら「家族」と答えていたと思います。
犬の場合は飼い主と主従関係を築くと言われていますが、じゃあ猫は?一概に言うことは難しいものの、本作で出されている答えも1つだと思います。
その答えは猫を飼っている人の数だけあると思うし、全部が正解であって全部が正解じゃないと言えるんじゃないかと。本作を読んで「そうだよね」とか「そういう考え方もあるよね」とか、そういう学びが得られるというのも大きな見所です。
ねこったけ コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
笑いあり、涙ありの猫物語ということで、絵も綺麗で読みやすい漫画です。ちなみに猫の絵に関してはアニメっぽくデフォルメされておらず、割と本格派でした。
主人公が通学途中に寄り道して猫の写真を撮りまくっているとか、プレハブに住んでいる猫マスターとかツッコミどころは色々あるんだけど、読者を選ばない作風だと思います。小さな子供から、ひいては大人まで。猫が好きな人には是非手に取ってもらいたいと思えるネコ漫画です。
あとがき
ねこにくびったけを略してねこったけ。
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