みなさんは前世を信じますか?個人的には寝れない夜にたまに想像したりもするんだけど、そもそも人間だったっていうパターンとは限らないと思っています。前世っていう考え方については否定しないけど、人間じゃなくて植物だったかもしれないし、虫だったかもしれないっていう感じ。
さて、本作は前世で復讐の螺旋に足を踏み入れた2人の男女の物語です。というわけで今回は、壮大な輪廻転生スペクタクル「スピリットサークル(全6巻完結済み)」を紹介します。
スピリットサークル あらすじ
桶屋風太は中学2年生。平凡な中学生生活だったはずが額に大きな傷のある美少女の転入生・石神鉱子の出現によって一変する事に! 壮大な輪廻転生スペクタクル!
スピリットサークルの見所をチェック!!
転校生が初対面じゃなかったという展開
クラスに転校生の女の子がやって来て、初対面だと思って色々と話しかけていたら実は初対面じゃないっていうスタートを切ります。ここだけ聞いたら「幼稚園児くらいの頃に結婚の約束でもしたことを忘れてた的な?」みたいに思うかもしれないけど、それは現世じゃなくて前世の記憶という話です。
ぶっちゃけ記憶が残ってなかったら、前世の時の話をされたところで「知らねーよ」って話になるじゃないですか?本作では前世の記憶を辿りながら、なぜこの転校生の女の子が自分に殺意を向けているかを思い出していくという流れになっています。
女の子の額の傷といい、主人公の頬の傷といい…何かあった感がすごいものの、そもそも尋常じゃない殺意を向けられていることは事実なわけで、過去に何があったのかは大きな見所と言えるでしょう。
前世の記憶を辿る旅
本作でいう前世は1つではなく、いくつかの前世が絡み合って完成しています。わかりやすく言うと「1回目の人生で2人の関係に亀裂が入り、それをこれまでに何回も繰り返してきた」という関係性です。
もちろんどちらか片方が一方的に虐げてきたという意味ではなく、お互いがそれぞれ思う部分はありつつの犬猿の仲というイメージでしょうか。そこまでお互いを敵視する必要はない人生もあったんだけど、宿命みたいなものがそうさせたというケースも少なくありません。
現世で明らかな殺意を向けられて、まったく覚えのなかった主人公が記憶を取り戻していくというわけです。この記憶を完全に取り戻したとき、向けられた殺意に対してどのような行動に出るのか、そして主人公の前世の記憶の真相はめちゃくちゃ見応えがあります。
全てが明らかになった時、2人が選ぶ行動とは?
主人公の頬の傷がかつて転校生によって刻まれた呪いの痕だったとすれば、その恨みは相当なものだということが分かります。もし過去に主人公がとんでもない行いをしていたとして、じゃあそれを現世で生産しなくてはいけない理由ってあるんでしょうか。
というか逆の立場になって考えてみると、前世に酷いことをされたという記憶があるのであれば来世でも復讐したいって思う気持ちは分かるような気もするんですよね。やられる方にその記憶がないっていうんじゃフェアじゃないような気もするけど。
いずれにしてもすべての記憶がオープンになった時、2人がどのような行動に移るのかは必見!矛を向けられた主人公は抗うのか、それとも受け入れるのか…めちゃくちゃ大きな見所です。
スピリットサークル 全6巻を読んだ感想・レビュー
最初は守護霊みたいな話をし始めたり、そもそもタイトルがスピリットサークルっていうことでオカルト漫画かと思いました。確かに輪廻転生とか前世の記憶っていう要素があるから、多少は宗教的な描写もあるんだろうけど、非常にファンタジー色が濃くて非常に良くできている物語という印象です。
まず色んな時代背景の前世を辿る旅が面白い!そして主人公が恨まれることに対して、0か100かで考えるのが難しいという点も引き込まれる要因の1つだと思います。
例えば時代遅れの「生贄の儀式」みたいなのを止めた奴がいたら、そいつが善か悪かは後の時代が決めるわけで…。ある人にとっては悪かもしれないけど、多くの人にとっては善かもしれないし。因縁の関係なんて、どっちが良いか悪いかなんて決めれないもんだってことを痛感しました。
本作の主人公2人の関係性、それを取り巻く周りの人間たち、どれもが素敵だと思える物語です。復讐の物語なんだけど、爽やかな読了感があるっていう非常に珍しいタイプの作品だと思います。
あとがき
前世のこととか考えるの結構おもしろい。
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