特に多様になってきているグルメ漫画ですが、大阪特化型で人情譚と見事に組み合わさっているのがこちら。外食メインになるので家にいながら「真似してみようかな?」という種類のグルメ漫画ではありませんが、大阪に旅行に行きたくなるような魅力に溢れています。
大阪特権と言っても過言ではない「たこ焼き、お好み焼き、肉吸い」等はもちろん、お菓子類やまかない系、お祭り系の料理等、幅広く取り扱われていると言っていいでしょう。というわけで今回は、味のあるグルメ漫画をお求めの方におすすめの「ナニワめし暮らし(全8巻完結済み)」を紹介します。
ナニワめし暮らし あらすじ
月刊誌「週刊大衆ヴィーナス」で連載の大阪人情グルメ漫画「おいしてたまらんわぁ」が待望のコミックス化。ひょんなことから大阪のシェアハウス「しまき」の管理人になった東京出身のデザイナー・茶谷。大阪独特の文化とシェアハウスの住人たちに振り回されながら、「お好み焼き」や「肉吸い」と言った大阪グルメと浪花の人情にどっぷりと浸かっていく……。関西の“今”に出会える新感覚B級グルメコミック、召し上がれ!
ナニワめし暮らしの見所をチェック!!
大阪ならではの人情譚
本作は東京のブラック企業に入社して仕事をクビになった26歳の主人公が、大学の時の先輩に声を掛けてもらって気分転換がてら大阪に来たところ、東京に行くことになった先輩と部屋を交換するハメになったというもの。
交換先の家はなんとシェアハウスで、大阪の美味しいモノを食べながらここで暮らす人々と触れ合っていくグルメ漫画+人情譚となっています。大阪って変な人も多そうだけど人情味に溢れているというか「落ち込んでいるのがアホくさくなるような空気感」を感じませんか?(僕は大阪に行ったことがないからアレだけど)
東京で仕事をクビになり、落ち込んでいる人間が大阪に来て美味いもんを食べる…。そこで知り合った人たちから得られるモノって間違いなくプライスレスです。大阪の美味しいモノが楽しめるのはもちろん、そこでの出会いに感情を揺さぶられる一作と言えるでしょう。
登場する料理は多彩
大阪って言われると「たこ焼き、お好み焼き」のようなソース味の食べ物が真っ先に浮かぶんですが、ダシを使った料理なんかも有名ですよね。そして大阪ならではのマニアックな料理も少なくありません。
よく言えば「工夫を凝らした節約料理」みたいなイメージで、悪く言えば「行儀が悪い料理」って言うのかな。最初は敬遠されがちなんだけど一口食べてみるとその美味しさに驚く的な料理です。
特に料理に関してはジャンルを絞った作品ではないので実に様々な料理が楽しめるグルメ漫画となっていて、基本は大阪っぽいグルメでたまに変わり種もあったりします。登場人物にとって思い出の料理だったり新たな出会いを祝福する料理だったりもして、一緒に食べる人たちとの笑顔の様子も大きな見所です。
大阪っぽさを感じさせるパワフルキャラ
もし現実に、ようやっと就職したデザイン会社で酷使されて体調を壊し、あげくクビになったとして…。1人になって塞ぎ込んでいたら悪化しそうな気がするものの、かと言って明るい場所に引きずり出すのも違うように思うわけで。
実際の大阪がどんなものなのか分からないからハッキリとは言えないんですが、世間一般的に言われている大阪のイメージを見事なまでに表現している強烈なキャラが多々登場します。
かつてナイティナインの岡村さんが療養していた際に「完治するまではさんまさんと絡んではいけない」とお医者さんに言われていたように、気持ち的に落ちている時に触れ合うには刺激が強すぎるキャラがてんこ盛りなんですよね。
そんな人たちと触れ合って主人公がどう変わっていくのか。人間落ち込んだ時は「よく食って、よく寝ろ」と言われてますから、美味しいモノを食べて大阪の活気に触れてどう変わっていくのか注目です。
ナニワめし暮らし コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
「話には聞いたことがあるけど見るのは初めて」みたいな料理が結構あって、実物を見るわけじゃないのに感動しました。肉吸いとかたまごせんべいは芸人さんのトークくらいでしか聞いたことがなかったので、外観だけでも分かったのは大きな収穫だったと思います。
こんな感じで料理そのものに興味を持っていかれることもあったんだけど、本作の場合は「その料理が出てくるときの人情劇がまた素晴らしい」んですよね。
誰しも「高級品でもないし他にも美味しい料理はいっぱいあるんだけど、思い出補正もあって定期的に食べずにはいられない」みたいな料理、1個はあるんじゃないかと思います。そういう思い出になり得るエピソードが詰まっているので、温かい気持ちになれるグルメ漫画と言っていいでしょう。読んだら大阪に行きたくなること間違いなし!
あとがき
肉吸い食べてみたい。
飯テロ上等!!面白くておすすめのグルメ漫画、料理漫画を紹介する