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「ブクロキックス」を読んだ感想・レビュー

ブクロキックス表紙

 

本作はサッカーはサッカーでも「ブラインドサッカー」と呼ばれる、アイマスクをして行うサッカーが題材になっている漫画です。この協議ではボールの中に鈴があって鳴るんですよね。

テレビで実際のブラインドサッカーも見たことがあるけど、まぁすごい。こんなんやれって言われても絶対に無理だなって思った記憶があります。その時は面白いなって思う感情もあったけど、どっちかと言えば「大変そうだな」が強くて、口を開けっ放しにして見ていたような気が。

本作は競技以外の部分の人間関係なんかも面白くて、大変そうだなって感情もあるんだけどそれ以上に面白さが押し寄せてくるサッカー漫画です。というわけで今回は、ブラインドサッカーを題材にした「ブクロキックス(全5巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ブクロキックス あらすじ

一番自由で、一番激しい、もう一つのサッカー。これが令和のサッカー漫画だ。

池袋の整体院で働く盲目の青年・小山田と、同僚で友人のハルカ。二人は日韓ハーフの女の子・ジヘに誘われ、「ブラインドサッカー」と出会う。この時はまだ、ハルカもジヘも、誰も気づいていなかった。小山田の隠れた才能に‥‥。

舞台は東京。勝てば賞金1000万。「盲目の青年」「日韓ハーフの女の子」「フツーの男」「妻に逃げられたオヤジ」「ゲイバーのママ」アイマスクをしてプレイする5人制のサッカー「ブラインドサッカー」で、コイツらが奇跡を起こす!?東京ブラサカ青春譚、第1巻開幕!

 

ブクロキックスの見所をチェック!!

主人公の超人感

ブクロキックス1

 

ちょっとデリケートな問題だからアレなんだけど、僕みたいなアホは「ブラインドサッカー=目が見えない人がやるサッカー」だと思ってたんですが、実際はそうじゃなくて「アイマスクをしながらやるサッカー」みたいです。

つまり健常者であっても目隠しをすればOKということで、だからと言って「盲目の方が有利じゃん」とならない部分も面白いと思いました。で、注目すべきは本作の主人公の超人感です。

スポーツ漫画のセオリーと言えば、どちらかって言ったら「一分野に特化した初心者主人公が少しずつ成長する姿」みたいなものがお約束じゃないですか?主人公最強的な作品も多いけど、こっちは下手すると主人公の強さが鼻に付くというか…。

本作は主人公の最強感がすごいです。でも全然嫌味っぽくないし、むしろ応援したくなります。たぶん競技面だけじゃなくて、その裏側にある人柄とかも描かれているからなんだろうけど。それに少しは誇張されているものの、明らかなチートでもなくてパワーバランスが秀逸だと思いました。

 

始まりは1000万円

ブクロキックス2

 

そもそも「なんでブラインドサッカー?」って思うじゃないですか?監督自身が盲目で、ブラインドサッカーの良さを広めたいと思ってるとか、あるいは「目が見えなくても楽しめるスポーツがあるということを周知したい」みたいな志があるのかなぁと思いきや、最初の入り口は1000万円っていうお金だからね。

主人公は純粋にブラインドサッカーを始めた感じになってるけど、その先輩とかチームの監督は割と不純な動機でブラインドサッカーを始めてるって部分も妙にリアルで面白いし、これがあるから物語としての幅も広くなっているような気がしました。

1000万円も大会の賞金ってわけじゃなくて、とある強豪チームが自主的に「俺たちに勝ったらあげる」って言ってるだけだから、何の目的でそんなことをしているのかって部分にもドラマが隠されていそうです。

 

数々のライバルたちとの競争

ブクロキックス3

 

ブラインドサッカーと言えど、強豪チームは幾つか存在しています。主人公のチームでは一生懸命ビラ配りをしても参加者が集まらないってくらい、競技人口自体にも不安が残るような感じだったんだけど、割と普通のサッカー漫画みたく「あいつが湘北高校の流川だ」みたいな人が少なくありません。

みんな1000万円を狙っているライバルと言うことで、序盤は良い人ばかりだけど物語が進むに連れて嫌な奴とかも出てくることが予想されます。お金を求めている動機も人それぞれでしょうし、中には「病気の妹を助けるため」みたいな目的の奴も出てくるかも。

その人らと肩を並べる、弱小チームに所属する主人公ってのも味が良いよね。やってることはジャイアントキリングだし、主人公はまさにボールと友達って感じだけど、完全に新しいサッカー漫画のような感じがします。今後のライバルたちとの戦いにも注目です。

 

ブクロキックス コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

めっちゃ面白くて熱いサッカー漫画だと思います。主人公の強さに嫌味がないし、強いことは強いけど不安定さがあってチームの戦力も弱いって部分がスパイスになってるんじゃないかと。

絵も綺麗で、スーパープレイの際に音が消える感じっていうのかな。時間が止まるような演出というかコマ運びというか…。ブラインドサッカーだからあまりフィジカルの強さにはスポットが当たってなくて、むしろ洗練された動きが重要っていう雰囲気を感じるんですが、それにピッタリの絵の上手さだと思いました(最初は頭文字Dっぽい雰囲気を感じたけど)。

ぶっちゃけブラインドサッカーがやってみたくなるくらい、めちゃくちゃ面白いサッカー漫画だと思います。普通のサッカーが好きな人だと「女子サッカーとかフットサルは認めない」って人もいるだろうけど、そういう人じゃなければ超楽しめるサッカー漫画と言って間違いないです。

 

あとがき

何か似たような名前聞いたことあるなって思ったら「エキノコックス」だった(全然似てない)。

 

 

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