ぶっちゃけ本作をパラパラっと呼んだ時に自分の中の道の扉が開く感じというか、新たな引き出しが開く感じがしました。がっつり読んだら何かに目覚めるって読者も少なくないんじゃないかと。
ぶっちゃけ本作のカテゴリーを問われたときに、個人的には「異世界漫画」に分類したかったほどです。それくらい自分にとっては未知の世界ではあったんだけど、なぜか奥底には共感があるかのように夢中にさせられてしまいました。
というわけで今回は、究極のフェチ漫画「可愛そうにね、元気くん(全8巻完結済み)」を紹介します。
可愛そうにね、元気くん あらすじ
主人公・廣田元気には、周囲に言えないある“性癖”があった。その異常さから、恋をすることすら諦めようとしていた元気だったが、どんくさいクラスメイト・八千緑七子への想いはどんどんくすぶっていき……!?
可愛そうにね、元気くんの見所をチェック!!
誰にも知られたくない究極のフェチ
AVのジャンルとかを見ていても「これはどこに需要があんねん」と言いたくなるものが存在します。本作で書かれているのはまさに典型的なそれで、大半の読者からすると意味が分かりません。そんな性的趣向がテーマになっている作品です。
コンパで話題になるような「SとMどっち?」というライトな話じゃなく、マジでコアな性的趣向です。「鼻血を出して戸惑ってるの可愛かった」という文字を読んだとき、自分が今まで使ってきた日本語とは思えなかったくらいの衝撃を受けました。
はっきり言って僕には全く理解できない世界の話だったけど、なぜか根底にある部分は共通しているというか…。僕の性的趣向に通じるものがあるというか…。何かしら人に言えないアブノーマルな部分を持っている人なら、少なからずも夢中にさせられてしまう魅力がある作品だと思います。
見たことがない歪な三角関係
冒頭では軽くふざけて異世界漫画と評しましたが、真剣にカテゴライズするなら「恋愛漫画」になると思います。ただし、こんな恋愛漫画は今までになかった!
男性向けの恋愛漫画だと大半がハーレム気質というか、男1人に対して女2人の三角関係が多く、少女漫画だとその逆になることが多いわけですが、本作で描かれている三角関係は歪にもほどがあります。
男1に対して女2ではあるんだけど全然ハーレム感ないし、もっと言えば全然羨ましくない。でも2つの性的趣向が一気に満たされるというか、SとMは表裏一体というか、なんなら「本当のMになるためにはSを知らなければならない」みたいな哲学を感じるというか…。
とにかく僕の中の語彙力を総動員しても的確な表現が見当たらないほど、本作の未知数は計り知れません。この三角関係、とにかく歪です。
可愛そうにね、元気くん コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
真っ先に思ったのは「可哀想とか可哀相じゃなくて可愛そう」と表現している部分です。ちなみにマナー講師的なアレはあるのかもしれないけど、基本的には「可哀相=可愛そう」という認識でいいみたい。
そんなことはどうでも良くて、本作はかなりヘビーな内容かつ読者を選ぶ作品であることは間違いないでしょう。僕自身、好きな子が血を出してる姿に興奮するとか一切ないけど、人に言えない(言いにくい)ヘキを持っているという部分では少なからず共感できる部分があって、そこの感情が本作の面白さに繋がってるんだと思いました。
だからドノーマルの人には全く響かないだろうし、中には「不健全だ!」とか言う人がいるのも理解できます。とりあえず言えるのは、本作が唯一無二と言っていいほどのフェチ漫画であること。
どんなジャンルでもいいんで、自分に変態な一面があると自負している人なら、本作の中で自分との共通点を見出せるんじゃないかと思うんで、変態を自覚している人には文句なしにおすすめです。
あとがき
かわいそうって打つと「河合荘」が出てくるあたり、なんかわかりみ。