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「地獄楽」を読んだ感想・レビュー

地獄楽表紙
Ⓒ地獄楽

忍者を主役に据えたダークファンタジーがめちゃくちゃ好きなんだけど、本作は剣術アクション要素も入っていて本格的な和製ダークファンタジーとなっています。

主人公の生い立ちや人間関係みたいな部分も気になるし、仲間との関係性なんかも相まってめちゃくちゃ夢中にさせられる全13巻と言っていいでしょう。というわけで今回は、生死を悟る忍法浪漫活劇「地獄楽(全13巻完結済み)」を紹介します。

地獄楽のあらすじ

最強の忍として畏れられ、抜け忍として囚われていた画眉丸は、打ち首執行人の“山田浅ェ門佐切”から無罪放免になる為の条件を突きつけられる。その条件とは極楽浄土と噂の地で「不老不死の仙薬」を手に入れること…!! 生死を悟る忍法浪漫活劇、開幕――!!

地獄楽の見所をチェック!!

主人公は抜け忍とその打ち首執行人

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Ⓒ地獄楽

本作の主人公は相当な戦力を持っている抜け忍です。普通の打ち首や火あぶり、牛割きという処刑方法では命を落とさない主人公。首に向かって刀を振り落とせば刀の方が折れ、牛と主人公の足を繋いで牛が全力で走ると牛の方が力負けしてしまうという…。

これじゃ処刑にならないっていうんで打ち首執行人による本格的な処刑が行われそうになり、さすがにそれはやばいと悟ったのか生にしがみつく主人公という流れです。そして処刑にならないためのある提案がされ、それに従うことになるという物語です。

なぜ抜け忍として刑に服しているのか、もっと言えばなぜ忍びを抜けたのかなどの主人公の生き様や背景にも見所がたくさんあります。特に彼の奥さんの存在と関係性は超大きな見所と言っていいでしょう。

無罪放免を勝ち取るためのサバイバル

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Ⓒ地獄楽

とある島に不老不死の薬があるという噂があり、そこからその不老不死の薬を持ち帰ってくることで無罪放免が勝ち取れるという話を聞き、それに参加することになった主人公。

本来なら死刑になる犯罪人たちが薬を探すということもあり、勝手に逃げたりしないようにという意味合いも含めたお目付け役として打ち首処刑人が同行するという感じです。「執行人と共に不老不死の薬を持ち帰った者は無罪放免とする」という流れ。

つまり不老不死の薬が見つからないのは話にならないとして、執行人が死んでもダメっていうことになっています。執行人にも色々いてすっげー緩い奴もいれば固い奴もいるし、剣術の腕前みたいなことでも序列があるので、場合によっては「罪人>執行人」みたいな組み合わせになったりもしているのが大きな見所の一つです。

迫力あるバトル・アクション(忍術と剣術の応酬)

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Ⓒ地獄楽

不老不死の薬があるという島には正体不明の敵がわんさかいる他、同じ犯罪者同士のバトル展開も待っています。そもそも不老不死の薬が一個しかないっていう話なのか、先着一名限定の無罪放免だったかはちょっと忘れちゃったんだけど、いずれにしても「競争相手を潰してからゆっくり探そう」みたいな発想の人物もいるようです。

主人公は抜け忍ということで多彩な忍術を使用します。これは忍術アクションが好きな読者にとってはたまらないんじゃないかと思いました。絵もかなり綺麗なので、火を吹くシーンなんかは普通にカッコイイです。

そして相方でもある打ち首執行人は剣術の使い手なので、こちらはこちらで剣術によるバトルに見応えたっぷり!色んな犯罪者と執行人のタッグがあって、組み合わせによっては「それ反則じゃね?」っていう奴らもいるのでその辺にも見所ありです。

サバイバルのはずが共闘する展開に

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Ⓒ地獄楽

本来は不老不死の薬を取り合う関係性なんけど、島の謎を解き明かす目的や島の敵に対抗するための対抗措置として、犯罪者同士で手を結ぶという展開があります。協力的な奴もいればそうでない奴もいて、仲間に引き入れることに成功するのか失敗するのかって部分にも見応えがあるんですよね。

しかも一緒に過ごす時間が長くなれば長くなるほど、情が湧いてくるというか仲良くなっていくのは必然です。そんな時に不老不死の薬を見つけたとしたら、果たしてこの関係性はどうなるのでしょうか。

ちなみに物語の後半になると「属性」みたいな話も出てくるので、相性や交友関係みたいなことも含めて個性爆発な仲間たちにも注目です。

地獄楽 全13巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

忍術アクションや剣術アクションとしての見応えもたくさんあるし、島の正体不明な生物たちのバトルや犯罪者同士の衝突なんかにも見応えたっぷりなダークファンタジーでした。

不老不死の薬自体があるのかどうかも疑わしいまま話が進んでいくし、主人公のバックボーンもめちゃくちゃ気になります。今にも命を落としてしまいそうな危険な展開に襲われながら、それらの不思議な部分が少しずつ明るみになっていくのはめちゃくちゃ面白いです。

結末に関しても文句なしで、かなり綺麗に着地した最後だったんじゃないかと思いました。Kindleレビューを見ると「NARUTOのパクリ」みたいな辛辣な意見が散見されましたが、個人的にはこのダーク感はNARUTOの世界観の暗い感じとはちょっと違うんじゃないかという印象です。

ダークファンタジー、忍術アクション、剣術アクションが好きな人にはおすすめします。

あとがき