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「悪の教典」を読んだ感想・レビュー

 

何でもかんでも悪って付けりゃ読者が食いつくと思ってんじゃねーよ!…って思ってました。でも、これは完全に悪。「これを悪と言わずして何を悪と言う?」ってくらいの悪です。

個人的には最近の表現の規制みたいなものに疑問を感じていて、バイオハザードなんかのゲームで過激な表現を誤魔化し始めたあたりから不満タラタラなんです。

それこそビートたけしさん&藤原竜也さんが主演した「バトルロワイアル」の映画が上映されたときの世の中の反響ったらなかったけど、それに負けず劣らず本作も超が付くほど過激。というわけで今回は、学校を舞台に繰り広げられるサイコホラー「悪の教典(全9巻完結済み)」を紹介します。

 

 

悪の教典 あらすじ

 

暴力事件を引き起こす不良がいたり、何かとすぐに学校に駆け込んでくるモンスターペアレントがいたり…。そういう意味では、どこにでもありそうな高校が舞台となっている。そんな高校の問題児が集まっている2年4組に、1人の若い英語教師が担任として就任した。

その教師は英語教師としての有能ぶりもさることながら生徒たちの信頼も厚く、生徒が困っていることがあれば自分よりも立場が上の教師相手でも臆することなく自分の意見が言える人物だ。

しかしとある事件を皮切りに、そんな生徒想いの英語教師が「実はとんでもない人間なんじゃないか?」という疑問が生徒と教師の両方で巻き起こる。これはそんな英語教師と、その周りで次々と巻き起こる事件の様子を描いたサイコホラー作品である。

 

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一言で表現するなら「逆GTO」

 

漫画が好きな人が本作を読んだ時にまず感じるのは「なんかGTOっぽくね?」ってことじゃないかと思います。やたらうるさいモンスターペアレンツがいたり、それを煙たがっているけど自分では何もできないからって後輩教師を矢面に立たせようとするクソ教師とか…。

更には親の権威を利用して好き勝手やる生徒がいたり、イジメとか援交とかセクハラとか…。もう、まんまGTOじゃないですか?「色んな問題生徒をピックアップして、その問題を1つ1つ解決していくスーパー教師の物語でしょ?」って思ってたんです。そしたら見当違いもいいところでした。

確かにグレートティーチャーではあるんだけど、鬼塚が正義のグレートティーチャーなら本作の主人公の蓮見は悪のグレートティーチャー。一言で言い表すなら「逆GTO」って言ってもいいと思う。本来のお涙頂戴な学園モノではありません。ゆえに本作にしかないダークな魅力が堪能できるでしょう。

 

有害図書指定待ったなし!?

 

まず初めに僕はどんな基準で有害図書という認定がなされるかとか、そういう詳しい情報は一切知りません。でも暴力的な描写がダメだって言うなら、それにリアリティがあるかどうかが1つの指標なんじゃないかと思っています。例えばドラゴンボールでもベジータがグルドの首をはねた瞬間は描かれていたわけで…。そこには「グルドは架空上の生き物」って前提があるからいいのかなーなんて思ったり。

あとはゲームとかでも、いくらゾンビとは言え「赤い血が流れるのはダメだ」みたいな感じで、緑色のグラフィックを採用した結果、レビューで「海外版は名作だけど日本版はチープ」とこき下ろされた作品もありましたよね。

いずれにしても本作は結構な危険性を孕んでいる作品だと思います。リアリティはそんなにないけど、生徒が生徒を皆殺しにするって意味では生徒同士が殺し合いを強要されたバトルロワイアルよりもダークじゃない?

 

「教師 vs 生徒」の全面戦争

 

本作は、早い話が「学校を舞台にした、大人と子供たちの殺し合い」です。子供とは言っても相手は高校生なんで、いくら武器を持っているとは言っても普通にやられる可能性はありますし、単純に「どっちが勝つのかな?」って意味でも見所があります。

生徒たちの中には逃げ惑う者ばかりではなく、当然向かってくる者もいるわけで…。ちなみに主人公の英語教師はショットガンを片手に校舎を徘徊しているという無双ぶり。生徒側はそれに数の利で対抗すると言ったところでしょうか。

その辺のホラー作品だと、仮想世界というか「無人島で謎の生き物が出てきて…」みたいな展開が多いじゃないですか?そうなってくると読み手の想像力も重要になってくると思うんです。でも本作は問題なし。誰もが記憶にある学校が舞台になっているので、自分が「ショットガンを片手に持った教師に追い回されている」という割と想像しやすい舞台背景が恐怖感に拍車をかけてくれるでしょう。

 

悪の教典 コミックス全9巻を読んだ感想・レビュー

ぶっちゃけ健全な作品とは言い難いです。でも、これぐらいの残酷さと言うか「御上の顔色なんか伺わねーよ感」みたいなものがあった方が、むしろ気持ち良いような気はしました。教師を主人公にした学校モノっていうと日本では金八先生やらスクールウォーズに始まり、近年でもGTO、ごくせん、ルーキーズ等の熱血教師みたいなもんが持て囃される傾向が強いです。

でも教師って大変じゃないですか?生意気な生徒がいて口で言ってもわからないような奴を軽くたたいたら体罰だなんだって…。だからこういう作品があってもいいと思います。

読んでて正直「先生頑張れ!」なのか「生徒負けるな!」なのかよくわからない感じにはなったけど、下手なデスゲームなんかよりもずっと見応えがあって面白い作品だと思います。ダークな雰囲気を持っている漫画や有害図書指定されそうな漫画、デスゲーム、ホラーが好きな人におすすめです。

 

あとがき

こういうゲームが出ても面白そうだけどなぁ。

 

 

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