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「文豪アクト」を読んだ感想・レビュー

 

タイトルだけ聞くと、ちょっと堅い感じもするけど…。個人的にはめちゃくちゃハマった漫画です。簡単に言うと演劇部再興の物語で、文豪ってあだ名の冴えない老け顔男子が演劇部に入部してから生き生きし始めるって流れのストーリーなんで「文豪アクト」っていうらしい(知らんけど)。

男女が入り混じっている文化部を舞台に、まさかこんなに熱い展開が待っているとは…。目から鱗ってのもあったし、単純にもっと長く読んでいたいって感じの漫画でした。というわけで今回は、下手なスポーツ漫画よりも熱い演劇漫画「文豪アクト(全2巻完結済み)」を紹介します。

 

 

文豪アクト あらすじ

 

生まれ持っての老け顔ゆえに、クラスメイトから「文豪」とあだ名され、孤立無援の八熊太平、高校二年生。そんな青春を諦めていた太平の前に突如現れた美少女・翔子。彼女は太平を強引に演劇の世界へと連れ出した!「アンタは傍観者じゃない」その翔子の言葉に文豪の青春が動き出す!!熱き高校演劇の幕が上がる!!

 

文豪アクトの見所をチェック!!

学校公認の演劇部 vs 学校非公認の演劇部

 

本作の根底にあるのは元々1つだった演劇部が2つに分裂してしまったという背景です。なぜ2つに分裂したかは作中で明らかになっていきますが、1つの部活が分裂する展開って他にあったかな…。よく「野球部がサッカー部にグラウンドを取られてしまって練習できない」的な、校内の部活ヒエラルキーみたいなものは目にするけど。

まぁ演劇に関しては野球とかサッカーと違って、目に見えて両者の差が数字に表れるとかそんなんじゃないんで「相手が負けと認めなければ非公認側が勝てないんじゃないか?」とか思ったりもするんだけど、その辺は杞憂でした。

「良いものは良い、悪いものは悪い」という感じで判定されていくし、何よりも本人が1番分かっているという感じで進んでいく様子をこっちは俯瞰的に見ることができるので、すんなり物語に入っていけるかと。

 

演劇が分からない読者にも凄さが分かる

 

お正月のバラエティ「格付け」なんかでも、2つのVTRを出されて「片方がプロの演劇、もう片方が高校生の演劇」とか言われても意外と分からなかったりしそうじゃないですか?

ハッキリ言って僕の場合、俳優や女優の演技を見ていて「こいつ大根だなぁー」って思うことってあんまないです。というか演技の上手い・下手がよく分からないっていうね。

そんな僕みたいに演劇が分からない読者にも、何がどう凄いのかが分かるように描かれています。それも、演技を見ている人間に負けを認めさせるっていう単純な手法とか、オーディエンスの歓声っていう分かりやすい方法を使うんじゃなくて実に面白い表現をしてるんです。

「喋らせるために喋らせなかった」ってワードだけ聞いてもピンと来ないと思うけど、このワードには痺れました。他にもユーモアな表現が多々使われているので、これらも大きな見所かと思います。

 

主人公「文豪」の成長ぶり

 

本作の主人公は冴えない老け顔男子ではあるんですけど、よく見るタイプのオタク・引きこもり気質とは微妙に違って「老け顔ゆえに周りから距離を取られ、陰口を言われ、卑屈になっているわけではないけど、周りとどう接していいかが分からずに諦めている」という感じ。

だから人間性に問題があるわけじゃないんです。ただ、不器用すぎてどう自分の気持ちを表していいのかが分からないっていうね。そんな人物が演劇に挑むんです。

単なる雑談でも自分の気持ちを表現できない主人公が、どうやって演技で感情を爆発させるのか。もちろん最初から上手くいくわけもなく少しずつ成長していきます。これが熱すぎる!

もちろん部員には少しクセが強くて尖ったやつもいるけど、徐々に打ち解けていく感じとかも最高です。まんま熱血スポ根漫画っぽい紹介だけど事実だから仕方ない!

 

文豪アクト コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー

演劇のマンガって言われると僕の中では真っ先に「ボンボン坂高校演劇部」が出てきちゃうんだけど、向こうがギャグ満載だったのに対し、本作はガチの演劇を描いた熱い物語っていう感じ。

青春時代ならではの部員同士の衝突とか文化部なのに超熱いです。この熱量は甲子園を目指す競合野球部と比べても引けを取りません。正直、なんで全2巻で終わってしまったのか謎なくらい、めちゃくちゃ夢中になって一瞬で読み終わってしまいました。これは作者の方の意図なんだろうか。

少なくとも打ち切りになるような評判の悪い漫画だとは思えないし、僕の素直な感想としては「まさにこれから盛り上がりそうな展開」と感じていたので、面白いのに早く終わってしまって残念です。ただ、明らかに駆け足でまとめましたって感じはないので、文化部なのに熱い漫画に興味があるという人はぜひ読んでみてください。

 

あとがき

僕の学校には演劇部って無かったけど、照れなしで演技できるのって凄いと思う。

 

 

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