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「湯神くんには友達がいない」を読んだ感想・レビュー

湯神くんには友達がいない表紙
Ⓒ湯神くんには友達がいない

ぶっちゃけ僕は人付き合いが得意じゃないので、すごく気の合う友人が2~3人いればいいという考えです。でも中学生とか高校生くらいの時は交友関係が広い人に憧れてたし、当時はそれに近づこうとして随分と消耗していたように思います。

本作は友達がいない一人の男子高校生の物語なんだけどそれを悲観している様子はないし、むしろ楽しんでいる感すらあるっていうね。というわけで今回は、新感覚お一人様コメディー「湯神くんには友達がいない(全16巻完結済み)」を紹介します。

湯神くんには友達がいないのあらすじ

転校生・綿貫ちひろの隣の席の湯神くんは、ちょっと…というか、すごく変わってます。野球部のエースでありながら、野球部に溶け込んでないし、クラスでもなんとな~く浮いた存在…そんな湯神くんは、いつだって一人を満喫しています。新感覚お一人様コメディー開幕です!!

湯神くんには友達がいないの見所をチェック!!

普通の人とはちょっと違う湯神くん

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Ⓒ湯神くんには友達がいない

本作の主人公である湯神くんはちょっと普通の人とは違うというか、クラスでも浮いた存在の男子高校生です。勉強もできるし野球部のエースなんだけど、まず青春を謳歌していないしリア充とは対極にいるような人物と言ってもいいような気がします。

少なくとも本人的には「友達はいないし必要ない」と考えているようで、高校生にしてここに辿り着くのってなかなか難しいじゃないですか?小中高で友達が欲しかったけど出来なかったっていう人が辿り着く分には分かるんだけど、湯神くんの場合はそうでもなさそうだし…。

本作はもう一人の主人公である綿貫ちひろが転校してきて、湯神くんが少しずつ変わっていくのか、あるいは何も変わらないのかっていう物語です。

良くも悪くも芯がある湯神くん

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Ⓒ湯神くんには友達がいない

野球部に所属していて「野球は9割ピッチャーで決まる」なんて言っちゃだめでしょ。それは野球を全く知らないというか団体競技をそんなに知らない人が発言して、ギリギリ許されるかどうかっていうラインだと思います。

確かに言わんとしていることは分からないでもないです。松坂大輔さんが横浜高校のエースとして甲子園に出場した1998年は春・夏で優勝してるし、しかも夏は決勝でノーヒットノーランのおまけ付き…。もちろんじゃあ「松坂さんが他の学校でも優勝してたか?」って聞かれたらそうじゃないけど、でもまぁ何となく…ね。

湯神くんはこういうことをサラっと言ってしまうので、ちょっと厄介者扱いをされています。確かにちょっと絡みづらい部分はありながらも、物事すべてに対してこんな感じなので「曲がったことや不正が嫌い」という点においては、他者に流されない芯の強さを持っていると言っていいでしょう。

なぜか憎めない湯神くん

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Ⓒ湯神くんには友達がいない

湯神くんは割と矛盾している部分も少なくありません。現に「ウジウジと過去の人間関係に脳の容量を使うつもりはない!」みたいなことを言いながら、過去に夏祭りで嫌な思いをさせられた相手に復讐を企てているし…。

で、本当に嫌な奴が矛盾したことを言っていたら真っ先にそれを指摘したくなったり、論破じゃないけど嫌味の一つくらいは言いたくなったりするじゃないですか?でも湯神くんに対してそういう感情は一切起こりません(怒らない人が多いと思います)。

たぶん読者の多くは湯神くんに対してちょっと嫌な奴っていう印象を抱きながらも、本当に嫌な奴ではないっていうことに気付いてるからじゃないかと。本人がそれでいいって言ってんだから別に湯神くんに友達ができることがハッピーエンドとは思わないけど、信頼できる相手の一人くらいは出来たらいいなぁと思ってます。

湯神くんには友達がいない 全16巻を読んだ感想・レビュー

湯神くんの変人っぷりみたいなもので読者を引っ張っていくって感じの日常コメディーです。普通の人とは決定的に何かが違って、でも周りに流されたりしない湯神くんの存在が気になって仕方ありません(実際にいたら近付きたいと思わないタイプ)。

友達がいないって言われているけど、本人が作ろうと思ってないんだからまぁそんなもんでしょっていう感じ。僕自身、友達はほとんどいないけど「友達をたくさん作りましょう」みたいな教育を受けたからか、さすがにゼロはやばいってことで好きでもない人間関係を構築していた時期が多かったので。

それを考えると湯神くんの他人に流されない感じはすごいと思いました。「こうなりたい!」みたいな感情は一切湧いてこないけど、周りの目を気にしないっていう生き方には憧れる部分もあったように思います。

そしてエンディングはすごく斬新で「え、こういう終わり方ありなの!?」っていう感じ。良い意味での不完全燃焼っていう表現が適切かな…。少なくとも序盤で予想するエンディングではなかったし、戦略的にお腹いっぱいにさせない的なエンディングに脱帽です。

あとがき

僕にも友達はいない。