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「珈琲をしづかに」を読んだ感想・レビュー

珈琲をしづかに
Ⓒ珈琲をしづかに

小さい頃、親の真似をしてコーヒーを飲んだりしてた記憶があります。全然美味しくなくて「大人になったら好きになるよ」なんて言われたけど、今になってもコーヒーは飲めません。甘めのカフェオレなら好きです。

しかし世の中にはコーヒーが好きだという人が大勢いて、中にはお気に入りの喫茶店があるという人も少なくないのでは?というわけで今回は、喫茶店を舞台に展開されるほろ苦いラブ×グロウアップストーリー「珈琲をしづかに(全5巻完結済み)」を紹介します。

珈琲をしづかに あらすじ

“大人”への憧れを抱く高校3年生の波多野貴樹(はたのたかき)は、長らく閉店していたはずの古びた喫茶店で、静かにカウンターに佇む年上の女性に心奪われる。どこかはかなげな「しづ」と呼ばれる彼女が気になってその喫茶店・ユカリに通い始めた貴樹は、店を訪れるさまざまな客とのふれあいを通じて少しずつ“大人”というものを知っていく――。 少年と年上の女性が織りなすほろ苦いラブ×グロウアップストーリー!

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喫茶店から始まる恋の物語

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Ⓒ珈琲をしづかに

恥ずかしながら僕は喫茶店と呼ばれる所に行ったことがないのですが、想像する限りは「落ち着く場所」というイメージがあります。学生なら勉強がてら行ったりする人もいるのかな。

本作の主人公は男子高校生で、幽霊が出る喫茶店という噂に興味を惹かれて行ってみたら、そこに綺麗な女性がいて夢中になってしまったという流れ。あ、ちなみに「この女性が実は幽霊で…」みたいな展開は一切ありません。

コーヒー1杯飲むのに500円もかかってしまうのは経済的にもしんどいだろうし、そもそもコーヒーの美味しさなんて分からない主人公が、この喫茶店に足繫く通う理由はたった1つ。年上女性に憧れる男子高校生の恋愛物語、この行く末を見届けてみませんか?

年上女性と対等になりたくて背伸びする感情

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Ⓒ珈琲をしづかに

小学生~中学生の頃に年上女性を好きになった経験があるという人はもちろん、同級生に対しても「大人っぽく見られたい」と考えたことがあるという人なら共感待ったなし!

コーヒーを飲む理由もそうだし、子供っぽいメニューが頼みにくくなるっていうね。誰しもが通る道じゃないかと思うんだけど「コーヒーが飲める俺は大人だろ?」的な、そういう浅はかなやつ。本当はクリームソーダがいいけど子供っぽいからパス、で、後から来た本物の大人がクリームソーダを頼むと「…子供の飲み物じゃないのかな?」みたいな。

飲み物に限らず、僕の経験でいえば自分で服を買い始めた理由もそうだし、あんまり大きい声では言えないけど高校生でたばこを吸い始めた理由も似たような理由でした。そういう経験がある人なら、本作は懐かしさ補正や共感が相まってより一層素敵な物語に映るはず。

早く大人になりたい焦燥感と葛藤

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Ⓒ珈琲をしづかに

若い頃に年上女性に恋をすると、少しでも大人っぽくなろうと思って背伸びをしてしまう人が大半だと思います。で、大人になってから悟るんだけど、そういう焦りって相手の年上女性からは見透かされちゃうんですよね。

早く大人になりたいんだけど、周りの大人たちは「急いで大人にならなくてもいい」と声を揃えて言うわけで、急いでもどうにもならないことだって理解しながらもどうしようもない虚無感に襲われたりするものです。この感じがマジで切ない!

ぶっちゃけ本作の恋物語がどう発展するのかについては分からないし、分かったとしても言及はしないけど…例えこの恋が実らなくても「この人を好きになって良かった」という結末になってほしいと願うばかりです。

珈琲をしづかに コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

読んでるこっちにも十二分に伝わってくるくらい、非常に素敵な女性店主です。僕も高校生の時にこんな感じの喫茶店を見つけたら、たぶん下心を持って通ってたかもと思えるくらいに素敵な女性だと思いました。

似たような経験がある人は懐かしくも感じるだろうし、本作はコーヒーといい喫茶店といい癒し要素の宝庫と言えるでしょう。すごく穏やかな気持ちになれる良書だと思います。

最終的にこの恋がビターになるのかマイルドになるのかも気になりますが、ビターでも良い物語になりそうなのは喫茶店が舞台だからかなぁ…。しづかに見守りたいと思います。

あとがき

コーヒーよりも水派です。