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「罪の声 昭和最大の未解決事件」を読んだ感想・レビュー

 

ちょっとしたゴシップ誌なんかに取り上げられそうな「それマジかよ案件」が好きなんだけど、中でも「戦後最大の未解決事件」とか「昭和最大の未解決事件」って言われると、心が躍る。

まぁ実際に事件が解決したわけじゃないし、ちょっと胡散臭いテレビ番組とか見てると、顔を映さずに音声まで変えた人が、自分に酔ってるような感じで「俺は犯人を知っている!」みたいに言ってますよね。個人的には「そんなの裏の取りようがないし、好きなだけでっち上げれんじゃん」とか思いながらも、やっぱ見たくなる…。

今回は、そんな未解決事件の真相に迫るようなフィクション作品「罪の声 昭和最大の未解決事件(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

罪の声 昭和最大の未解決事件 あらすじ

 

1984年3月、江崎グリコ社長の誘拐事件が発生。自宅で子供たちと一緒にお風呂に入っていた社長が、銃を構えた2人の男に全裸のまま誘拐されたのだ。

後に犯人たちは、社長の身代金として現金10億円と金塊100kgを要求する。しかし、社長が監禁場所から自力で逃げ出すことに成功し、事件は収束するかのように思われた。

その後、社長誘拐事件は江崎グリコ脅迫事件、江崎グリコ放火事件、青酸菓子ばら撒き事件へと発展。社会はそうそうたるパニックとなったが、そのどれもが未解決のまま収束し、2000年に時効を迎えている。本作は、そんなグリコ・森永事件の真相に迫るフィクション作品である。

 

罪の声 昭和最大の未解決事件の見所をチェック!!

昭和最大の未解決事件が題材

 

個人的には「世の中ではこう言われているけど、実はこうなんじゃないか」っていう問いかけをしている作品ってのがメチャクチャ好きで、こと未解決事件ってなったら多くの説が出てるじゃないですか?

何と言ってもグリコ・森永事件って言ったら、僕はまだ生まれてなかった頃の話なんだけど、その犯人とされているキツネ目の男の似顔絵は知ってますからね。で、昭和最大の事件って言われたら、これか3億円事件のどっちかなんじゃないかって思ってます。そんな昭和最大の事件に迫っている作品です。

 

実際にYouTubeで検索してみたら、犯行に使われたっていう子供の声の録音テープが出てきたんだけど、本作は「その声の持ち主が、事件の真相を追い求める」という内容になってます。

子供の頃の記憶って曖昧で鮮明じゃないってのもあって、ある日ふとしたことがキッカケで「この声、俺なんじゃね?」って気付く感じなんだけど、すごくワクワクする展開が楽しめます。

 

事件は思わぬところから急展開を迎える

 

例えば、あまり大声で言えないようなことを人から聞き出す場合って、それ相応の弱みを見せるってのが有効的なんじゃないかと思うんです。

事件に関する些細な情報を持っている人ってのは、なるべく自分が関わりたくないから口を紡ぐじゃないですか?で、それを嗅ぎまわるのって警察だったりジャーナリストだったりするわけだけど、自分が余計なことを喋ったがために真相が明るみに出るなんてことがあったら、下手すりゃ犯人サイドからの報復とかも十分に考えられるわけですよ。

 

そんな時に「絶対にあなたが言ってたとは言わないから!」って交渉術は弱くて、やっぱそれなりの弱みを見せることが重要なんじゃないかって思ったんですね。

もし「自分が事件に関与している、だから真相が知りたい」というのであれば、些細な情報でもいいから欲しているっていう理由付けと同時に、その人から情報を引き出す切り札になるでしょう。

本作はそんな聞き込み操作から思わぬ急展開を迎えます。弱みを見せて情報を引き出すまではよくても、その弱みが仇になることもあるってね。勉強になります。

 

2人の運命が交錯する瞬間

 

本作には、大きく分けて2人の主人公が登場します。1人は事件で流された録音テープの声の持ち主、そしてもう1人は新聞記者です。この2人が同時に同じ事件のことを追い始め、相まみえる瞬間が訪れます。

声の持ち主の方は何となくわかるじゃないですか?自分は事件には関与してないし、その録音テープだってつい最近になって「自分の声なんじゃね?」って気付いたわけで、下手すりゃ自分の親が犯人だったかもなんて思い出したら、真相を突き止めたくなるのもわかるんです。

ただ、記者の方の熱量の変わり方がすごい。最初は嫌々やってたのに、真相に近付くに連れて新聞記者としての使命感みたいなものに燃え始める。これがなかなか面白いんです。そしてこの2人が顔を合わせた時に、お互いに何を想うのか。個人的には記者とかマスコミってあんまり好きじゃないんだけど、こういう記者ならカッコイイって思った。

 

罪の声 昭和最大の未解決事件 コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー

本作を読むまでは「キツネ目の男が引き起こした誘拐事件で、警察を挑発したり、お菓子に毒物を混ぜたり色々やったけど、犯人は最終的には捕まらなかった」程度の知識しかなかったんですね。

でも色んな背景が見えてきて、素直に面白いって思いました。フィクションだから真相とはまた違うんだろうけど、こういう説があっても面白いよなって思える感じです。

「未解決事件の真相」とかのドキュメンタリー番組が好きだって人なら文句無しに楽しめるだろうし、実際にこの事件に興味を持っている人も鉄板だと思う。個人的には「未解決事件のほとんどは事件の真相が明るみに出た時に警察が困るから、あえて解決していない」って部分もあると思ってるけど、そういう意味でも面白い説の1つだと思います。

 

まとめ

こういうのを見ると「時効なんだし、犯人出てきて真相ぶちまけたら面白いのに」って思うの僕だけ?

 

 

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