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「聖者無双」を読んだ感想・レビュー

聖者無双表紙
Ⓒ聖者無双

例えばオンラインRPGをプレイするにしても、自分のジョブを選ぶのにサポート役を選ぶ人ってどれくらいいるんだろうか。人気職はあぶれるだろうから、サポート役を選ぶっていうのは合理的ではあるんだけどなかなかね。

そんな中、ジョブに治癒士を選択した元サラリーマンの異世界物語があるんです。というわけで今回は、治癒士の社会的地位が抜群に高い異世界物語「聖者無双(連載中)」を紹介します。

著:ブロッコリーライオン, 著:秋風緋色, 著:sime

聖者無双 あらすじ

銃弾に倒れた一人のサラリーマン。気付けば聖属性魔法の才能を授かり、ルシエル・15歳・治癒士として異世界に転生した。新たな世界で生き残ることを目標にまずは身体を鍛えることを決意し、厳しい訓練をひたすら受けるのだった。身体も味覚も耐え忍ぶ、ドMゾンビ気質が芽を出す第1巻!!

聖者無双の見所をチェック!!

異世界で治癒士になる物語

聖者無双1
Ⓒ聖者無双

本作は現実世界では昇進を間近にしていた主人公が銃弾によって命を落としてしまい、新たなファンタジー世界で第二の人生を送るという感じの異世界転生漫画です。よくある異世界漫画と大きく違う点は、主人公のジョブが「治癒士」であること。

確かに自分が異世界に行くようなことがあれば、命を守るという意味でも治癒士を選択する理由は理解できるんだけど、漫画とかゲームの世界だったら治癒士って派手さに欠けるような気がしませんか?他の漫画も大体戦士とか勇者とか前線で戦う系だし、そうじゃなければスローライフ系でそもそも戦わないっていうのがセオリーです。

本作は回復役という重要なポジションにいながらも体術なんかも鍛えていて、戦う前提で修業をしているんですよね。そしてこの異世界では治癒士の社会的地位が高いということで、今までにないタイプの異世界漫画と言ってもいいでしょう。

無双というより少しずつ成長するコツコツ感

聖者無双2
Ⓒ聖者無双

まず言っておかなければならないのが、本作は聖者無双っていうタイトルだけど序盤から俺TSUEEEができるわけでもなければ、モンスター相手に無双するっていう展開もありません。

むしろサイヤ人システム(HPやMPを枯渇させてから回復を繰り返す)で弱すぎるパラメーターを上げていくコツコツ感が際立っていて、少しずつ成長する楽しみが好きな人にはたまらない展開となっています。これを受けて「どこが無双やねん!」っていう読者も少なくなさそうなので注意した方がいいかも。

個人的には「治癒士そのものの立場が恵まれすぎている故の無双?」とか「この後ストーリーが進むと無双するようになる?」とか色々勘ぐったけど、少なくとも一般的に聖者無双って言われたらパラディンみたいなのが敵を倒しまくる展開を期待するんじゃないかと思いましたが、そんな感じの漫画ではないので気を付けてください。

治癒士を巡る不穏な空気

聖者無双3
Ⓒ聖者無双

まぁ治癒士って言えば現実世界で言うところの医者みたいなもんですから、そりゃ重宝される存在だってことは分かるけど…。医者にも色々いるじゃないですか?それと一緒でこの世界にも色んな治癒士が存在します。

この異世界では治癒士がとにかく貴重な存在なので、法外な治療費を取る悪徳治癒士なんかも少なくないようです。もっと言えば「ヒューマンは治療するけど人獣はだめー」みたいな差別も横行しているようで、この辺りに主人公が転生してきた異世界の不穏な空気を感じずにはいられません。

そして誰も差別しないどころか治療費も取らない主人公は、旅人たちにとって非常に頼りになる存在になっていくんだけど、当然これを面白く思わない存在も出てくるわけで…。その辺のしがらみとどう向き合っていくかって部分にも注目です。

聖者無双 1巻~2巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

異世界漫画で主人公がヒーラーっていう立場なのは面白いと思いました。で、主人公の性格にも好感が持てるし、普通に異世界RPG系の漫画だと思って読めば普通に面白い作品だと思います。

ただし実際にKindleレビューを見ていると所々に低評価があって、その理由の多くは「無双してねーじゃん」っていうものでした。確かにタイトルの聖者無双っていう情報だけで手に取ると、思ってたのと違うっていう展開になりそうな内容です。もしかしたら今後、無双と名付けたちゃんとした理由が出てくるのかもしれないけど…。

いずれにしても無双系、チート系、俺TSUEEE系の漫画じゃないです。治癒士っていう珍しいジョブの主人公が活躍する異世界漫画として見れば、序盤は非常に面白い作品なので今後の展開に期待します。

あとがき

アリーナやブライならともかく、クリフトが無双できるわけないか。

著:ブロッコリーライオン, 著:秋風緋色, 著:sime