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「賭博黙示録 カイジ」を読んだ感想・レビュー

賭博黙示録 カイジ表紙

 

心理戦を描いたギャンブル漫画の金字塔とも呼べるカイジシリーズは、カイジ1とかカイジ2っていうナンバリングタイトルじゃなく賭博〇〇録となっていて、初めて手を付けようとしている読者の場合「何から読めばいいか分からない」となってしまうのではないかと思います。

本作はカイジシリーズの先駆けとなっている作品で、カイジの歴史はここから始まりました。つまりカイジを読みたいという人は、本作から読み始めればOK!というわけで今回は、カイジの歴史が始まった作品「賭博黙示録 カイジ(全13巻完結済み)」を紹介します。

 

 

賭博黙示録 カイジ あらすじ

上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押しつけられる。遠藤に誘われるままカイジは負債者に借金一括返済のチャンスを与えるというギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。そこで行われるのはカード12枚を使った「限定ジャンケン」。うまく勝てば借金は帳消しだが、負ければ命の保証は無いというものだった……。

 

賭博黙示録 カイジの見所をチェック!!

借金を返すために危険な香りがするギャンブル船に乗る

賭博黙示録カイジ1

 

カイジと言えば典型的な破滅型のギャンブラーですが、実はそもそもの始まりは保証人になったことだったんですよね。それで知人の借金をそのまま背負わされて、それを返すためにコツコツ返すんじゃなくてギャンブル船に乗って一発逆転を目指すっていう物語です。

「上手くいけば借金がチャラになるし、何なら大金を手にできるかも」という甘い餌に釣られて参加を決めるものの、実際に会場に行ってみたら失敗した時のリスクに対する恐怖に慄き、その中で頭脳をフル回転させてギャンブルの必勝法を見出していくという感じ。

ギャンブルにのめり込み過ぎて命を絶った人は少なくないけど、本作は死ぬことよりもキツイ現実が見られるというか、想像しやすいリスクを描くのが秀逸だと思います。「負けたら死」よりも「この勝負に負けたら負けた金額に応じて指を貰う」とかそういうやつ。

その辺の恐怖心の煽り方が上手く、海上で行われているギャンブルで逃げ場がないということもあり、本来以上のギャンブルのハラハラ感が味わえるでしょう。

 

「ジャンケン」にも攻略法を見出す

賭博黙示録カイジ3

 

通常のジャンケンは確率の勝負で、基本的には運の要素が結果に反映します。もちろん「あいこが連続したとき、あいつは絶対に手を変えない」みたいな各々のクセのような部分はあるかと思いますが、それをたった一夜の数戦のジャンケンで見抜くのはほぼ不可能と言えるでしょう。

しかし本作で最初に行われるギャンブルは「限定ジャンケン」と呼ばれるもので、それぞれが同じ枚数の手札を持ち、それで参加者同士でジャンケンをして、使用したカードは破棄するというルールになっています。このルールが非常に秀逸で、カイジは思いがけない形で攻略法を思いつくんです。

負けた時にどうなるかが分からない以上、迂闊に勝負するわけにはいかないということは理解しつつも、時間制限を設けられると焦ってしまい、人によっては「とりあえず動かなければ始まらない」ということで運勝負をしてしまうのではないでしょうか。

カイジの凄いところは、見切り発車をせずに観察できるという点です。あるいは見切り発車をしてもすぐに反省できるという点。これは普通の破滅型ギャンブラーには無い大きな特徴と言えます。これを武器にギャンブルの必勝法を見つけてライバルたちを搦め取るカイジの姿は、迫力抜群で見所たっぷりです。

 

心理戦の面白い要素がすべて詰まった「Eカード」

賭博黙示録カイジ2

 

本作には「Eカード」と呼ばれるギャンブルも登場するのですが、こちらは限定ジャンケンとはまた違った楽しみ方があって目が離せない展開となっています。

簡単にルールを説明すると「皇帝側と奴隷側に分かれ、皇帝側は皇帝カード×1と市民カード×4、奴隷側は奴隷カード×1と市民カード×4を持ち、場にカードを伏せた状態で交互に1枚ずつ出していき、皇帝側が皇帝カードを無事通せるか」というもの。カードの強さは「皇帝>市民>奴隷>皇帝」です。

他にも細かいルールがいくつかあるので、面白そうだと思ったら実際に読んでみてください。これはカイジシリーズの中でもめちゃくちゃ見所のあるギャンブルなので、心理戦が好きな人には文句なりにおすすめします。

 

ちなみにここで登場する最強のライバル・利根川は抜け目のない優秀な敵キャラですが、スピンオフ作品で愛されキャラになってます。

帝愛グループという大組織で中間管理職を務めている苦悩などを面白おかしく描いたギャグ漫画となっていて本編とは違って笑える内容になっているので、賭博黙示録を楽しんだ後はこちらで笑うのもおすすめです。

 

 

賭博黙示録 カイジ 全13巻を読んだ感想・レビュー

賭博黙示録は藤原竜也さんの主演で映画化もされたので、鉄骨渡りのシーンが印象に残っているという人も多いのではないかと思います。本作に登場するギャンブルは「限定ジャンケン/鉄骨渡り/Eカード/ティッシュ箱くじ引き」です。

仲間同士の信頼関係という部分に大きな見所があって、「命を賭けても助けてやる!」みたいな空気が薄く、気持ち悪いほどのリアルが感じられます。そもそもの始まりが知人の借金の保証人になったことだし、人を助ける・助けないという場合は情に訴えるだけじゃなくて明確なメリットを提示するなど、すごく生々しい心理描写が魅力に感じました。

ギャンブルで必勝法を探したり、勝負の抜け道の見つけ方など、感心させられてしまうシーンも少なくありません。ギャンブルで身を滅ぼす人は基本的にアホだと思ってるけど、カイジは種類が違う。心理戦や腹の探り合いが好きな人は絶対に押さえておくべきギャンブル漫画です。

 

あとがき

未来は僕らの手の中。

 

 

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