未来が見えたらいいなぁ…という妄想をしたことがある人はめちゃくちゃ多いと思います。交通事故を未然に防げたり、自分の身に起こる不幸を事前に回避できるというのであれば、これ以上の能力はないでしょう。
ただしこれが10秒先の未来だったとしたら、この能力をどのように上手く使いますか?というわけで今回は、ほんの少し先の未来を見ることができる特殊能力をテーマに描いた「予知視(連載中)」を紹介します。
予知視 あらすじ
「運命とは必然であり、自らの選択である。」そう信じる男は“予知できる眼”を持っていた。絶対に失敗しない、思うがままの日々。しかし、彼はまだ知らない。すでに深く、暗い、大きな渦に呑まれていることを…。それは人が「運命」と呼ぶものなのかもしれない――。
予知視の見所をチェック!!
少し先の未来が見える特殊能力
本作のテーマになっているのは「予知視」と呼ばれる、少し先の未来が見える特殊能力です。未来が見えると言われれば万能なように見えるかもしれないけど、実際は結構シビアで「予想範囲は10秒以内、予知の範囲は5秒以内」となっています。
最近だとゲームでも選択肢を選ぶときにタイマーが発動したりするじゃないですか?それの選択肢が無限にあるバージョンと考えればOK。これだとYESかNOで答えられる質問を投げかけられて、どちらかが正解っていうなら何とかなるものの、どっちもNGな場合は行き当たりばったりの展開になりそう。
この能力を駆使して女の子とのコミュニケーションで地雷を踏まないように、上手く好感度を積み重ねている男子大学生が主人公です。ちなみに本作は長尺のオムニバス形式となっていて、コミックス3巻時点で最初のエピソードが終わります(予知視の設定残しで主人公や場面が変わります)。
ふとした瞬間に能力が使えなくなる
少し先の未来が見えると言っても、予期しない未来が見えた時は慌てふためいてしまうことが想像されます。例えば町ろ歩いている時に予知視を使って、目の前に魚が一匹確認できた場合…普通「なにこれ?」ってなるでしょ。
わずかな時間で「魚を積んだトラックが突っ込んできて、事故によって荷台の魚をぶちまける(そのうちの一匹だけを予知視)」みたいな展開って、もうそれは未来が見えていないのと一緒じゃないですか?むしろ全く予期できない事実が見えている分、逆に戸惑うまでありそう。
実はこれはあることが原因になって、予知視が正常に機能していないという展開になっています。なぜ正常に動作しなくなったのかという部分が本エピソードの大きな見所と言えるでしょう。
敵か味方か予想できない第三者たち
実は予知視が使えるのは主人公だけでないということが判明します。そして主人公の周りで立て続けに事故が起こった時、警察に疑われてしまうのは必至なわけで…。
もし「腕を振り払ったら相手がバランスを崩して車に轢かれてしまった」みたいな展開があったとして、車の運転手が逃げた場合はひき逃げ事件になるんだけど、腕を振り払ったことは罪になるのかならないのかって部分は気になるものです。
その時の事情聴取で「押したりしていないね?」って聞かれた時の答え方で、予知視が使えないなんて展開はマジで歯がゆい。そして心の底から「意味ねー!」って叫びたい。もっと言えば「他の誰かの予知視によって自分が窮地に立たされている」くらいありそうな予感がします。この不穏な空気が見所たっぷりです。
予知視 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
能力が絶妙すぎてあまり羨ましいっていう感想は出てこないんだけど、個人的にはもうちょっとチート級の能力にしてもいいんじゃないかって思いました。1分くらい先の未来が見えても良いと思ったんだけどダメ?
「予想範囲は10秒以内、予知の範囲は5秒以内」 という設定があって、予知視したものを受けて次の行動を脳内シミュレーションする時に、明らかに10秒で考えられることを超えているのが気になります。JOJOで言うところの承太郎が、ほんの数秒止める間に長いセリフを喋っているみたいな不思議な感じ。
サスペンス要素にももっと深みがあっても良さそうなんだけど、最初のエピソードだからあえて分かりやすくしたのかもしれないし、次のエピソードがどう展開されるかを楽しみにしています。
あとがき
あんまり羨ましくない特殊能力っていうのも珍しい。