夜に散歩をしていると野良猫たちが集会している場面に遭遇することが結構あって、本作を読んだ後だと何かを思わずにはいられません。本作はタイトル通り、夜に徘徊している猫が主人公の物語です。
涙の匂いを嗅ぎつけて、その場で感情を露わにしている人に対して寄り添ってくれる猫の姿は、時に感動や笑いを届けてくれます。そして何より平和的な物語と言っても過言ではありません。
というわけで今回は、Twitterから生まれた8コマ漫画「夜回り猫(連載中)」を紹介します。
夜廻り猫のあらすじ
ある夜、Twitterから生まれた8コマ漫画「夜廻り猫」。涙の匂いをたどって心に寄り添うためにやってくる夜廻り猫こと遠藤平蔵。傷つき涙する者を励ますために毎夜、現れる。そんな平蔵と共に夜廻りをする子猫と影から見守る片目の猫・ニイ、飼い主を振り回すワガママな猫・モネなど個性豊かなキャラクターが勢ぞろい!!
夜廻り猫の見所をチェック!!
優しくて暖かい8コマ漫画
本作はTwitter発祥の8コマ漫画で、猫が夜回りをするという内容になっています。夜回りって言えば拍子木を鳴らしながら火災防止を呼び掛ける「火の用心的なこと」を指すと思うんだけど、個人的に思ったのは夜回り先生の猫バージョン的な感じです。
夜回り先生は扱っているテーマが重くて、それこそ非行少年とか犯罪に手を染める少年が登場するヘビーな内容になっています。しかし本作はそれをかなりマイルドにして、各家庭のちょっとした問題とか一般人の悩みにスポットを当ててるような感じがしました。
「涙の匂いがする!」みたいなことを言って現場に駆けつけるも、その涙はうれし涙かもしれないし、もっと言えば泣いているとは限らないんですよね。でも涙を流していなくても心が泣いているかもしれないってことになって、そういう人に夜回り猫が寄り添ってあげる展開はとても温かいものとなっています。
少しハートフルで感動的なシーンが多め
涙の匂いがするところに駆けつける展開が多いため、どうしたって感動的でハートフルな展開が多くなっています。しかも一生懸命生きている人たちが登場人物になっているので、僕ら読者が何かしらを考えさせられる展開も少なくありません。
大勢の人たちを時に慰めたり、時に励ましたり。もし自分が落ち込んだりしている時に夜回り猫が来てくれたら…と思わずにはいられない存在なので、読んでいてとてもほっこりした気持ちになれるでしょう。
主人公が猫だから人間ドラマとかヒューマンドラマっていう表現が適切かどうかは知らないけど、読んでいて感情を揺さぶられる感じの作品です。猫が好きな人、癒しが欲しい人、ほっこりした気持ちになりたい人におすすめします。
猫要素を生かした笑いあり
本作は笑える要素も結構あって、猫という設定を生かしながら笑いに繋げているシーンが少なくありません。そういう意味ではまさに笑いあり涙ありの漫画だと思いました。
笑いとは言ってもゲラゲラ笑えるっていう感じではないし、ニヤニヤしながら読むって感じのコメディー展開でもなく、ちょっとクスっとさせられてしまう程度ではあるんだけどむしろそれが良い!
ちょっとした哀愁なんかもあって、プラス側とマイナス側の適度な波が押し寄せてくるっていう感じかな。あんまり他の漫画には無い雰囲気を持っているし、シュールでもない笑えるポイントも見所の一つです。
夜廻り猫 序盤を読んだ感想・レビュー
僕はTwitterで本作を見たことがなく、あくまで単行本から入りました。そして第一印象はそこまで良くなかったんです。まず絵が綺麗じゃないって思ったし、とにかく文字が読みにくい!これが致命的に悪印象だったんですよね。
でも内容に関しては寂しいような優しいような不思議な感じがして、すごい気になって読むのがやめられなくなるという感じ。8コマっていうのも独特のテンポだし、読んでいるうちに唯一無二の世界観にどっぷりハマってしまいました。
ぶっちゃけ本作の面白さを言葉で伝えるのは難しくて、僕にとっては新聞とか雑誌に掲載されている4コマ漫画のような「ついつい読んでしまって、読むのを止められなくなる漫画」というポジションにいます。
そこまで笑えるわけでもないし、泣かされるほど感情を揺さぶられるわけでもなく…少ししんみりしたり、ほっこりしたりっていう独特な作品です。
あとがき
4コマほどテンポも速くないし内容も掘り下げられてるしで、案外8コマ漫画って悪くないかも。