僕は電子書籍で漫画を買うようになったからあまり気付かなかったんだけど、前作の最終巻の分厚さがすごかったっていうことで有名になった空電の姫君シリーズ。まさかのタイトルを変更して再出発です。
ぶっちゃけ本作は1巻から始まってるけど実質4巻目だし、誰が何と言おうと本作は「空電ノイズの姫君」から読んだ方が絶対にいいので、前作を読んでないって人はそっちからどうぞ。前作を読んだって人はぜひ本記事にお付き合いください。
というわけで今回は、青春時代のノイズが乗った音楽漫画・空電ノイズの姫君の続編「空電の姫君(全3巻完結済み)」を紹介します。
前作「空電ノイズの姫君」に関する一部に少しネタバレがあるので、前作を読んでいないという方は注意が必要かも。
空電の姫君のあらすじ
伝説のロックバンドのギタリストを父に持つ女子高校生・保坂磨音(ほさかまお)はアマチュアバンド「アルタゴ」のメンバーになる。歌が上手くて美人でミステリアスな親友・支倉夜祈子(はせくらよきこ)も絡んで練習やライブに挑む彼女の青春漫画。
空電の姫君の見所をチェック!!
「空電ノイズの姫君」の続編
まぁこの記事を読んでいる人なら大体の状況は理解されていることと思いますが、簡単に説明しておきます。本作は「空電ノイズの姫君」という音楽漫画の続編です。
元々は月刊バーズ(幻冬舎コミックス)に掲載されてたんだけど、月刊バーズが休刊してしまったことがきっかけでイブニングコミックスに移籍することになり、タイトルも新しく「空電ノイズの姫君→空電の姫君」に変わったという流れ。
作品概要には「ここから読んでも大丈夫です」って書いてるけど、ぼくの意見としてはどう考えても前作から読まなきゃいけないタイプの作品だと思っています。ぶっちゃけ本作は空電ノイズの姫君4巻~だと思うので、前作を読んでいないという人は注意が必要です。
徐々に成長していくアルタゴ
前作では壁にぶち当たったバンドメンバーですが、良い感じに立ち直って少しずつ成長する姿を見せてくれます。特に主人公・磨音の成長がえぐい!天才ギタリストの娘っていうポジションながらも、前作でのライブの結果にはややフラストレーションが溜まる感じだったので、それが本作では払しょくされていると言っていいかも。
ただ、順風満帆に行くわけにもいかず、ちょっとした問題も浮上するんですよね。特に男性メンバーについては、割と深刻な問題が訪れたりして、音楽に対する向き合い方を考えさせられたりします。
こういう苦難に立ち向かいつつ、少しずつ結果を残していくアルタゴの成長は見所がたっぷりです。前作を読んでいる人なら間違いなく見届けるべき展開が待っていると言っていいでしょう。
そして「空電ノイズの姫君」の最初のセリフへ
前作の紹介記事を書いた時にも触れたし、そもそも空電ノイズの姫君を読んだ人なら誰しもが気になっているセリフ(シーン)があると思います。かつて全3巻で完結してしまった時は「この伏線は回収せず終いかーい!」って思ったけど、本作でちゃんと描かれています。
ぶっちゃけ僕なりにあれこれ考えながら読んでたんだけど、この結末まで考えて最初から描かれていたってことを考えると、めちゃくちゃ感慨深いものがありました。たぶん好き嫌いが出そうなエンディングだとは思うものの、個人的には結構好きな終わり方だったと思います。
ということで本作は読んでも失敗しないどころか、前作を読んだなら確実に読んでほしいと思える作品です。ぜひ本作の最初のセリフの意味を、最後のシーンを見て知った後「そういうことだったのか!」と言ってほしい!
空電の姫君 全3巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
すごく素敵な青春×音楽×ヒューマンドラマでした。前作のコミックス3巻時点では「どういうことよ」って気持ちも多かったけど、この物語を最後まで見届けることができたことに喜びしかありません。
主人公が女の子のギタリストっていうのもカッコイイし、主たる登場人物全員が主役級です。そして物語の主人公たちが特別じゃない若者たちっていうのも良いなぁと思わされました。
そして前作の最初に投げかけていた伏線を、最後の最後に回収するっていうのも良かったです。それがやりたいがための全6巻だったんじゃないかって思う部分もあるけど、文字通り最低な演出なのに後味が悪くないって凄いことだと思いますマジで。
前作を読んだ人は本作も間違いなく読んでほしいし、まだ前作を読んでないという人は前作から本作の完結まで全6巻、読む価値があるとだけ言っておきます。
あとがき
ノイズが晴れた結末。