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「刻刻」を読んだ感想・レビュー

刻刻表紙

 

能力系バトルって言ったらもはや鉄板だし、いくつになっても男ならワクワクさせられるんじゃないかと思います。でも本作で描かれているそれは普通の能力系バトルじゃないんです。

サザエさんとかに近い一般的な家族が主人公になっていて、即戦力が爺さんとその孫娘だからね。若い男もいるけどニート&引きこもりみたいな感じで全然戦力にならないっていう…。だが、それがいい!

というわけで今回は、一般家族が能力バトルを繰り広げる展開が熱すぎる「刻刻(全8巻完結済み)」を紹介します。

 

 

刻刻 あらすじ

佑河樹里は、無職の父 貴文、ニートの兄 翼、隠居の祖父(じいさん)と母親、シングルマザーの妹 早苗、甥 真と共に、貧乏な暮らしながらも平凡に暮らしていた。

ある日、甥と兄が幼稚園からの帰路の途中で誘拐され、犯人から樹里・父の元に身代金要求の電話が掛かってくる。犯人の要求する身代金の受け渡し期限までは30分しかなく、間に合わないと悟った樹里は、犯人と刺し違える覚悟で2人の救出へと向かう決意をする。しかしその時、じいさんが佑河家に代々伝わるという止界術を使い、時間を止める。人も物も森羅万象が止まった止界で樹里たちは2人の救出へと向かう。

Wikipedia – 刻刻

 

刻刻 見所をチェック!!

誘拐から始まる物語

刻刻1

 

本作の主人公はどこにでもいそうな一般家族です。メインは娘かな。ある時、甥っ子と兄貴が誘拐犯に拉致られて、2人をそこから救い出すために爺さんが時間を止めるっていう…。この家系に代々伝わる「止界術」を使って、止まった時間の中で拉致られた2人を助けに行くというのが始まりです。

爺さんがこの能力をひた隠しにしていたって部分も不思議だし、戸棚の上に置かれている「努力 両国国技館」という置き物にそこまでの力があったっていうのも面白い。

普通は代々家宝として受け継がれていくべき置き物が雑に扱われていて、しかも時間を止める能力を使ってあれこれやってきたわけでもないっていうね。この家族は男たちが穀潰しって言われてるんだけど、なんかちょっと違うような気もする導入部分に注目です。

 

止まった時間の中で自由に動き回る宗教団体と神ノ離忍

 

止まった時間の中を自由に動けるっていうのは最強の能力のようにも思えますが、本作では主人公たちと同様に某宗教団体も止まった時間の中を自由に動き回っています。

そして静止している人間に危害を加えようとすると、それを守るために現れる神ノ離忍(カヌリニ)の存在。これらが非常に大きなスパイスになっていて、止まった世界でのバトルが大いに盛り上がっていきます。

能力バトルっていうと選ばれし者しか登場できない感がありますが、本作は一般的な家族と宗教団体の能力バトルですからね。宗教団体がなぜ静止した世界に入り込んできたのか等、ちょっとしたサスペンス的な要素もあるので注目です。

 

開花する娘(主人公)の能力

刻刻2

 

従来の能力バトル系なら男女格差はそんなに考えなくてもいいじゃないですか?女キャラでもゴリゴリの武闘派で成立するし、爺さんキャラで強いのも少なくありません。

でも本作は一般的な家族なので、娘は暴漢たちに力で敵わないし、爺さんもやや厳しい。爺さんに関しては時間が止まった世界のことを熟知していて、しかも瞬間移動という武器を持っているからアレだけど、娘が宗教団体と正面からやり合うのはどう考えても無理筋です。

そんな戦いの中、娘の能力が開花します。止まった時間の中で自由に動き回る人間を、本来の世界に戻す(動けなくする)という能力です。これがかなり強い!この能力の使い方に関しても大きな見所がたくさんあるので、ぜひ注目して読んでほしいです。

 

刻刻 コミックス全8巻を読んだ感想・レビュー

ちょっと絵は淡泊な感じがしますが、読み始めたら止まらない面白さがあります。物語がすべて繋がった瞬間のスッキリ感もさることながら、色んな場所に張り巡らされた伏線の回収がとにかくすごいです。

まず登場するのが普通の家族と宗教団体ですからね。ぶっちゃけ宗家と分家みたいな感じの世界観もあったりして、止まった世界の中でこれだけ濃密な物語が進行しているって考えるだけでも感慨深い。

あとは自由に通常世界と止まった世界を行き来できる爺さんにも枷があって、家族を止まった世界の中に置いていけないっていう考えは非常に良く出来ていると思いました。ボスキャラみたいなのが出てきても無敵じゃないし、誰しもが弱さを持っている能力バトルっていうのがドキドキできる一要素になっています。

あとは家族のダメ男たちが成長する姿とか。成長って言っていいのかどうなのか分からないけど。少なくとも爺さんが時間を止める能力について家族に言わなかった理由とか葛藤とか、そういう部分も含めて本作は超大作と言っていいんじゃないかと思いました。

 

あとがき

刻一刻みたいなことなのかな?

 

 

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