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「All You Need Is Kill」を読んだ感想・レビュー

 

あんまり「たら・れば」を言うのは好きじゃないけど、それでも多くの人には「人生でやり直したい瞬間」っていうのがあると思います。そこを上手く刺激してくるタイムリープ系の漫画は良い意味で本当に憎い。

「何度も死にかけることで強くなる」っていうサイヤ人みたいな設定はチート丸出しだけど「死んだら何度もやり直せる」っていうのは、僕のような一般人でもヒーローになれる可能性を持っているからです。

それが絵の巧い迫力のある描写で再現されていて、なおかつヒロインが可愛ければ言うこと無し。つまり本作には言うことがありません。というわけで今回は、死ぬことで何度もやり直しがきくハードSF「All You Need Is Kill(全2巻完結済み)」を紹介します。

 

 

All You Need Is Kill あらすじ

 

本作は「ギタイ」と呼ばれる地球外生命体とのバトルを描いた物語である。

主人公・キリヤケイジは、このギタイたちと戦って地球を守ることを目的としている軍隊に所属しており、ある時のギタイとの戦いにおいて命を落としてしまった。しかし目覚めると、そこは「死んだ日の朝」であり、夢だと思っていた自分が死んでしまう一連の流れは現実のものだったことに気が付く。

あの手この手で運命から逃れようと模索してみたが、どうやらギタイから逃げることは許されないらしい。そこでキリヤケイジは「何度もやっていればギタイを倒せるんじゃないか?」という境地に行きついた。そして自分が死んだ回数を手の甲に刻み込み、腹をくくる。

 

All You Need Is Killの見所をチェック!!

時間がループするという概念

 

圧倒的な戦力差をひっくり返すにあたって、重要なのは作戦だと思うんですよね。こういうバトルものに限らずサッカーでも野球でも何でもいいんだけど、相手がどんな作戦でどうやって戦ってくるかを事前に知っていたらそれなりに対策って可能じゃないですか?

もちろんそれは戦争のような世界観にも生きてきて「自分がなぜ死んだのか」を分析し、トライ&エラーを繰り返すっていう地道な感じに親近感が湧くというか…。

物語の主人公なんだから間違いなくヒーローなんだけど、庶民的なヒーローって感じがして逆に輝かしいんです。自分の死でもって経験が引き継げるっていう、この初期設定だけでご飯何倍でもイケると思う。

 

線の細かいハイクオリティな画力

 

絵はデスノートやバクマンでお馴染みの小畑先生による作画です。とにかく線が細かくて、モビルスーツみたいな機械の感じもさることながら、持っている武器なんかにも手抜きが全くありません。それでいて登場人物たちもみんなカッコイイし、ヒロインもメチャクチャ可愛い。ハッキリ言って「この漫画が流行らないわけがない」と思わせてくれるクオリティの高さです。

最初の10ページを読んだ時点で、本作の画力がメチャクチャ高いことと、前項で述べた「時間がループするという概念」には気付けるので、ハッキリ言って「10ページも読めばこの作品が面白いということに気が付ける」というレベル。

個人的にSFとグルメ漫画だけは絵が上手くないと成立しないんじゃないかと思ってるけど、そういう意味では一切の心配が不要です。

 

All You Need Is Kill コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー

全2巻なので、あっという間に終わってしまいます。それも「これ以上ない」って感じの終わり方。よく作文を書けとか言われると「最低何文字ですか?」とか聞くやついるじゃないですか?で、原稿用紙の最低枚数が多ければ多いほどみんなは嫌がるけど、自分の言いたいことを短い文字数で相手に伝えるのって難しいと思うんです。

だから世の中には「このエピソードいる?」って思うような時間稼ぎがあったりもして、無駄に長居作品がいっぱい存在する(ように思う)んだけど本作には無駄が一切ありません。全2巻に魅力がギュッと凝縮されていて、これこそが本物のプロが描いた作品って感じ。伏線回収も真相も完璧です。

とにかく一気読みできるボリュームで非の打ちどころがない名作の1つだと思います。「なんか面白いSF漫画、タイムリープ系の漫画ないの?」って人は、とりあえずコレ読んどけって思いますね。

 

あとがき

表紙の赤と青にも意味があるとか天才すぎるだろ。

 

 

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