最近スーパーなんかでもタトゥーが入っている人を見かけることが増えてきました。暑い日なのに長袖のイカつい男性を見ると、それだけで「タトゥー入れてるからかな?」と思ってしまうほどにタトゥーが身近なものになってきているような気がします。
一方で女子高生がタトゥーを入れているのを見てしまうことがあったら、恐らく二度見か三度見くらいはしてしまいそうです。百歩譲って女子高生がタトゥーを入れるなら、蝶とか薔薇とかそういうやつじゃないの?昇り龍みたいなやつ入れる?それも腕にも足にもびっしり。この時点でかなり衝撃的だったよね。
というわけで今回は、タトゥーびっしりな女子高生が大活躍するバトル漫画「beautiful place(連載中)」を紹介します。
beautiful placeのあらすじ
女子高生・花沢シモンは学校で行われている「挺身活動」に参加する。そんな彼女の教官役をつとめるのはクセの強すぎる同級生・高阪モモコだったーー!
beautiful placeの見所をチェック!!
松本次郎の世界観がぎっしり詰まったバトル漫画
コミックス1巻を読んだ程度では、とりあえず「女子高生たちが主役のアクションバトル漫画」という空気感しか掴めません。言い方を変えると、この物語の根底にどんな壮大なストーリーが待ち受けているのかと楽しみになります。
主人公たちは治安維持部隊のような警察のような…。見方によってはかつてのヤンキー漫画にあったような不良同士の抗争のようにも見えるし、スラム街のような荒廃した世界の治安維持に努める政府組織のような感じにも見えるし…。
いずれにしても正義の味方って感じもなければ、ダークヒーローっていうのも少し違うという、まさに本作ならではの設定が光っているバトル漫画です。
個性バリバリのキャラが立った女子高生たち
制服に身を包んだ女子高生が銃を持ってバトルに参戦するっていう設定だけを見ると、ちょっと萌え系というかキラキラ系女子のイメージが沸いて仕方がないんだけど…。そういう夢見心地な感じが2秒で崩壊します(もちろん良い意味で)。
とにかく個性的で一度見たら忘れないくらいのインパクト。「あれ?女子高生ってこんなんだったっけ?」と思わずにはいられないくらい大きなギャップ。女子高生と言えば僕自身とは対極にある存在だと思っていましたが、この清潔感の無さや横暴な雰囲気には少しだけ親近感を覚えました。
ちなみに登場キャラはどれも個性的。主人公が割と優等生な感じがあって、その周りは昭和~平成初期にかけての不良漫画っぽい空気感を持ったキャラが大勢います。この独特な雰囲気は後にも先にも本作だけのものと言っても過言ではないでしょう。
武闘派ヤクザも顔負けの大迫力バトルアクション
銃で武装しているとは言え、それは相手も一緒なわけで…。暴力団事務所のような場所に一人でカチコミに行って制圧するという展開は、まさに規格外と言ったところでしょうか。
女子高生の格好で激しいバトルを展開しているため、割と高頻度でパンチラなんかも拝めたりするんだけど、これがまぁ全然エロくないっていうね。あまりにも武闘派すぎる&暴力的な展開に性的な興奮は一切感じません。もちろんこれが良いんですが。
バトルシーンは迫力こそあれど、絵が見やすいという感じではないので好みは分かれるかも。松本次郎氏の作品を読んだことがある読者の方なら分かると思いますが、バトルの際の躍動感なんかは無かったです。もちろんこれが良いんですが。
逆に言えば「お世辞にも見やすい絵とは言えないのに、この迫力は何なんだ!」っていう言い方もできるので、この表現にびびっときた人はとりあえず読んでみてください。
beautiful place コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
松本次郎氏と言えばフリージアの世界観がめちゃくちゃ好きでした。そして本作においても、その独特な世界観が発揮されているように思います。作風としてはフリージアよりも女子攻兵寄りだと思うけど。
まずコミックス1巻の表紙が主人公じゃないっていうのがなんともね(準主役)。そして主役は優等生、それ以外はヤンキー気質っていう設定がまた良き。世界観の漠然とした部分しかまだ見えてこないからアレだけど、登場人物たちを見ていても「どういう物語になっていくんだろう?」というワクワク感しかありません。
絵は松本次郎氏ならではの粗削りな雰囲気が世界観とマッチしています。悪く言えば「見にくい、躍動感がない」っていう表現になってしまうかと。でもそれらを補っても余るほどの世界観はぜひ味わってみてほしいです。特にこれまでの松本次郎氏の作品がお気に入りって人には文句なしにおすすめします。
あとがき
髪を掴むのは反則。