「さらい屋五葉」を読んだ感想・レビュー

さらい屋五葉表紙

 

漫画に限らずゲームなんかでもそうなんですが、時代劇っぽいものが好きです。史実に基づいた作品も嫌いじゃないんだけど、そっちだと「〇〇は誤り」とかいう人が出てきて殺伐としちゃったりもするから、どっちかって言えば完全にフィクションだったり、思いっきり誇張してますってくらいの方が好きかも。

そういう意味では本作はめちゃくちゃ楽しんで読むことができました。ちょっと取っつきにくい絵という部分さえ問題なければ内容はめちゃくちゃ面白いです。ボリュームも適度だし、人情物語みたいなものが好きな人にはめちゃくちゃ刺さるはず。

というわけで今回は、知らずに人さらいの手助けをしてしまって後悔から始まる物語「さらい屋五葉(全8巻完結済み)」を紹介します。

 

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さらい屋五葉 あらすじ

気弱で恥ずかしがり屋な性格が災いして、藩から暇を出されてしまった貧乏浪人・秋津政之助。用心棒の職を転々とするものの、その頼りなげな風貌から、こちらもすぐに断られるという日々を送っていた。そんなある日、街で偶然出会った遊び人風の伊達男・弥一に用心棒を依頼された政之助は、これ幸いと請け負うが…

 

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やっと仕事先を見つけたと思ったら…

さらい屋五葉1

 

本作の主人公は武士で、用心棒の仕事を探していた時に声を掛けてきた相手が「賊」だったというスタートを切ります。主人公はプライドが高く、日雇いの仕事を断り続けてようやく手にした仕事が、実は人さらいの片棒を担ぐことだったという流れは、非常に好奇心をそそられませんか?

しかも本作の主人公は用心棒を希望しているとは言っても、剣の腕が立つというわけでもなければ、常におどおどしていて頼りない武士です。正確に言えば剣の腕はあるんだけど、極度の緊張しいというか「人前だと力を発揮できない」という感じ。

ゆえに口先だけの奴ともまたちょっと違うんだけど、そう思われても仕方ないような雰囲気を纏っていて、この主人公がどう成長していくのかが大きな見所です。

 

周りと徐々に打ち解けていき、居心地良く感じていく主人公

さらい屋五葉2

 

最初は悪行に手は染めないと誓っていた主人公ですが、仕事が見つかるわけでもなければ食・住の問題から解放されるわけでもなく…。賊から仲間に誘われ続けていくうちに、居心地良く感じてしまいます。

賊の中には「仲間になる気がない奴に食事を与える必要はない」と言い出す者が出てくるものの、それでも食べる物と住む所を与えてくれたことに対して、恩義を感じたという部分もあるでしょう。

しかし断固として悪行には手を貸さないと決意している主人公も、本人の意図しない形で賊の生業に巻き込まれていくことになります。自分を助けてくれた相手に奉公するのか、それともどんな理由があっても悪行に手を貸すことは拒むのか、果たしてどっちが武士として正解なんでしょうね。

 

なぜ人さらいをしているのか、その目的とは?

さらい屋五葉3

 

普段の姿を見ていても「賊」っぽさが一切なく、人さらいをすることはあっても人質の命を取ったりはしないし、いわゆる義賊なのではないかと思ったり思わなかったり。そもそも人さらいと言えば、楽して金儲けができる(ただしお縄になる可能性あり)ということでハイリスク・ハイリターンな仕事です。

そこまでのリスクを犯してまで金が必要な理由が見当たらない場合、本当の目的が何にあるのかは誰もが気になる部分と言えます。そもそも金が必要なら、仲間になるかどうかも分からない武士崩れの面倒を見るだけでも無駄な出費ですからね。

賊のリーダーである弥一が、人さらいをしている理由には驚愕の事実が隠されています。それが徐々に明かされていく頃には、ほとんどの読者が「さらい屋五葉」の虜になっていること間違いなしです。

 

さらい屋五葉を読んだ感想・レビュー

コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

「誤って人さらいの片棒を担いでしまった武士がどうするか」という最初のテーマだけでも面白そうだと思いましたが、コミックス1巻時点では物語の全貌がまだ謎に包まれている段階なので、何とも言えないです。

ただ、登場してくるメインキャラクターの味というか魅力みたいなものは隠しきれていないので、物語が進んでいくに連れてキャラクター愛が大きくなっていくことは間違いなさそう。主人公も最初はダメな部分が目立つけど、たぶん読み進めていくうちに変わっていくと思います。

作者のオノ・ナツメ氏は独特なタッチの絵が印象的ですが、とりあえず心配なのは「キャラの区別が付きにくい」という点。時代劇だと「ちょんまげ、着物」が相場だし、名前もそこまで特徴がないんで、キャラが増えてきた時にどうなるかっていう心配はあるかもしれません。

ちょっと絵が見にくい感はあるけど、重厚な物語になるような雰囲気を感じる1巻でした。

 

コミックス全8巻を読んだ感想・レビュー

最初はゆったりとした雰囲気で進んでいくんですが、ある瞬間から加速的に面白くなっていきます。もうこれは事前情報とか無しで読んでほしいと思うくらい。

心配していたキャラの区別についてですが、確かに「これ誰?」とか「これ誰のセリフ?」みたいなことは割とあるので、読むのに時間がかかる作品だとは思いました。でも2回目を読み直したときはスッと入ってきたので、そこまで心配するほどのことではなかったかと。

主人公たちの過去の話と、それに向き合った結果どうなったかを含め、最後の最後まで楽しめる時代劇漫画だったと思います。時代劇モノが好きだという人は読んで損なし。

 

あとがき

メンバーが5人で五葉となって楓の葉を使うってカッコ良すぎんだろ。

 

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