「それでもしますか、お葬式?」を読んだ感想・レビュー

それでもしますか、お葬式?表紙
Ⓒそれでもしますか、お葬式?

僕の仲の良い友人のお母さんが葬儀屋に勤めていて、毎朝新聞のお悔やみを見てニヤニヤしてるって話を聞いては怖かったんだけど、ビジネスライクなお葬式って見たいようで見たくないような気がします。

仏壇にしてもそうだし、お葬式のプランもそう。万が一「松竹梅」みたいなことをやられたら、自分の大切な人は「松」にしたいってなりそうだし。本作はそんなビジネスとしての葬儀屋にスポットを当てた作品です。

というわけで今回は、葬儀屋の裏側が覗けるビジネス漫画「それでもしますか、お葬式?(連載中)」を紹介します。

それでもしますか、お葬式?のあらすじ

向井朝子は葬儀社「羅生苑」の新米社員。サクラを使って会員増を目論む腹黒上司や、戒名付けを葬儀社に押し付ける僧侶に唖然としつつ、「本当にお葬式は必要なのか?」と自問自答を繰り返す日々。孤独死したキャバ嬢の姉の葬儀をあげる金が無いと、涙を流す女性に朝子が提案したプランとは…!?

それでもしますか、お葬式?の見所をチェック!!

ビジネスとしての葬儀屋の姿が満載

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Ⓒそれでもしますか、お葬式?

本作はタイトルにもあるように「お葬式が本当に必要かどうか」を葬儀屋の目線から掘り下げているビジネス漫画です。お葬式は大切な人が亡くなった時に当たり前のように行われていますが、これって本当に必要かどうかを読者に問いかける内容となっています。

宗教的なものに加入していてお葬式を大事にしているっていう場合はアレだけど、僕の実家みたいに神も仏もなくて今日生きていくのが精いっぱいっていう感じの家庭では、お葬式という行事に対して懐疑的になっている人も少なくないのでは?

本作ではビジネスとしての葬儀屋の裏側なんかを描いているので、目から鱗が落ちるような数々の内容を知ることができます。お葬式が必要かどうかは死んだ本人の意志とは裏腹に、残された人のためにやるって感じだろうから何とも言えないけど、少なくとも葬儀に関する醜い部分を見ておいて損はないんじゃないかと。

出来れば知りたくなかったビジネスの裏側

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Ⓒそれでもしますか、お葬式?

どんなジャンルのビジネスにも営業の基本テクニックというものがあるわけで、その業界以外の人間からすると思わず「へぇー」と言わされてしまうことは少なくありません。

例えば飛び込み営業なんかだと「某メーカーのソーラーパネルを取り付けている家は成約率が高い」みたいな話を聞いたことがあります。これは某メーカーがソーラーパネルを一般的に市販しておらず、営業販売しかしていないからとかなんとか。だからそれが取り付けられている家=営業販売を受け入れた家みたいになるんだそうです。…知らんけど。

そして葬儀屋に関しては「人並みに、恥ずかしくない程度」等の人の見栄に付け込む方法が有効とのこと。実際に何回もやるもんじゃないから相場も分かりにくいだろうし、自分のことじゃなくて自分の親のことだったりするから「親に恥をかかせないように…」みたいになるんでしょう。…やりようによっちゃあボロい商売なのかもしれません。

葬儀屋としてのプロ意識とは?

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Ⓒそれでもしますか、お葬式?

ことビジネスにおいて「感情」が必要かどうかっていう部分は、かなり意見が分かれるところじゃないかと思います。例えばお客さんを思う感情があるのと無いのとでは、あった方がいいのは間違いないじゃないですか?

でもラーメン屋さんに「心の込もったラーメン」を食べに行く人ってあんまりいないと思うんです。たぶん「美味しいラーメン」を求めてる人が多いはず。もちろん心の込もった美味しいラーメンがベストなんだろうけど、極論でいえば「心の込もったまずいラーメン<感情のない美味しいラーメン」じゃないかと思うし、感情よりも味で結果を出してくれる方が僕はお金を払いたくなります。

ただ、葬儀ってなると感情の部分が大きいような気がするんですよね。粛々とお経を読み上げて~みたいなことじゃないと思うんです。だからこそビジネスが付け入る隙が大きいというか、人間の感情の難しさを物語ってるんじゃないかと思いました。

正確に言うなら「真心を込める必要はないけど、真心を込めている演出が必要」みたいな感じかな。いずれにしても葬儀屋としてのプロ意識が垣間見えるし、それによって葬式に対してのイメージが変わる人も出てきそうな気がします。

それでもしますか、お葬式? 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

僕は今までちゃんとしたお葬式って1回しか出たことがないんですけど、その時にお坊さんがスーパーカブに乗ってきたのに衝撃を受けたし、その後のお経を聞いて「こんなん誰も意味が分からないんだから適当にやれそう」って思ったのを覚えています。

あとは都会の方だとマンション型のお墓なんかもあるって聞いて、いよいよ色んな物が崩壊してきたなぁと思っていたところです。でも要らないって言って済ませていいもんかどうかっていうのも難しい問題ですよね。個人的には全然要らないけど周りが「そうはいかない」って言ってしまう空気感というか、故人のためというか遺族のためにやるみたいなところがあるからなぁ…。

いずれにしても「今生きていくのが精いっぱいっていう人がやるようなもんではない」みたいなメッセージ性を感じました。これが全てとは言わないまでも非常に興味深い内容なので、ビジネスとしてのお葬式を覗きたいという人には文句なしにおすすめです。

あとがき

参列してくれる人がいる人が羨ましい。