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「ZIG」を読んだ感想・レビュー

ZIG表紙

 

警察とテロリストが対峙する場面は、これまでにもドラマや映画、漫画などのコンテンツで飽きるほど目にしてきましたが、特に日本の場合だとかなり警察が不利という印象です。

アメリカとかなら警察が危険だって判断したら銃を簡単に撃てるわけで…。結果的に「それは誤った判断だったのでは?」みたいなことを言われるケースは少なくないものの、銃を脅しにしか使用できず、手遅れになってからじゃないと撃てない日本と比べると全然マシと言えるでしょう。

本作は元自衛隊員で海外の実戦部隊に所属していた経験のある主人公が、プロの犯罪集団と戦うアクション漫画です。というわけで今回は、ハラハラできるクライムアクション「ZIG(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ZIG あらすじ

香港で銀行の警備員をしている桐生甚吾は、元自衛官で特殊作戦群の出身という経歴の持ち主。ある日、銀行に強盗団が現れるが大型金庫には目もくれず、貸金庫内を物色して立ち去っていった。彼らの正体は、中国諜報部と契約したプロ集団。国家間の争いに、桐生は巻き込まれていくが…!?

 

ZIGの見所をチェック!!

イスラム国の処刑から生き延びた主人公

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本作の主人公は元自衛隊員で、グローバルに活躍している人物です。かつてイスラム国に捕らえられ、死にかけたという経験を持っています。そして現在は、香港の銀行で働く警備員です。

自衛隊だと実戦経験がないように思われますが、イラク派遣の際に「友軍のフランス部隊がアルカイーダから襲撃された際に助けてはいけない規則だった」というルールがあった為、フランス部隊がやられる様を呆然と見ていたことに絶望し、その後はフランスの外国人部隊に入隊しているという背景があります。

かなりの武闘派であるにもかかわらず、無駄に暴力を振るうこともなければ殺生もしません。例え、自分の友人を殺した相手が目の前で拘束されていても、捕虜は人道的に扱うというポリシーを持っています。一度死にかけた恐怖感から頭のネジが外れているような雰囲気がありますが、本人はそれを「臆病」と言っており、非常に興味をそそられる人物が主人公です。

 

駆け引きに見応えのある戦闘シーン

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前項でも紹介したように、本作の主人公はスーパーマンです。しかし、警備員として配属されていた先に銀行強盗が来たとして、それを1人で撃退できるだけの現実離れした人間ではありません。ゆえに割とリアリティのある戦闘って言ったらいいのかな…駆け引きに見応えのあるシーンが楽しめます。

例えば「強盗団の1人を人質に取ったとしても、そいつの仲間に民間人を人質に取られる」みたいなことが起こります。警備員や警察が、民間人を犠牲にしてまで強気に出られないことを逆手に取っているってことなんですが、単純なドンパチやるタイプの漫画ではあまり見られないシーンです。

ちなみに本作で主人公の敵にあたる人物は、中国諜報部と契約したプロ集団ということもあり、迫力のあるバトルが楽しめるでしょう。

 

ZIG コミックス全1巻を読んだ感想・レビュー

全1巻なのであっという間に終わってしまいます。国家間の都合とか背景があって割と入り組んでいるストーリーなので、もうちょっと腰を据えて読みたかったという印象です。

敵に関する煽りもそこまで大きくないからか、淡々とストーリーが進んでいくんですよね。もっと敵キャラに対する憎悪感情を煽ってくれれば、本作の見え方や感じ方も変わったかもしれません。自分の親を殺した相手にも低殺傷武器を使うのかとか、ちゃんと人道的に扱うのかとか、その辺が見えていれば主人公への印象もまた大きく変わったんじゃないかと思います。

個人的には「〇〇を暗殺しろ」みたいなミッションじゃなく、「〇〇を制限時間まで監禁せよ」というミッションだったのが特殊指令みたいな感じで面白かったです。3巻構成くらいで読みたかったなぁ。

 

あとがき

九死に一生を得るってこのこと。

 

 

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