「バウンスアウト」を読んだ感想・レビュー

バウンスアウト表紙

 

海老蔵事件、朝青龍事件などがキッカケで、一時期持て囃されてた「関東連合」ってあるじゃないですか?いわゆる「半グレ」って呼ばれてる存在で、暴走族あがりの人たちがOBになって幅を利かせてる組織です。

各方面でそれなりに力を持っていたらしいものの、その上層部の多くは「六本木クラブ襲撃事件」を引き起こして、関係者ら計18名が逮捕されるにいたってます(うち一人は今もなお逃亡中)。

本作はそんな六本木クラブ襲撃事件からヒントを得て描かれた作品で、アンダーグラウンドな世界が舞台。少年院あがりでバウンサー(用心棒)になる一人の男の物語です。実話じゃないんだけど「六本木クラブ襲撃事件の裏では、こんなストーリーがありました」的なフィクションとして楽しめるかと。

というわけで今回は、アンダーグラウンドな世界の抗争、ヤクザや半グレ、外国人ギャングたちとの争いを描いた「バウンスアウト(全5巻完結済み)」を紹介します。

 

著:西条隆男, 著:東元俊也
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バウンスアウト あらすじ

東京、六本木。すべての欲望が溢れ、乱れ、踊るこの街に、ひとりの不良少年が降り立った。そこで目撃するのは、これまでにない大きな地殻変動。利権を非顕在化し、暴排条例のため地下に潜った“不良”たち。暴力とカネという地下水脈は、警察の目が届かないところで激流となり、少年は否応なく飲み込まれていく――。新しいタイプのアウトローが蠢く現在の“ロッポンギ”を舞台に描く、堂々のネオ・クライム・アクション!!

 

バウンスアウトの見所をチェック!!

モチーフになっているのは実在した事件

 

本作で描かれているのは実際に起こった「六本木クラブ襲撃事件」です。Wikipediaとか見てもらえれば分かるけど、まぁ簡単に言うと「関東連合がターゲットにしている人物が六本木のクラブに現れたって情報を仕入れて、19人でそのターゲットをボコボコにして殺したらそれが人違いだった」って話。

過去の因縁を引きずっていい年齢の大人たちがこうやってリンチしてるってのも怖いし、そもそも人違いで殺されるとか被害者からしたらとんでもない話だなーって。

そこから始まる物語っていうことで、一部にノンフィクションを取り入れているので結構なリアリティを体感できるアンダーグラウンドな漫画です。中国残留孤児のギャングらしきものも登場していて、年々弱まっていくヤクザの代わりに勢力を伸ばしてきた半グレ的な組織が登場します。

実際の事件や実在する組織を題材に描かれている漫画なので、とにかくリアリティがある作風だと思う。都会のちょっと闇の部分を覗きたいという人にはおすすめ。

 

主人公はバウンサー(用心棒)

バウンスアウト2

 

本作の主人公は、関東連合に見立てた組織の人間ではなくバウンサー(用心棒)です。事件の舞台となる六本木のクラブにたまたま居合わせて、犯人の顔を見たことをキッカケにヤクザが接近してきて、そのまま用心棒として雇われるという感じ。

いわゆるフロント企業ってやつで、ヤクザも表立って代紋掲げても仕事にならない時代だろうから、こういう設定があるのもリアリティがあるんじゃないかと。

少年院あがりで喧嘩最強、かつての恋人を殺されたというくらい過去も持っていて、六本木を中心に巻き起こる抗争の中で、自分の存在や過去と向き合っていく主人公の姿は必見です。

 

なんでもありのストリートファイト

バウンスアウト3

 

本作は基本的に「なんでもありの喧嘩」が描かれています。とは言っても、舞台はあくまで日本の六本木という設定ですから、いくらヤクザと近い位置にいるからといって、下っ端同士の戦いに拳銃が出てくる感はありません。

ただし正々堂々とタイマンで決着をつけるという感じでもなく、割れたビンを凶器にしたり、フォークを刺したりくらいのことは普通にするっていうね。この辺は妙にリアリティがあります。

金属バットを喧嘩に使うって言っても、僕みたいな一般人からすると「クリーンヒットした時のことを考えて、フルスイングはちょっと…」とか思ったりもするので、そういう意味ではフォークの方が凶器としては使いやすいんじゃないかと。

こういう変なリアリティもあったりするので、ヤンキー漫画の喧嘩なんかでちょっと大げさに感じて冷めてしまうという読者でも、終始楽しみながら読めるはず。

 

バウンスアウト コミックス全5巻を読んだ感想

六本木クラブ襲撃事件は個人的にかなりインパクトのあった事件で、その当時は結構「関東連合」について調べたりしてました。

海老蔵事件とか朝青龍事件とか、何かと世間を騒がせたりしてたし、芸能界デビューするとか言ってた元リーダーがこの事件で捕まったり、しかもその元リーダーは自殺してしまったアイドルと付き合ってたとか、色々と闇が深いあれだなぁと思った記憶があります。

で、本作はドキュメンタリーチックに「この真相を暴く」という感じの作風ではなく、あくまで入り口がこの事件であって、実際の事件とは何ら関係のない物語です。現に逮捕されてない犯人もいるわけだし、真相は「勘違いで人を殺してしまった」というそれ以上でも以下でもないよね。

でも、所々でリアルに寄せてきているというか「なんかこれ聞いたことあるぞ」って部分が出てくるので、妙な生々しさがあると言っても過言ではありません。アンダーグラウンドな世界観が好きな人におすすめ。

 

あとがき

VIPルームで飲んでたら19人の男たちに金属バットでボコボコにされるって怖すぎるな。

 

著:西条隆男, 著:東元俊也
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