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中学受験を描いた漫画「二月の勝者 -絶対合格の教室-」がシビアながらもハートフル

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このご時世にピッタリなんじゃないかとも思えるテーマの作品がまた登場しました。その名も「二月の勝者 -絶対合格の教室-」です。

これまでにも受験勉強をテーマにした作品はいくつかあったけど、1番有名なのは「ドラゴン桜」かな?実写化もされたし、なによりも「東大は簡単だ!!」のセリフはインパクトありましたよね。

しかし本作は中学受験にスポットを当てています。つまり小学生を相手にしている塾講師の漫画なんです。というわけで今回は、中学受験をサポートする塾講師の姿を描いた「二月の勝者 -絶対合格の教室-(連載中)」を紹介します。

※第1巻のみネタバレあり。

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作品概要

中学受験の生徒を抱える、とある進学塾にスポットを当てた作品。新校長と新米講師が主な登場人物となっており「全員を第一志望校に合格させる」と言い切った新校長が、どのような結果を出すのかが今から注目される。

当然、相手にするのは小学生の子供とその親なのだが、生意気なことを言う生徒や塾を辞めようと考えている親に対して毅然とした態度でブレない姿勢を保つ様子は、多くの読者にとって有益な情報をもたらしてくれるのではないだろうか。

何かにつけてお金の話をする校長と、子供の将来を第一に考えたいという新米講師の衝突もさることながら、生徒とその親を手籠めにする巧みな話術と経営戦略には目を見張るものがある。

シビアな場面も少なくないが、それ以上に感動させるシーンも多い。そんな中学受験漫画である。

 

登場人物

黒木 蔵人

バケモノ級トップ塾のフェニックスから移籍してきた新校長。

「受験塾は子供の将来を売る場所」と言ったり、親のことをスポンサーと言ったり…。何事もビジネスライクに捉える冷酷な人間かと思いきや、誰よりも生徒を観察していたりする。

理屈っぽく、歯に衣着せぬ言い方も目立つが、生徒からの信頼は厚い…のか?

 

佐倉 麻衣

やる気に満ち溢れる新米講師。

自分なりに生徒のことを考えてはいるものの、校長である黒木の指示に逆らったり、空回りしてしまうことも少なくない。

塾講師になったものの最近の中学受験事情に疎く、黒木から原始人とバカにされている一面も。

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見所をチェック!!

中学受験の成功率は何%か

僕の時代の話をすると、ド田舎の1学年150人くらいの小学校で、中学受験したのが10人くらいだったなぁ…。あ、ちなみに10年以上前です。

しかも僕は受験した(っつーか、半ば無理やりさせられた)んだけど、試験を受けた後で「やっぱ地元の友達とかと同じ中学校に行きたい」って泣きながら親に訴えて、受験結果を見に行ってないんだよね(もしかしたら親がこっそり見に行って不合格を確認してる可能性はある)。

まぁ僕が小学生だった頃とは状況が全然違うんだろうけど、本作によると今現在都内の小学生は10万人いて、そのうちの25000人が中学受験をしているらしいです。こういう受験事情みたいなものを知ることができるってのも本作の魅力じゃないかと。

「みんなが受験するからウチの子も!」ってわけじゃなく、世の中の流れを知るっていうか知識の1つとして勉強になると思いますよ(実際に塾講師としての仕事に携わってるか、その境遇の子供がいたりしないとわからないからね)。

 

受験を辞めさせようと考える親との駆け引き

人間ってか人の親ってのは面白いもんで、例えば子供を塾に通わせて思ったよりも成績が伸びないってなったら、辞めさせることも考えます。それを塾の先生に対して「ウチの子は平凡だから、中学受験なんて向いてないんですよー」とか言うんでしょうね。

それに対して塾の先生に「確かにおたくの子供は平凡ですねー」って言われたらムッとするじゃないですか?「自分で言うのはいいけど、お前が言うなよ」的な。

でも、ここで「いやいや、そんなことありませんよー」って媚びるような言葉から入る説得よりも、親を煽ってから説得に向かう方が、俄然その後の言葉に重みがあるような気がします。

その辺の駆け引きがすごく上手に描かれているので、物を売る営業トークにだって応用できそうだし、誰かを説得する際に使えるんじゃないかと。その辺りに注目して読んで欲しいです。

 

点数が低いことを気にしている生徒にかける言葉

小学校の時って学校のテストは簡単なんですよね。僕の時代は1問10点とかで、下手すりゃ1問15点とかもあったかな。でもどんなに悪くても70くらいは取れてて、基本的には90か100かみたいな感じだったと記憶しています(あくまで僕の頃の話ね)。

それが実際に中学受験の問題集みたいなのをやってみると、驚くほど解けない!丁寧に説明して貰えると理解できるし習ってないってことはないんだけど、応用が利かないと解けない問題っつーか、初めて見る問題だと「こんなの習ってない!」って思わされる問題なんですよ。

本作にも、学校の成績が良くて今回初めて模試を受けた生徒がいました。この生徒は、模試が全く解けなかったことを気にしており、実際に点数も相当低かったようですが、黒木は点数よりも解答用紙を見て「解こうと粘ったのがよくわかる答案です」って褒めるんです。

それが心に響いて、子供は「あの塾に通いたい!」と親に言うことになります。ぶっちゃけ試験前に外部からの受験生(しかも通塾歴なし)だって情報があって、何としても新規顧客を獲得すると意気込んでいた背景があるので、そこまで見越しての褒め言葉だったのかもわかりませんけど…。

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生徒のことを親身に考えている(風な)的確なアドバイス

「自分の時間が欲しいから塾を辞めたい」という生徒とその親に対し「自分の時間が持てたら何がしたいですか?」と聞いたら「Y●uTube」と返ってきたシーンがあります。

そりゃそうですよね。学校で勉強して、学校が終わったら塾で勉強して…。帰ったらお風呂入ってご飯食べて寝るだけなのかな。遊びたい盛りでしょうに。

ちなみにこの生徒は塾でも勉強に集中できず、いつも窓の外を見てぼーっとしているだけ。ある時、机に落書きされていた内容から、黒木と佐倉はこの生徒が鉄道に興味を持っていることを突き止めていました。

それを知ってて生徒に鉄道の動画を見せ、生徒の興味を引くんです。それからの流れがすごい。

  1. 生徒が好きな鉄道の動画を見せ、鉄道に関する雑談で盛り上がる。
  2. 「こっちの動画はどう?」と言いながら別の動画(鉄道のジオラマ)を見せ、生徒が食いついたところで、そのジオラマを作ったのは中学生であることを明かす。
  3. 鉄道研究部がある学校のパンフレットを見せ、生徒の興味を引く。
  4. 少し遠い学校でも「〇〇線に乗り換えて~」とテンションが上がる生徒の親に向かって「今見た感じだと、遠い学校でも平気そうですよ」と囁く。
  5. 乗り気になった息子をよそに、勉強についていけていない事実を思い出し、中学受験そのものが向いていないんじゃないかと悩みを打ち明ける母親。
  6. 点数だけを見ると平均に達していないが、地理に関しては優秀な成績であることを説明し、鉄道が好きな子は地理に強く、記憶力も良いことから興味やモチベーション次第で飛躍的に成績が伸びる可能性があることを説明する。
  7. 地理だけでなく、算数でも鉄道に関係する特定の分野では成績が良いことも指摘。
  8. 「日々のお弁当作り」「大量のプリントやテスト類の整理」など、ご両親の労をねぎらう。
  9. 「ここで辞めるのは勿体ないので、我々と一緒にもう一度頑張りませんか?」と問う。

影では親のことをATMと呼んでいたり、新しい生徒を増やすための行動を「金脈を掘る」などのビジネスライクな発言が目立つ黒木ですが、生徒のことを適当に考えている講師だったら絶対にできない行動のように思えます。

それが結果的に営業成績を伸ばすためだって言われたらアレだけど、ビジネスライクな発言も本心はなくて照れ隠しなんじゃないかなーとか、そんな感じに思える何かがあるんですよね。実際どうなのか、すごく大きな見所だと思います。

 

第1巻を読んでの感想

純粋に面白かったです。僕は子供もいないし、自分自身も学生から遠ざかってるってことで、今の受験事情がどうなってるかってのを全く知らないから、すごく興味深く読めました。

小さいお子さんを持つ大人が読んでも楽しめるだろうし、現役学生の方がこれを読んで「塾講師になってみたいなー」ってパターンもあるかも。僕みたいに「いずれ子供ができたときに知っておくと役に立つかも」程度のアレでもいいし。

あとはボランティアじゃないんだから結果を残さなきゃならないってのは当然として、飴と鞭の使い方が上手いというか、とにかく口が巧いよね。本音なのか建て前なのかはさて置き、こんな講師の人がいたら子供たちも頑張るだろうなぁって感じしますもん。その辺の営業トークも勉強になります。

まだ連載されたばかりで単行本も1巻しか出てないし、この先どういう展開を迎えるのかはわからないけど、このままいけば実写化は堅いんじゃないかと。これからの展開も期待しています。

 

あとがき

僕は塾に行ったことないけど、こんな講師がいたら頼もしいだろうなぁ。

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