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黒船にビビって刀を捨てた歴史のIFというか、いわば「侍が刀を手放さなかった未来」を舞台に描かれている剣劇アクションがこちら。「現代に侍がいたら?」っていう意味でのタイトルっぽいです。
主人公がヤンキー気質のチャンバラ漫画で、親の仇や政治的背景に潜む黒幕など、単純なチャンバラ漫画で終わらないための要素が組み込まれています。というわけで今回は、ヤンキー系チャンバラ漫画「侍ナウ(全4巻完結済み)」を紹介します。
侍ナウ あらすじ
侍たちは強すぎた。その強さのあまり開国を迫る黒船も落とされた。時は現代、人々は未だに刀を手放していなかった―。
刀文化を保持したまま近代化を遂げた日本を舞台に、双子の悪童・杏と蘭丸が斬って斬って斬りまくる!愉快痛快“剣劇バトルアクション”、開幕!!
侍ナウの見所をチェック!!
ヤンキー気質な姉弟の剣劇アクション
本作は現代になっても人々は刀を手放さなかったという世界において、幼い姉弟が侍を目指して生き抜く様子を描いた作品です。登場人物は十代の子供がメインで、剣劇アクションとは言いながらもヤンキー漫画の延長という感じ。
ちょっと目立った行動を取ると賞金首になってしまうような、生きづらそうな世の中ではあるんだけど、まさに弱肉強食の世界観があります。
弱肉強食な世界観と親の仇
本作の主人公には、親の仇を取るという明確な目的があります。「なぜ自分の親が殺されなければならなかったか」や「なぜ親を助けられなかったか」という部分に疑問を感じ、真っすぐに強さを追い求めているという感じでしょうか。
何の目的で親が殺されてしまったのか、犯人の正体など色んな要素が大きな見所となっています。テーマが復讐ってなると「復讐を果たしましたチャンチャン」で終わるってことも難しいんで、どうやって決着をつけるのかは序盤から楽しみな要素の1つと言えるでしょう。
街に蔓延る政治的な背景
子供が主人公で強さをひたすらに追い求めていく剣劇アクションとは言いながらも、政治的な背景が取り入れられています。個人的にはすごく気に入っている点です。
「なんで秀吉が刀狩りをしたか」みたいな話っていうのかな。人々が当たり前のように刀を携えている時代において、刀を手放すことを公約にした市長がいるなら単純に「世の中の人が刀を望んでいない」ってことになりそうなもんだけど、ここで絵を描いている人物がいるっていう展開は良い意味で本作にそぐわない気がしました。
このような要素が本作を単純なチャンバラ漫画に終始していません。親の仇とか街に潜む黒幕とか…バトルアクションの中に潜んでいる悪の要素にも注目です。
侍ナウ コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー
個人的には結構楽しんで読ませてもらいました。…が、結末の拍子抜けがハンパなかったです。「え、これで終わり?」って感じ。本作の根底にあったメインディッシュとも言っていい「親の仇」が丸々放り投げられています。
好意的に捉えるのであれば「侍ナウ 第一章完」って感じなのかな。もしかしたら続編が出るかもしれないし、出ないかもしれない。いずれにしてもこれで終わりなんだとしたら、結末が釈然としないせいで人にはおすすめしにくいです。
ぶっちゃけ軽くネタバレすると「親の仇を取りたい→そのためには侍にならなければならない→果たして侍になれるのか!?」みたいなところで終わっちゃうんで、ドラゴンボールで言えば「玉を4個集めて終わり」みたいな感じになってます。
剣劇アクションとヤンキー気質な主人公の相性は抜群に良かったと思うので、何らかの形で続編が読めることを期待しようかなと。ちなみにKindle Unlimited登録者なら、全4巻が無料で読めるのでぜひ読んでみてください。
あとがき
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