「四月は君の噓」を読んだ感想・レビュー

四月は君の嘘表紙
Ⓒ四月は君の噓

分かりやすいタイトルの漫画はまだいいんだけど、たまに「なんでこのタイトルなの?」っていう漫画があるじゃないですか?そういうのを見ると「何とかならなかったんかねー」っていつも思います。

でも本作に関して言えば、このタイトルにして最初から作者の中ではエンディングも決まってたんだろうなぁって思わされました。何度読んでも鳥肌モノだし、もう何度読んだか分からないくらい読んだ漫画の一つです。

というわけで今回は、ピアノ×ヴァイオリンの音色が青春を奏でる素敵な物語「四月は君の噓(全11巻完結済み)」を紹介します。

四月は君の嘘のあらすじ

桜の花びら、音楽、そして嘘。君と出逢った日から世界は変わる――母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった、元・天才少年ピアニスト有馬公生(ありま・こうせい)。目標もなく過ごす彼の日常は、モノトーンのように色が無い……だが、友人の付き添いで行ったデートが、少年の暗い運命を変える。性格最低、暴力上等、そして才能豊かなヴァイオリニスト……少女・宮園(みやぞの)かをりと出逢った日から、有馬公生の日常は色付き始める!!胸を打つ青春ラブストーリー!!

四月は君の嘘の見所をチェック!!

かつて天才少年と呼ばれたピアニストが主人公

四月は君の噓1
Ⓒ四月は君の噓

本作の主人公は幼少期から母親にスパルタで鍛えられた天才ピアニストです。かつてコンクールを総ナメにし、無機質ながらも正確無比な演奏に定評があったんだけど、母親の死をきっかけに演奏が出来なくなってしまったという感じ。

本作はそんな元・天才ピアニストの主人公が、あるヴァイオリニストとの出会いをきっかけにして再びピアノを弾こうとするって感じの物語です。

もちろんしばらく演奏してなかったってこともあって、すぐに結果が出せるかって言ったら難しいんだけど、技術的なことよりも過去の呪縛みたいなものに縛られているせいなので、それからどう解放されるかって部分が重要なポイントとなっています。

ヴァイオリンの伴奏で再びピアノの前に

四月は君の噓2
Ⓒ四月は君の噓

主人公が久々に音楽と触れることになったのが、幼馴染の友達が出場するヴァイオリンの演奏会でした。そこで賞を獲るでもない女の子の演奏に心を奪われるっていうね。

主人公は少年時代にあらゆる賞を獲ってきてはいるんだけど、譜面通りの演奏過ぎてあまり良く思われていなかったみたいです。恐らく「上手なのは分かるんだけど心には響いてこない」っていう機械的な演奏だったんだと思われます(まぁコンクールにおいては譜面通りっていうのが正義だとは思うけど)。

自分が心を奪われるような演奏をした彼女から伴奏をお願いされたとしたら、そりゃやらないわけにはいかないでしょ。というわけでここから主人公の中で止まっていた時計が動き出すっていう流れです。

恋愛や進路の悩みを含む青春時代

四月は君の噓3
Ⓒ四月は君の噓

本作のメインは「再びピアノの前に座ることを決意した主人公が、過去の呪縛から解き放たれて輝かしい演奏を取り戻せるか」みたいな部分になるんだけど、中学3年生という多感な時期のことになるんで、それ以外にも色んな青春的要素が目白押しです。

例えば恋愛についてもぶっちゃけ誰が好きなのかってのもハッキリしていないし、そういう自問自答を含めての青春時代と言っていいでしょう。演奏会でのパートナーってだけの存在なのか、それとも恋愛対象なのか。仮に恋愛対象だったとして、自分の友人と付き合っている女の子を好きになっていいのか等々、とにかく眩しいシーンの連続です。

ひいては運動部の引退時期でもあったり、学校の進路を決めなきゃいけない時期に差し掛かったりと、とにかく目まぐるしい展開が続きます。物語全体が素敵すぎるんで「主人公の恋は実るのか」みたいな安っぽいことはあんまり言いたくないんだけど、塞ぎ込んでいた主人公が誰かを好きになれるのか、誰かを好きになった気持ちを認めることができるのかって部分は間違いなく大きな見所です。

四月は君の嘘 全11巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

「これを面白くないって人がいるんでしょうか?」ってくらいに面白い漫画でした。コマ割りが独創的というかあまり見ない感じになっていて、割と見開きページが多いってのもあるんだろうけど、とにかく物語にグイグイ引き込まれている感じがあるので全11巻一気読みやむなしって感じ。

クラシック音楽が題材にはなっているものの、バッハがどうとかショパンがどうとか知らなくても全然問題なし。本作を読み終わった後で「主人公が弾いた曲ってどんな曲なんだろう…」みたいに調べたくなるってのはあるかもしれないけど、ピアノとかヴァイオリンとかクラシックに知見がなくても余裕で楽しめます。

個人的には「結末は何とかならんかったかね…」って思っちゃいました。もちろん良い悪いではなく自分の望む結末じゃなかったっていうだけで、物語としてはケチの付けようのない名作だと思います。まだ読んだことがないって人には文句なしにおすすめです。

裏側のエピソードを描いた短編集「四月は君の嘘 Coda」

四月は君の嘘 Coda
Ⓒ四月は君の嘘 Coda
  • 夏の夕暮れ
  • 夏の幻
  • 秘密結社KKE
  • 2年後
  • 夏のなごり

本編に登場したエピソードを掘り下げている短編集(5編)も出版されているんだけど、本編を堪能した後はぜひこちらも堪能してもらいたいと思います。主人公がピアノを辞める前の少年期にスポットが当てられていたり、本編に登場するライバルやヒロイン、幼馴染の裏側のエピソードみたいなものが描かれている短編集です。

ぶっちゃけこの短編集を読んで初めて物語が完結するって言っても過言じゃないくらいのデキなので、本編が面白かったという人なら読んでも絶対に損をしないエピソードばかりと断言します。個人的には「四月は君の噓、幻の12巻目」と言ってもいいんじゃないかと思っているくらい。

本編では詳しく描かれていない主人公の母親の姿や、ヒロインが初めて主人公と会った時のエピソードなど、マジで夢中にさせられるシーンばかりなのでぜひ読んでみてください。

著:新川直司
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あとがき

優しくて切ない嘘だったぁ。