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自分が大罪人の生まれ変わりだとしたら?「懲役339年」に色々と思う

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前世とか生まれ変わりというのを、1度は考えたことがあると思います。

よく「自分の前世は〇〇だった」なんてことを言う人がいるけど、そういうのを信じるかどうかってのは宗教上の問題であることが多いです(胡散臭い占い師にそう言われたっていうだけの人もいるけどね)。

僕みたいに信心深くない人間からすると、そんなの馬鹿らしいって思ったりもします。でも、そうやって洗脳というか教育されてきたという人にとっては、そういうもんだって信じちゃうでしょうね。

というわけで今回は、輪廻転生が信じられている世界における大罪人の人生を描いた作品「懲役339年(全4巻)」を紹介します。

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作品概要

かつて悪逆の限りを尽くし、懲役339年を言い渡された極悪人がいた。

極悪人は監獄に収監されて20年の刑期を務めたが、未だ300年以上の刑期を残して死んでしまったのだ。

そしてその極悪人が入っていた房には、彼の生まれ変わりとされる少年が収監されている。

※第2回裏サンデー投稿トーナメント優勝作品

 

登場人物

初代ハロー(ハロー・アヒンサー)

「神・教典・転生」を否定し、懲役339年の大罪を言い渡された人物。

悪逆の限りを尽くしたために懲役339年もの刑期を言い渡されたということになってはいるが、実は「生まれ変わりがない」と言ったから捕まったという事実は、一部の人間にしか知られていない。

 

二代目ハロー

「赤毛・金の瞳・脇腹の痣」などの身体的な特徴が初代ハローと一致していたため、赤子の時点で収監された。

ろくに言葉も話せず、意思疎通もままならない。

 

三代目ハロー

屈強な体つきの男。毎日自由時間になると神に祈りを捧げるほどの熱心な神の子である。

曲がったことが嫌いで、困っている囚人を見捨てたりしない男だが、助けた囚人からも過去の大罪のことで煙たがられてしまう。

 

四代目ハロー

歴代ハロー初めての女性キャラ。明るく前向きな性格をしているが、食い意地が災いして懲罰を与えられることも少なくない。

戦争が始まる際に刑務所に置き去りにされたが、仲の良かった警務官の助けを得て脱獄する。

 

五代目ハロー

革命組織「メーゲン」の元リーダー・ウマリモを父親に持つため、政府が危険視していたウマリモの弱みを握る目的で、五代目ハローとされた。

あるキッカケで刑務所を脱獄し、その後はメーゲンのリーダーとして活動を始める。

 

六代目ハロー

法皇の起こした奇跡により、自らの前世を思い出したとされる少女。

であるが、五代目ハローが脱獄してしまったために急遽立てられた代役に過ぎない。

 

見所をチェック!!

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国が行う悪だくみがテーマ

本作の面白い部分は「輪廻転生が信じられているため、懲役を全うできなかった大罪人は、次の人生でも繰り越して罪を償わなければならない」という教えが信じられている世界において、何をもって大罪人の生まれ変わりと判断しているかという部分です。

早い話が「アイツ気に入らないから、今度生まれるアイツの子供を次のハローにしちまおう」みたいなことが簡単に起こってしまうということ。この初期設定がメチャクチャ面白い。

結局は利権とか忖度とかそういう話ばかりになっていった、どこかの国の政治みたいで、僕には「世の中こんなんばっかだなぁ」という呆れがありながらも、物語が終わりに向かうに連れてワクワク感がハンパ無く募っていきます。

「悪い組織なんか滅びてしまえ!」という方向で、主人公たちを応援したくなるので、感情移入もしやすいです。因果応報とか革命の物語なんかが好きな人なら間違いなくハマると思う。

 

小さな綻びから徐々に明らかになっていく真実

キッカケは刑務官が残した手記で、そこには「出生局の不正」が記されていたわけだけど、これを国家の手に渡る前に保護できたことから始まるんですよね。

国家は自分に都合の悪いことを隠すために小さい嘘をつき、その小さい嘘を誤魔化すために大きい嘘をつき…ってやってった結果、最終的にはどんでもないことになってしまうという、まぁよくある話です。そのプロセスが本当に面白い。

そういうのがあったからこそ五代目ハローの脱獄に繋がって、脱獄されたってのを国民にバレないように刑務所ごと消し去って代役を立てるっていう、いわば破滅のロードですよ。死んだと発表した人間が生きてるとか、もう弁明のしようがないですから。

政治でも公文書偽造とか大きな問題になってるけど、こんなん山のように出てくると思う。僕らが気付いてないだけで、恐らく好き勝手やってますよ。いい加減にしてもらいたいもんです(←なにがだ)。

 

全巻を通しての感想

最初は「言われなき罪をなすりつけられて可哀想になぁ…」って感じから始まって、そのうち段々「もし自分だったらどうだろう」とか考えるようになりました。こういう環境だったら「そういうもんだ」って諦めもつくだろうけど、冤罪とかって誰にでも起こる可能性とかあるからね。

ほんで結局悪い奴が甘い汁を吸っていて、それを何代もの年月に渡って徐々に紡いでいった想いがカタチになるってのは、本当に良かったと思う。最初から最後までの全4巻、一切の無駄がありませんでした。

それと同時に、教育とか宗教とかそういうもんって人々を救うって言われてるけど本当に怖いなと。そういうもんだって教えられたらそうだと思うじゃん。「爆弾もって突っ込んで死ねば、天国に行ける」って教わったら、それを喜んでやる奴だって出てくるよね。

産まれたばかりの赤ん坊に「こいつ大罪人の生まれ変わりだから」とか言って、強制的に連れてくとかさー、もう本当にやめたげてー。でも、最終的には良かった。もうそれだけで満足です。

たかだかって言ったら失礼だけど、たかだか全4巻の漫画を読んで、国の政治のこととか宗教のこととか考えさせられるなんて思いませんでしたから。もうそれだけで満足です。

 

あとがき

冤罪もこれに近いものがあるけど、そう考えたら怖い怖い。

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