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「上京コアラ」を読んだ感想・レビュー

上京コアラ表紙
Ⓒ上京コアラ

表紙絵の段階で多くの人が気付くと思うんだけど、本作は非常に平和で嫌な気持ちが一切出てこない動物漫画です。子供向けの絵本のような世界観が楽しめるので、年齢や性別を問わずにおすすめします。

擬人化した可愛らしいコアラのきょうだいが都会の喧騒の中でものびのびと日常を過ごす様子には、色んな感情を揺さぶられることでしょう。というわけで今回は、コアラが主役のお上りさんコメディー「上京コアラ(全3巻完結済み)」を紹介します。

著:萬屋不死身之介
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上京コアラのあらすじ

コアラが主役のお上りさんコメディー! 自然がいっぱいのオーストラリアの田舎で育った「コアラの兄弟」がやってきたのは、多くのひとびとが暮らす都市・東京。家族とはなれ、慣れない街で新生活をスタートしたコアラのノアとルーカス。そんな2匹のはじめてだらけの毎日。

上京コアラの見所をチェック!!

擬人化したコアラの天然ボケ

上京コアラ1
Ⓒ上京コアラ

本作はタイトルの通り「コアラが上京してくる」というテーマの物語です。まぁオーストラリアの住人が東京にくることが上京に当たるのかどうかはさておき、ちょっと抜けている感じの主人公がたまりません。

主人公はコアラのきょうだいで年齢は不詳なんだけど、人間で言うところの小学生くらいの感じかなぁ。すごく素直で可愛らしいキャラクターであることは間違いないでしょう。そんなコアラの一語一句がめちゃくちゃ面白いんです!

いかにも笑わそうとしている感じのギャグ・コメディーではなく、自然体から出てくる天然ボケという感じなので、騒がしいギャグ漫画が苦手だって人も楽しめる内容となっています。動物が人間の世界に驚く的なあるあるや、田舎者が上京してきたときのあるあるなんかも出てくるので、クスッとさせられてしまう展開に注目です。

真っ直ぐすぎるほどの視点と思考

上京コアラ2
Ⓒ上京コアラ

本作の面白さは「しっかりした子役の面白さ」っていうのかな…。見た目が完全な子供なのに、敬語がしっかり使えて佇まいもちゃんとしてるギャップみたいな面白さがあります。人間だと本音と建て前を使い分けるところが全然できていないっていう面白さがあるんですよね。

で、もしその本音を言っちゃう人間がいたとしたら「なんだこいつ?」ってなりそうなところを、擬人化で上手く乗り越えているという印象を受けました。腹立たしさが一切なく、ちょっと面白い。いや、かなり面白いです。

真っすぐ正直なことを言うにしても、そこに毒気が一切ないので読んでいて嫌な気持ちにもならないし、これは小さいお子さんに読ませるのも全然ありだと思います。ただしあまりに純粋すぎて、これを外で真似されると困っちゃう場面は少なくないのでその辺は注意。

かなりハートフルな展開が多い

上京コアラ3
Ⓒ上京コアラ

笑えるシーンが多々ある本作ですが、ちょっと感動する系の良い話も多いです。泣かされるっていう感じではないけど、物事の本質を突いているというか僕らが幼少の頃に無くしてしまった感情みたいな感じ。

例えば道行く人が財布を落として困っていた時に、自分のなけなしのお金を貸してあげるっていう行為は賛否があるかと思うんです。本来なら「困っている人がいるなら助ける」が当たり前だし「借りた物は返す」が基本じゃないですか?でも現実世界はそんな当たり前のことができない人もいっぱいいるわけで…。

もし自分に子供がいたとしてその子供にどうやって教育するかってことを考えると、本作の答えはめちゃくちゃ優しい答えなんじゃないかと思いました。困っている人を助けるなでもないし、何も考えずにお金を貸した行為を咎めるわけでもない…。さっきは子供に読ませてもいいって書いたけど、大人が読んでも気付きが得られる作品です。

上京コアラ 全3巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

すごく良い話がたくさん詰まった全3巻です。コマも大きくて見やすいし、漢字には送り仮名もしっかり振られているので小さいお子さんでも楽しめると思います。

まず主人公のコアラきょうだいの純粋さに胸を打たれました。これを読んで嫌な気持ちになるって人はいないだろうし、漫画を読んで楽しみながら癒されるっていう究極系の動物漫画と言っていいでしょう。

誰もが小学校低学年くらいの頃には思っていたようなこと、そこからの成長で失ってきたものが描かれているような気がして、子育て世代には特に刺さるんじゃないかと思います。ちょっとした懐かしさみたいなものも感じられる作品なので、動物漫画が好きな人だけでなく、老若男女問わずにおすすめしたい動物漫画かも。

あとがき

このコアラは最高に可愛い。

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