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「ビンゾー」を読んだ感想・レビュー

ビンゾー表紙

 

もし仮にアメリカでゾンビが発生したとして、それが嚙まれることで伝染していくんだとすれば、日本って島国だからめっちゃ有利ですよね。鎖国みたいにすれば感染者ゼロに抑えられるかも。

しかし残念ながらそれだと漫画として成立しないので、思いっきり日本にもゾンビが蔓延します。そして主人公も思いっきりゾンビになるんだけど、普通のゾンビとは違う非常に珍しいゾンビになってしまうんです。

というわけで今回は、ゾンビ系パニックホラーとヒューマンドラマの面を併せ持つ「ビンゾー(全4巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ビンゾー あらすじ

きっかけは1人の老婦人の体内で起きたウイルスの突然変異だった。10数年後…世界はゾンビの恐怖に包まれる!! そして生まれた“新種”のゾンビ…。“意志”を持つカレは、ゾンビ界の神を目指した……。パンデミックパニック開幕!!!

 

ビンゾーの見所をチェック!!

理性が残っているゾンビになった主人公

ビンゾー1

 

本作の主人公はゾンビに嚙まれてゾンビになってしまったものの、ゾンビの中でも非常に特殊な例になります。一般的なゾンビは考えも持たずに本能的に行動するんだけど、2割くらいは人間だった頃の意識を残しているものの、人間を見ると無意識に襲い掛かってしまうというタイプ。

そして本作の主人公は「無意識状態でも人を襲わない」というタイプです。つまりゾンビに襲われることもなければ人間にとっても無害な存在と言えます(まぁ血迷って嚙んだりすれば人間をゾンビにすることができるから、人間側から見れば無害とも言い難いけど)。

大きく分類すればゾンビだし、言葉を喋れない等のゾンビのルールに則って生きていかなければならない主人公が、人間とゾンビが争いを始めた時にどちら側に付くのか等のドラマは大きな見所と言っていいでしょう。

 

仲間を見つけたものの袂を分かつ

ビンゾー2

 

主人公は物語の序盤で自分と似たような境遇の人物と遭遇します。彼もまた「無意識化でも人を襲わない」というタイプのゾンビでした。彼は一般人に襲われている主人公を助けてくれた存在でもあるんだけど、一般人を躊躇なく殺す様子や危ない思考を持っているということで、主人公は彼と仲間にならないっていう決断をします。

これが吉と出るか凶と出るかって部分も大きな見所だし、もし彼が似たような仲間を集めて人間たちと対立し始めたとすれば、下手すりゃ主人公には一切味方がいない状況になってしまうかもしれません。そんな彼との関係性がどのように変わっていくのかは必見です。

 

ゾンビの扱いについて揺れる政府

ビンゾー3

 

ゾンビによるパニックホラー的な部分以上に、政治的な背景なんかにも見応えがあります。まぁ完全なゾンビなら駆除というか退治しても問題なさそうじゃないですか?自分が襲われて嚙まれたりなんかしたらゾンビになっちゃうし。

じゃあ2割ほど存在している「人間だった頃の意識を残しているゾンビ」に対してどのような対策を取るのかっていう部分は大きな見所です。彼らは人間を見たら襲い掛かってしまうので、面倒を見ていくつもりなら完全に隔離する状況を作らなきゃいけないわけですが…。

もし「1箇所に集めて一気に駆逐する」みたいな考えを持っているんだとすれば、全員をそこに集めることが難しいって前提もあるし、そこに集まらなかったゾンビたちの反感を買うことは必至です。人間だった頃の意識は残してるわけだから、政府に矛先が向く可能性も十分に考えられるでしょう。果たして政府の取った行動は…?

 

ビンゾー コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー

半ゾンビっていうのかな?言葉を喋れなくなるっていう設定があるから、いちいちスマホで文字を打って会話するっていうのが漫画を読んでる側からしても少し面倒だったけど、ストーリーは非常に見応えあって面白かったです。

人間でもなくゾンビでもない主人公がどのように行動していくのかっていう内容に、ここまで心を揺さぶられると思いませんでした。まして引きこもりニートで親に対しても横暴な振る舞いをするっていう、人間的な魅力がゼロの主人公がゾンビになって生き生きしていく様子がなんかね。

全4巻でサクッと読める手軽さもポイントなんだけど、残念ながら最後の最後が急展開すぎます。途中までは「ゾンビ系パニックホラーの皮をかぶったヒューマンドラマ」くらいの印象だったのに、最後の結末がそれかーいっていう残念な後味です。まぁそんな終わり方を含めても面白いゾンビ漫画だと思いました。

 

あとがき

ゾンビ界の神に俺はなる!

 

 

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