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イカれた世界観を持つ「残響」の圧倒的スリルとアウトロー感

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作者が高橋ツトム先生となれば、タイトルが「残響」というインパクトのある二文字に何かを思わずにはいられないでしょう。

ちょっとダークでアウトローな世界観を描かせたら天下一品、そんな漫画家が残響ってタイトルを付けるような作品ですよ?この段階でゾクゾクしませんか?

結果から言うと、高橋ツトム先生の世界観が存分に詰め込まれた全3巻だったと思います。大変満足です。

というわけで今回は、ヤクザ殺しからの逃避行を描いた漫画「残響(全3巻完結済み)」を紹介します。

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作品概要

ゲームセンター勤めをしている智は、自身の人生に何の生きがいも見いだせずに人生を過ごしていた。

毎週水曜日になると、アパートの隣室に住んでいる瀬川という男から、壁にボールをぶつけて呼び出されるようになる。特に瀬川に対して興味はなかったが、暇つぶしで話すのが毎週の日課となっていた。

そんな時、瀬川が末期の癌に侵されていることを知る。そして瀬川は、押し入れに隠された白骨化した頭蓋骨と500万円の入った封筒を目の前に、智にこう告げた。

「その500万をやるから、俺を殺せ」と。

 

見所をチェック!!

愛の逃避行みたいな展開もあるのか!?

一応、物語のあらすじを簡単に説明すると、アパートで隣の部屋に住んでいた元・ヤクザの瀬川ってオッサンから「500万やるから俺を殺してくれ」って頼まれて、遺言みたいな感じで「できれば俺が昔殺した3人に香典を払ってくれ」って頼まれるって感じ。

実際にそれに従うのは性格的なもんなのか、あるいは瀬川に対して何か想う部分があったのかは謎だけど、殺す方が当時のヤクザなんだから殺される方もそれなりの人物であるわけで…。

そんな場所で1人の女性と知り合うって展開を迎えるんだとしたら、たぶん何かが芽生えてもおかしくないって思いませんか?

僕みたいな一般人の予想的には「遺言通りに香典を払いに行ったらその相手は現役のヤクザで、こっちが殺されるくらいまで追い込まれてしまうんじゃないか」とか「そんな時にヤクザの女が気まぐれで助けてくれたんじゃないか」とか考えました。まぁ結果的に言うと全然違うんだけど。

僕みたいな凡人の想像力じゃ到底及ばないスケールの展開は大きな見所です。「え?どういうこと?」とか思う。そういうのも楽しいんですよね。

 

目まぐるしいスピードで加速していく物語

作品を読んでいて「一気に引き込まれる感じ」ってのが、すっげー伝わってきます。というのも、付いていきたくなるようなスピード感なんですよね。

たまにスピード感がありすぎて読者を置いてけぼりにしている漫画とかありませんか?

漫画家になって漫画を描けるような人ってのは、紛れもなく天才なわけです。そんな天才が自分の思うように好き勝手やったら、そりゃ僕みたいな凡人の読者は置いてけぼりを喰らっちゃうでしょ。

多くの漫画家さんは、たぶん読者に理解できるようにして自分の世界を作り上げてくれてるんじゃないかって思う。で、高橋ツトム先生はどっちかっていうと、読者に合わせてない感じがするんですよ(あくまで僕はね)。

でも、こっちが意地でも付いていきたくなるような感じの作風です。今読んでるページの20ページ先を読んだら、もうまるっきり違う世界になってたとかザラにあります。

それでも必死に追いかけちゃうってのが、なんとも言い難い本作の魅力と言えるでしょう。

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セリフが無くても伝わってくる圧倒的表現力

以前に「海外の人向けの漫画」ってのを見たことがあって、吹き出しに書かれているセリフがもう何を書いてるのかわからなくて、最後まで読めなかったって経験があります。

でも高橋ツトム先生の絵なら、表情の絵だけでもその人物の心の内が見えてくるような気がするんですよね。極端に言えば「セリフがなくても何を考えているかが雰囲気的に理解できる」みたいな。

逆に言ったら「セリフが人物の心情を正確に表してはいない」ってことにもなるんだろうけど、それはリアルな世界と一緒なんだなぁって思いました。笑ってる人がいても、本当に心から笑ってるかどうかなんて分からないじゃないですか?そんな感じ。

そういう意味ではセリフの無い表情だけのコマとかには圧を感じます。間違いなく本作の見所の1つと言っていいでしょう。

 

徐々に追い詰められていくスリル

個人的に「長年、指名手配されていた犯人が捕まる瞬間」って結構テンションが上がる瞬間なんだけど、そういう人って意外と多いんじゃないかって思います。

それと同時に「どうやって逃げていたのか」「逃亡犯にとっては何が厄介なのか」「自分が逃亡するならどうやって身を隠すか」とかを考えるのも好きです。

そういう一種のスリルは、かくれんぼの上位互換というか、プリズンブレイクが流行ったのもそういうのが好きな人が多いからだと思ってるし、そういう人なら本作は間違いなくハマると思う。

そして本作では、表の世界で警察に追われて、裏の世界でヤクザに追われるっていうね。まさにプリズンブレイクさながらのスリルが堪能できますよ。

 

全3巻を読んだ感想

とにかく急展開が急展開を呼ぶ全3巻って感じ。ずっと走り続けて、読者に一息つかせるってこともせず、一気に読ませるって感じの熱量を感じます。

言うまでもなく世界観はメチャクチャ暗いので、青年漫画によくある裏社会的な雰囲気が好きな人ならハマるんじゃないかと思います。途中、主人公を含めよく分からない感じになってしまう感はあるけど、ある種の狂気だと思えば納得。

無駄に延命措置を繰り返して、テコ入れテコ入れでブレまくってる漫画よりも、ずっとずっと面白いです。「500万やるから俺を殺してくれ」ってセリフから始まる殺人と逃亡の物語って聞いてピンと来たら、ぜひ読んでみてください。

 

あとがき

「人の道って何?そんな道…地図に載ってないでしょ」

 

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