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「ちおちゃんの通学路」を読んだ感想・レビュー

 

可愛らしい女の子を主人公に展開されるギャグ漫画って、基本的には「美少女がこんなことを!?」みたいな笑いが多いと思う。いわゆるギャップ要素というか、もしくは天然系のやつとかね。

本作で描かれる笑いは、どっちかって言ったら天然系のそれに近いけど、でも完全な天然じゃなくて、どっちかっていうと常識人(常識人って言っていいのかアレだけど)が繰り広げるコメディです。

「これをしたらおかしいんじゃないか/あれをしたらおかしいんじゃないか」と散々悩み、結果的にとってしまう行動が1番おかしいっていうね。このギャグ漫画は究極です。というわけで今回は、通学路を舞台に描かれているギャグ漫画「ちおちゃんの通学路(全9巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ちおちゃんの通学路 あらすじ

 

「普通に学校へ到着する」のはもはや奇跡!

道路工事に暴走族、突然の尿意まで、大小さまざまなトラブルが“中の下”な女子高生・三谷裳ちおに襲いかかる! 波瀾万丈のエクストリーム登校コメディ

 

ちおちゃんの通学路の見所をチェック!!

毎日の通学路に起こる違和感を笑いに

 

普通の高校生って通学路を決めてたんだろうか…。僕は小学校~中学校までは学校指定の通学路があって、それすらも守らずに登下校してたらたまに見張ってる先生に怒られたりとかしたことがあります。そういうのもあってか高校時代は通学路なんて決めずに毎日好きな道を通ってました。

もし毎日通る道が同じだという人がいれば、たぶん「この道が1番人通りがあって安全」とか「この道が1番信号などの干渉を受けずに最短で学校に行ける」とかそれなりの理由があると思うんです。で「この道を行けばギリ学校に間に合う!」っていうその唯一のルートが工事中だった時の絶望感ね。普通の人間なら「急がば回れ」って言葉通り、迂回するんじゃないかと。

でも、ちおちゃんはちょっと頭がアレなもんで、完全にゲーム脳なんです。

たぶんアサシンクリードとかヒットマンとかプレイしてるのかな?完全にステルスアクション仕込みの発想で、電柱→他人の家の屋根と飛び移って、工事現場を強引に横断するっていうね。そこで巻き起こるギャグネタがまぁ面白い!1つ目のエピソードからもう「このギャグ漫画最高!」ってなった。

 

誰もが経験したことがある「登下校あるある」1

 

例えば、向かいから自分とはあまり仲良くない人物…「仲良くないって言ったらアレだけど、まぁ普通に喋るっちゃ喋る、でも2人きりで一緒に登下校なんかしたこともないし、特別2人で一緒にどっかに出かけた経験もないような間柄の人」から、すっげー親し気な感じで挨拶された時ね。

普通の人なら後ろを確認すると思う。「果たしてこの挨拶は自分に向けられたものなのか、それとも自分の後ろに挨拶の対象者がいるのか」みたいな。でもちおちゃんはちょっとアレだから、そういうのを確認せずにメッチャ考える。思考回路をフル回転します。

で、実際に「そんなに仲良くない人物との通学」っていう流れになった時、会話のチョイスもそうだけどこれがメチャクチャ面白いんですよ。しかもそれがあるあるだけで構成されているわけじゃないんです。

キッカケはあるあるだけど、その後の笑いとかギャグ要素はちおちゃんのオタク的な要素とか、普通の人とはちょっと違う一面、冷静に自分の行動を振り返ることができる分析力なんかから構成されています。あるあるだけでも十分面白いんだけど、馬鹿の一つ覚えみたいになっていないので飽きずに読めるのが特徴です。

 

誰もが経験したことがある「登下校あるある」2

 

これも多くの読者が共感できるあるあるじゃないかと思います。学校に居た時はそんなでもなかったのに、学校を出てからちょっとしたくらいで、もうありえないくらいお腹が痛くなっちゃうっていうパターンです。

なぜか学校と家のちょうど中間くらいで急にくるんですよね。で、そういう時に入るコンビニって、大体トイレに誰か入ってるっていう…。「自分の星座だけ占いで1位の回数が少ない」ってくらいのあるあるです。

さすがに主人公がJKということもあって、漏らすっていうオチにはならないのは分かるけど、ここまでの急展開ができるっていうのは本作ならではだと思う。あと臨機応変なちおちゃんのリアクションなんかにも色んな思惑が隠されていて、ニヤニヤさせられっぱなしになること間違いないでしょう。

 

ちおちゃんの通学路 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

控えめに言ってメチャクチャ面白いです。ギャグ漫画好きなら絶対に押さえておいて欲しいと思える作品の1つ。基本的な入口は「あるある」なんだけど、主人公のちおちゃんが「これをやったらおかしいよな?」って考えて、非常識な行動を取らないようにしていたはずなのに、最終的に辿るのが非常識極まりない道だっていうのがたまらないくらい面白いです。

これが非常識な人間がやるなら「あー、ちょっとおかしな人なのね」っていう大袈裟なギャグ漫画になるんだけど、ちおちゃんも一見すると普通の人だし、考え方も普通。なのに、なぜかおかしな方向に展開するっていうのがメチャクチャ面白いんですよね。

学校に通った経験がある人なら大多数が「あるある!」って言わされる、でも読んでて気付いたら「ないない」の展開になってる、なのに面白いっていう不思議な感覚が味わえます。ほんとこれ、読まなきゃ損するレベルのギャグ漫画です。

 

あとがき

控えめに言って、読んだら幸せになるレベル。

 

 

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