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「エスパーおじさん」を読んだ感想・レビュー

エスパーおじさん
Ⓒエスパーおじさん

超能力が使えるって聞けば「すげー」って思うし、羨ましくもなるってもんです。ただ、超能力っちゃ超能力なんだけど、そこまで羨ましいって感じがないっていうのは新鮮でした。

冷静に考えるとすごい能力なんだけど、恐らく見せ方の問題なんだよね。お金持ちなんだけどそれを嫌味に感じさせないみたいな。すごい才能の持ち主なんだけど、それをひけらかしていないみたいな。とにかく愛くるしいおじさんがエスパーっていう設定で、それ以上でもそれ以下でもない作品です。

というわけで今回は、エスパーおじさんによるシュールでほっこりする日常生活「エスパーおじさん(連載中)」を紹介します。

エスパーおじさんのあらすじ

藤田シゲルは、特徴のない普通のおじさん。だが、彼には大きな秘密があった。
それは、超能力を持った「エスパーおじさん」だということ。
とはいえ、超能力を使って世界を救う…わけではなく、あくまでその使い方は庶民的。
新聞を郵便受けから空中異動させたり、満員電車で席が空いたらテレポーテーションで移動したり…。
すごい力を持っているのに能力を世に役立てるわけでもなく、日々の生活を平穏に過ごすために使っているだけなのだった。
「そんなところで能力使うの!?」と、思わず突っ込みたくなる。そんなエスパーおじさんの、シュールでほっこりする日常生活をお楽しみあれ!

エスパーおじさんの見所をチェック!!

エスパーおじさんのほのぼのした日常

エスパーおじさん
Ⓒエスパーおじさん

どこにでもいそうな普通のおじさんがエスパーで、その能力を些細な事に使用するという非常識な日常を描いた4コマ漫画です。エスパー能力自体は非常に高度なもので、言葉を使わずに相手に話しかけるテレパシーだったり、重力を無視して物を浮かばせたり、瞬間移動みたいなやつも可能っていうね。

それだけの能力を持っているなら普通の人なら善意(または悪意)に使用したり、もっと言えば基本的には金儲けみたいなことに走ると思うんだけど、本作はそういうんじゃないんです。もうね、普通にやればいいようなことにエスパー能力を使用するっていう宝の持ち腐れ系の展開になってます。

誰しもが「立ちたくないからゴミ箱に向かってゴミを投げる→外したから拾いに行く」みたいなことを経験したことがあるはず。これも超能力でゴミを捨てれば問題ないっていう感じ。この無駄遣いにめちゃくちゃほっこりさせられるんですよね。

思わず頷いてしまうようなエスパーあるある

エスパーおじさん
Ⓒエスパーおじさん

僕はエスパーとしての能力が皆無だから、こういう超能力を見せられて「あー、わかるわかる!」ってなることはないはずなんだけど、思わず頷いてしまうようなシーンが多々あります。他の超能力漫画でこういうシーンがあったっていうことではないと思うんだよなぁ。

いずれにしても完璧すぎないエスパーっていうのが、何とも言えないほのぼの感を生み出していて面白いです。物を浮遊させたり消したりと自由自在なのに、牛乳パックがうまく開けられないって…。思わず「そこっ!?」って突っ込んでしまいそうです。

本来なら「手で開封すると失敗しがちだけど超能力なら問題なし!」ってなりそうなところが、結局だめなんかいっていうね。こういう軽い所に手が届かない感じも親近感になっていて、非常に楽しめる日常系漫画と言っていいでしょう。

エスパーおじさん コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

まず嫌な人物が出てこないのと主人公のおじさんが可愛いってこと、そして日常生活なんだけどエスパー能力のおかげで非日常っぽくなっている点が面白いです。エスパーがこのおじさんで本当に良かったって思う。その辺の迷惑系YouTuberとかだったらって思うとゾッとするからね。

ぶっちゃけ4コマにしてはオチが弱いって思うこともあるけど、それを踏まえても面白く感じるのはキャラが良いことが大きく作用しているんじゃないかと。とにかく平和な物語だし、一般的には嫌悪されがちな禿げたおじさんが可愛く見えるっていうのも本作ならではの魅力です。

あと一点だけ注意点があります。Kindleレビューにもあったんだけど「エスパーおじさんのスポーツチャレンジ」のコーナー。エスパーおじさんが野球やらバスケやらに挑戦しているエピソードが書かれているんだけど、オチもなくて延々と続くんだよね。コマも大きくなって1ページ4コマとかだから、時間稼ぎというかコマ稼ぎというか…露骨な感じが否定できません。

おじさんは善悪に能力を使っていない(どっちかと言えば善に使っている)けど、作者さんは割と打算的なのかなぁとか思っちゃうと正当に評価できなくなる感じ。ここだけが気になりました、それ以外の内容はほのぼのできて面白かったです。

あとがき

ちょっとガバガバな能力くらいがちょうどいい。