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「クマ撃ちの女」を読んだ感想・レビュー

クマ撃ちの女表紙

 

本作を単純に言えば「30歳の女性がクマを追い求めて山に入る(のを密着取材している)」という物語。狩猟用のライフルとは物が違うだろうけど、僕自身かつて自衛隊に所属していたことがあって、その時に自動小銃を撃ったことがあります(距離は常に一定で200m)。

ぶっちゃけ反動も結構あって、銃身もそこそこの重量があったし、そんな重たい物を持って山に入って、「ヒグマって女性でも狩れるもんなの?」とか思ったけど、そういう未知の部分にワクワクできる作品じゃないかと。

というわけで今回は、女性主人公による命がけの狩猟劇を描いた「クマ撃ちの女(連載中)」を紹介します。

 

 

クマ撃ちの女 あらすじ

小坂チアキ、職業・兼業猟師。 彼女が狙うのは、“日本最強生物”エゾヒグマ……!! 北海道を舞台に描かれる、命がけの狩猟劇!!

農家の人にとっては死活問題となり得る害獣問題。シカやら猿やらに農作物を食い荒らされてしまうというだけでも死活問題なのに、熊やイノシシが相手となると、本当の意味で命がけになってくることも珍しくないでしょう。それらを解決してくれる頼もしい存在の1つがハンターと言われています。

しかしながらそのハンターも、近年は「要請されて出動するも、ルール違反と言われて銃を取り上げられた」などの問題が挙がっており、被害に困っている住民と地元警察・役所の間には大きな壁があるようです。

そんなハンターという存在を身近に感じているという人は、極めて少ないのでは?本作はそんなハンターに同行取材をするというテイで進められる狩猟漫画なので、ハンティングの基礎から触れることができる作品です。

 

クマ撃ちの女の見所をチェック!!

獲物がエゾヒグマというハラハラ感

熊撃ちの女1

 

ハンターって聞くと僕にとっては身近な存在でもないんで、専業の人が多いのか副業の人が多いのか、そういう部分もあまり見えてこないくらい「謎に包まれた仕事」という印象があります。それでもシカや鳥に比べたら、ヒグマを狙うということのリスクは漠然とながらも多少は理解できるもんです。だって熊とかでけーし、爪とか牙すげーし、こえーよ。

完全に安全地帯から他人事として眺めている分には「頭に撃ち込めばいいんでしょ?」とか「仮に外しても銃声にビビって逃げてくれるんじゃないの?」とか思ったりもするけど、「もし撃ち損じたら…」というプレッシャーは物凄くリアリティに描かれているなぁと感じました。

僕が自衛隊の射撃訓練に参加していた時は、200m先の的を完全に外してしまうほど明後日の方向に弾丸が飛んでいくってことは一切なかったです。でも実際の狩猟は訓練のように落ち着いて撃てるわけじゃないし、まして外したら命を落とすかもしれないというプレッシャーなら…?このハラハラ感が堪らない!

 

森の中で接する数々の危険

クマ撃ちの女2

 

狩猟における危険は、なにも獲物によるものだけではありません。日本においても感染症などへの注意が必要なんだとか。度々登場する代表的なものは「エキノコックス」。

僕も名前くらいは聞いたことがあって「キツネとかが持ってる病気で感染するとやべーやつ」くらいの知識しかなかったんだけど、森の中の水や果物で感染するってやばくね?

ぶっちゃけ素人考えで「森をひたすら歩くことになる→水が必要になる→水は重いからなるべく持ちたくない→現地の湧水を飲めばいい」くらいに考えちゃいそうだけど、そうは問屋が卸さないという部分には、すごく興味を惹かれました。

 

狩りの基本を学べる

クマ撃ちの女3

 

話はちょっと変わるんだけど、個人的にディスカバリーチャンネルのサバイバル番組がお気に入りで、そこで「狩りの知識」を学ぶのが好きなんです。「当たり前っちゃ当たり前なんだけど、言われるまでなかなか分からない」という基礎知識は、いかに自分が狩猟民族から遠ざかってぬるま湯に浸かっているかを気付かせてくれます。

それらの魅力は本作にもはっきりと再現されていて、ヒグマを探していくうえで「闇雲に探していても発見するのは難しく、ヒントを得て徐々に追い詰めていく」ということが重要なんだそうです。

素人考えだと「糞などの痕跡を探す」ってなりそうだけど、それすらもノーヒントで見つけるのは難しく…。「エゾシカがゆったり食事しているというだけでノーチャンス」などの部分は、なるほどなと思いました。こういうのが好きなら夢中になって読めるはず。

 

クマ撃ちの女 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

最近は女性(作品によってはJK)が過酷な自然に挑む系の漫画が人気を獲得してきたように思います。女子キャンプとか女子登山とか…一気に増えましたよね。本作もその1つかと思いきや、どうやら狩猟用のライフルを扱えるようになるには年数的な縛りがあるようで主人公は30歳を過ぎた女性となっています。

で、その女性猟師を取材するということで、ライターが狩猟に同行するという流れになってるんだけど、ライターが本作を手掛けている安島薮太氏というわけでもなさそうで、ハッキリ言ってノンフィクションなのかどうかは不明です。

個人的には割とリアリティを感じましたが、Amazonのレビューにはハンティングに詳しい自称ハンター的な人が酷評していたりもして、内容を覗くと的外れな指摘をしているような感も無かったように思います。「主人公の口調が気に入らない」という人も少なくないようですが、個人的には全く気にならなかったです。

「なぜ主人公はクマに固執しているのか」などのストーリー部分にも秘密がありそうなので、狩り部分だけでなくヒューマンドラマ要素にも注目できるんじゃないかと思います。女性が主人公だから終始ほんわかしているかと思いきや、熊が絡んでくると一気に雰囲気が変わる部分も面白く、獲物と対峙している時は迫力も感じられる作品です。

 

あとがき

クマ撃ちの女ってストレートな表現だな…。

 

 

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