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「ゴールデン・ガイ」を読んだ感想・レビュー

ゴールデン・ガイ表紙
Ⓒゴールデン・ガイ

ヤクザの世界の上下関係ってめちゃくちゃ複雑じゃないですか?しかも組長が死んだときに若頭が次の組長にならないパターンは本当に厄介。言うなれば専務とかじゃなくて部長が社長になるようなもんじゃないですか?…違うか。

本作は後継者争いのいざこざに始まり、そこから更に親殺しの疑惑や徳川埋蔵金にまで話が発展するヤクザ漫画です。というわけで今回は、極道×徳川埋蔵金の壮絶バイオレンスミステリー「ゴールデン・ガイ(連載中)」を紹介します。

ゴールデン・ガイ あらすじ

極道×徳川埋蔵金の壮絶バイオレンスミステリー!!横浜を拠点とする暴力団組織・亀鶴一家に所属する大仏組組長・桜井凱。小人数ながら個性豊かな組員を束ね、明るく日々を過ごす中、事件が勃発。若き組員が殺されたのだ。

背後に映る亀鶴一家内部で敵対する茜組の陰謀。そして、深淵にある“徳川埋蔵金”の存在……。欲望、暴力、因縁が交錯する戦慄の物語、堂々開幕――ッ!!

ゴールデン・ガイの見所をチェック!!

跡目争いによって残ったしこり

ゴールデン・ガイ1
Ⓒゴールデン・ガイ

ヤクザの世界に限らず、後継者争いというのは多くの反感を呼ぶものです。本作においても組長が亡くなった後、本来なら若頭が組長になるはずだったのが、組長の遺書によって若頭補佐の主人公が組長に台頭しています。

これによって主人公の上司でもあった若頭は不満を募らせることになり、この両者は衝突していくという流れです。ぶっちゃけヤクザの世界って階級社会みたいな部分もあるだろうけど、1日でも早く足を踏み入れた方が偉いみたいな部分もありそうだし、ちょっとこの辺の空気感は難しいニュアンスかもしれません。

いずれこの両者の関係は良好とは言えないし、仕掛けたり仕掛けられたりで血みどろの展開に突入することは間違いないでしょう。

前組長が暗殺された疑惑

ゴールデン・ガイ2
Ⓒゴールデン・ガイ

病死したとされている前組長が、実は殺されたんじゃないかという説が浮上します。もしこれが本当なら、ヤクザの世界では御法度の「親殺し」ということになるわけですが、果たしてこれが事実かどうかという展開です。

そして前組長が殺された理由として「徳川埋蔵金」が大きく関わっているとされていて、前組長を殺した人物とその証拠だけじゃなく、埋蔵金の有無も含めた壮大なサスペンス展開となっています。

ヤクザ漫画としてのドンパチやる闘争やバイオレンスな描写は迫力満点だし、そこに壮大なサスペンス要素が加わることで非常に見応えのある世界観が出来上がっていると言っていいでしょう。

揺れ動く運命に抗う主人公

ゴールデン・ガイ3
Ⓒゴールデン・ガイ

同じ組の中にも会派が分かれていて、一般人からすると「???」となってしまうのがヤクザ社会です。大きい単位では同じ組であっても、担ぐ人間が違えば抗争も辞さないのがヤクザとも言えます。

そこで障害になってくるのが下の者の勝手な行動でしょう。なめられたら終わりのヤクザ社会、自分の組の下っ端をやられて黙るわけにはいかないし、かと言って引き際のない抗争に発展したとして咎められるのはどちらになるのか。やり方によっちゃあ最初に手を出した方が悪くなるとも限らないですからね。

二代目の組長になったとは言え、決して勢力が強いわけでもない主人公一派がライバルたちの邪魔をかわし、果たして親殺しの真相に辿り着くことができるのでしょうか。

ゴールデン・ガイ 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

刃物を持った下っ端ヤクザに臆することなく立ち向かっていくような男が主人公ですが、実は内心ドキドキしていたとか、体中の傷は闘争による名誉の負傷なんかじゃなくてただの怪我とか、所々に人間味があって親しみやすいと思いました。

物語の流れも親殺しの疑惑と徳川埋蔵金という大きなテーマが二本あって、それぞれが同時進行していくので見応えたっぷりです。普通の極道漫画でも十分楽しめそうなのに、ここにサスペンス要素が入ってくるなんて本当に贅沢なヤクザ漫画だと思いました。

絵も上手いし、極道部分の迫力も満点です。指を切り落とすシーンの迫力もすごいし、何より敵対している相手の狂気に狂ってる感じがたまりません。インテリっぽいのに意外と好戦的で、そんな相手とどう戦っていくかっていう部分もめちゃくちゃ楽しみです。ヤクザ漫画が好きな人はぜひ読んでみてください。

あとがき

徳川埋蔵金×極道バイオレンスってすっげー組み合わせだな。