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「シャトルアイズ」を読んだ感想・レビュー

シャトルアイズ表紙

 

バドミントンって体育の授業でやるようなやつと、本格的に部活動でやるやつが同じ競技のように思えなくて面白いです。本格的にやってる人は音がもう違うからね。

そしてバドミントンを題材にした漫画は決して少なくないと思います。もちろん長期連載っていう条件が付くと一気に少なくなってしまうんだけど、本作のように短命でも面白くて絵がうまいバドミントン漫画は結構あるんですよね。

というわけで今回は、観察眼の優れた初心者プレイヤーによるバドミントン漫画「シャトルアイズ(全4巻完結済み)」を紹介します。

 

 

シャトルアイズ あらすじ

整体師の息子・鎹 項羽(かすがい こうう)は、人の体を見ることで動きの癖が分かる“目の良さ”を持っていた。自分がスポーツを本気でやったことがないことに悩む中、診察にバドミントン元五輪メダリストの辰巳義明が訪れ、同い年の世界ジュニアチャンピオン・四乃流星(しのりゅうせい)の試合を観に行くことに――!! 項羽は、その会場で衝撃の行動を――…!? 目が未来を掴む!! 男子高校生バドミントン青春譚――!!

 

シャトルアイズの見所をチェック!!

整体師の息子というアプローチ

シャトルアイズ1

 

スポーツ漫画の主人公といえば既にエリートコースを歩んでいる天才か、あるいは競技自体は初心者なんだけど高いポテンシャルを秘めているかのどちらかであることが多いです。

本作の主人公は後者の初心者型ですが、バドミントンをするのに適した強靭な脚力とか、背が高いとかそういうポテンシャルではなく「洞察力」を武器にしています。整体師の父親がいて、手伝いで様々なスポーツ選手の身体を見てきたからこその能力なんだけど、この設定が斬新で面白いと思いました。

父親の手伝いなんかも熱心にしているお父さん思いの主人公っていう部分も、読者として応援したくなる要素の1つです。

 

卓越した観察眼

シャトルアイズ2

 

本作の主人公は特別運動神経が良いというわけではないにも関わらず、バドミントン初心者のうちからそれなりに活躍していきます。もちろん本人の努力による部分が大きいのは大前提として、相手の筋肉の動きで次の動作が予測できるという武器の存在が非常に大きいです。

ぶっちゃけそれなりの技術がなければ「どこに来るかが分かってもどうしようもできない」的な部分があるかと思うんだけど、本作の場合は割と普通に勝負で負けるし、パワーバランスはちゃんと考えて描かれているように感じました。

そして「スマッシュをすると見せかけてのドロップ」みたいなものが丸裸にできるというのは大きなアドバンテージだし、どんな競技においても観察眼は大きな武器になると思います。これを武器にどこまで上り詰めることができるのか、序盤から楽しみです。

 

勝負において何を重要視するか

シャトルアイズ3

 

スポーツはフィジカルと同じくらいメンタルも重要です。「必ず勝つ!」という姿勢で試合に臨むのと「勝っても負けても悔いの残らない試合にしよう」という姿勢で試合に臨むのとでは、試合をやる前から覚悟が大きく違うじゃないですか?

本作の主人公は間違いなく後者の考えを持っているタイプで、序盤はとにかく「バドミントンが楽しくて仕方がない」という感じ。それが「勝たなきゃ意味がない」というプレイヤーと接したり、ダブルスを経験することによって、少しずつですが気持ちが変わっていくようになります。

「どうせこんなに頑張ったんだから、出来れば勝ちたいなぁ…」という感情が成長する第一歩だったりするわけで、特にダブルスの場合は悔しい思いをするのが自分だけの問題じゃなくなりますからね。そういう面での主人公の成長も大きな見所です。

 

シャトルアイズ コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー

主人公が観察眼に優れているっていうアプローチは面白いと思ったし、絵の躍動感もすごくて夢中になりました。一昔前のスポコン漫画ほど煽ってくる嫌なキャラもいないし、非常に読みやすいバドミントン漫画だと思います。

ちょっとケチを付けるなら「いくらカーブが来るって分かってても、バッティング能力が低けりゃ打てないでしょ」みたいなことを言いたくなる場面はあるんだけど、そこまでのジャイアントキリングは起こさないのであまり気になりませんでした。もしこれがバドミントン部に入部してすぐにそれなりのキャラを倒すようであれば、文句の1つでも言っていたような気がします。

最後が駆け足気味になっていて、打ち切りなのが分かってしまうような急な終わり方をしているのが残念です。普通に面白いスポーツ漫画だと思ったんですけどね。

 

あとがき

小学生にボロ負けするって展開も斬新。

 

 

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