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「ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド」を読んだ感想・レビュー

 

ジョジョの奇妙な冒険の始まりといえば、ジャンルをホラーと言っても過言じゃないような不気味さというか一種の恐怖感のあるバトル漫画でした。今となっては「ジョジョ=スタンド」みたいな部分もあるので、スタンドが無かった一部はあまり注目されることはないんだけどすべての始まりはここ。

個人的には家なき子っぽい悲しみというかいじめられっこのような描写が苦手で、小さい頃は第一部だけあまり読めなかったんですよね。ジョジョは繰り返し何回も読んだけど、いつもコミックス5巻から手に取ってたなぁ。

大人になってから読んでみると、第一部は残酷だけど色んな愛に溢れていて「ここからジョジョの奇妙な冒険が始まったのか」って考えると超感慨深いです。というわけで今回は、「ジョジョの奇妙な冒険第1部:ファントムブラッド(全5巻完結済み)」を紹介します。

※単行本だと第1巻~第5巻に該当し、kindle版は第一部という括りで全5巻(それぞれ白黒とカラー版)構成となっています。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 第1部 あらすじ

 

ジョジョの奇妙な冒険は端的に言うと「ジョースター家とディオの歴史の物語」です。その始まりが本作。ここを読まないとゆくゆく登場してくるディオに対して「ディオって誰?」ってなるかも。

本作の主人公であるジョナサン・ジョースター(略してジョジョ)は金持ちの家に生まれたおぼっちゃまで、そこに養子として迎えられたのがディオ・ブランドーです。このディオがまぁ嫌なヤツなんですよ。少年から青年になる過程でジョジョから大切なモノ(友達、恋人、家族)を少しずつ奪ったり、最終的にはジョースター家の財産を乗っ取ろうとしたりします。

そしてある日、ディオはジョースター家に飾られている石仮面に血を垂らすと石仮面が作動して針のようなものが飛び出ることを知り「これをジョジョにかぶらせて作動させれば、ジョジョの脳に針が刺さって殺せるのでは?(しかもジョジョは石仮面を研究しているから殺人ではなく事故として処理できる)」と考えました。

しかし人体実験をしてみると「針が刺さった人間は死ぬのではなく人間を超越した存在になる」ということを知ります。ディオはここに目を付け、自分が人間を超越した存在になってジョジョから全てを奪おうとするのでした…。的な感じのストーリーです。

 

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波紋エネルギーと吸血鬼の戦い

 

石仮面をかぶることで吸血鬼になると、ちょっとやそっとのことじゃ死ななくなります。基本的には「太陽の光に当たるか、波紋エネルギーを食らうか」のどっちかなんだけど、この波紋エネルギーって概念が第一部~第二部におけるジョジョの特殊能力みたいな感じ(第三部以降はスタンド)。

波紋を説明するのって結構難しくて、例えば岩の上にいるカエルに拳を振り下ろして、カエルを傷つけることなく岩を砕く的なエネルギーのことです。…ちょっと分かりにくいけど。

漠然としてるから色んな応用が利いて、直接殴りつけるだけじゃなくて「口に含んだワインに波紋エネルギーを持たせてカッターのようにする」とか「剣に波紋エネルギーを持たせる」とかも可能。

まぁ簡単に言うと「吸血鬼がチート能力で、太陽に弱いとは言っても夜に戦い始めたらほぼ勝ち確みたいになってるから、バランス調整のために用意された正義のチカラ」って感じでしょうか。天敵同士みたいな感じで非常に見応えのあるバトルが展開されます。

 

他の漫画でもパロディーになるような魅力的なセリフの数々

 

ジョジョの第一部ってコミックスで言えば1巻~5巻なんで、ジョジョの歴史で言えば非常に短いエピソードです。にも関わらず、ジョジョの名言的なものがめちゃくちゃ集約されています。

例えば上記のシーン。傷だらけになったディオの傷が癒えているのを見て「何人の人間を殺した?」という質問に対し、ディオが「お前は今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」と皮肉を言ったシーン。これ、めちゃくちゃ有名です。

こんな感じの「他でよく見る機会のあるセリフ」が結構あるんですよね。「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!」とかも有名。あとはキスシーンでの「ズキュゥゥゥン」とか、前項でも紹介したカエル叩く時の「メメタァ」とか、ジョジョ特有の擬音語みたいなのも注目されてます。

あとはジョジョの恋人がディオに無理やりキスされた時に泥水で口を洗うシーンなんかも有名。ジョジョネタとして分かる人には分かるみたいな感じで使われることもあるんで押さえておいて損はないです。

 

ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッドを読んだ感想・レビュー

ジョジョで何部が好きかって話になった時に、ここを挙げる人って少ないと思います。でもこれからずっと続いていくジョジョの奇妙な冒険の始まりの部分なんで、できれば通っておきたい部分と言ってもいいでしょう。

個人的なことを言うとジョジョファンが語りたくなるようなシーンこそ多いものの、スタンドを見てジョジョの世界観にハマったって人は無理に読まなくてもいいような気はします。世界観も暗いし、ホラーチックな部分も多いし。

何よりジョジョが可哀想!ジョジョはたくましく成長してすごく紳士的な大人になるんだけど、感情移入していればしているほど幼少期がきつい。僕がこれを初めて読んだのは小学生の頃で、ぶっちゃけ軽くトラウマになってますから。

というわけで、本音を言えば「ジョジョファンを公言するなら読んでおくべきだし興味があるなら読んでもいいとは思うけど、ジョジョの3部~5部あたりを読んでジョジョに魅了されて第1部も読んだ方がいいかどうかを悩んでいる」って感じの人なら別に読まなくてもいいんじゃないかって思います。

面白いかどうかって聞かれたら、あくまで僕個人の感想としては面白くない。面白い・面白くないじゃなくて「感慨深い」って感想が正しいと思う。何といっても全ての始まりの部分なんで、金銭的な事情とか時間的な事情がないなら読んでおくのが無難です。

 

あとがき

メメタァ。

 

 

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