当ブログでは漫画の種類によってカテゴリーを分けていて、たまに「この作品のジャンルは何だ?」と悩むことがあります。…が本作の場合は当てはまるものが多すぎて困るという感じ。
ファンタジー要素もあるし、ちょっとした謎解き要素もあるからミステリーでもいいような気もする。同じ日を繰り返すという設定があるからタイムスリップ系漫画でもいいような…。とりあえずジャンルは何でもいいんだけど、めちゃくちゃ面白い漫画です。
というわけで今回は、読み終わってしまうのが勿体ないほどの名作漫画「タビと道づれ(全6巻完結済み)」を紹介します。
タビと道づれ あらすじ
気鋭が贈る、海と坂と路地の街”緒道を舞台に綴られる”青春迷走リリカルファンタジードラマ!
タビと道づれの見所をチェック!!
15歳の少女が大切な人に会うためにやってきた
本作を簡単に説明すると「タビという15歳の少女が、航ちゃんと呼ばれる大切な人に会うために不思議な街にやってきて、そこで不思議なことが起こる」という感じの物語です。
主人公のタビは麻呂眉のちょっと不思議な女の子で、ぶっちゃけ15歳には見えない。なんも説明なかったら小学生の高学年か中学生くらいに思ってました。おどおどしている様子が印象的で、何かしらの謎を持っているという感じ。
そんな主人公が航ちゃんという人物に会いに来ました。航ちゃんが何者なのか、タビはどこからやってきたのかなど、とにかく謎が多い物語です。この謎は少しずつ解き明かされていくので、ぜひ本作を読んで真相を見届けてほしいと思います。
何やら不思議なルールがある街
タビがやってきた街には、いくつかの不思議なルールがあります。代表的なものは「毎日同じ日を繰り返す」というもの。明日が来てもそれは今日であって、多くの住民は同じ今日を繰り返すことになります。
もう1つは「街から出られない」というもの。出られない街にタビが入ってこれた理由については謎として残り、さらに「街の路を通るにはテガタと呼ばれる紋章が必要になる」というルールも存在することで、選ばれた者でなければ行動範囲も限られてしまいます。
このような謎を解き明かしながら主人公は航ちゃんを探すというわけです。ちなみに街を探索するのに必要なテガタは持っている人物から分けてもらうことが可能なんだけど、主人公のタビは人見知りということもあり、少しずつ成長していく様子も大きな見所と言えるでしょう。
流れ星が願いを叶えてくれるなら
流れ星が流れている間に願い事をすれば願いが叶うという、迷信というか言い伝えみたいなものはすごく有名だと思うんだけど、もし自分だったら何を願うかなぁと考えてみてください。
もし僕が「不老不死になりたい」と願った横で、僕に対して「彼を殺して」と願う人物がいたら、その願いはどちらのものになるのか…。もしその願いで僕が死んでしまったとして、別の人物が「もう一度だけ彼と話したい」と願ったらその願いは叶うのか等々。
本作は街が持つルールによって雁字搦めになっていて、割と複雑な世界観が構成されています。でも「星が願いを叶えてくれるなら」っていうことを純粋に受け止められる読者なら、きっとこの物語は気に入るはず。ちょっとドロドロした部分もあるけど、それも含めてすごく素敵な物語です。
タビと道づれ コミックス全6巻を読んだ感想・レビュー
ぶっちゃけ表紙の感じとかタイトルの感じで完全に見くびっていました。で、序盤がワケわからないうえに登場人物たちの見た目と設定年齢に違和感しかなくて、物語にハマるまで結構かかってます。正直に言うと4巻くらいまで全然面白くなかったです。最後はしっかり手のひらを返して、またイチから読み直しました。
序盤に張り巡らされた伏線を回収していく感じの物語で、所々に謎を残しつつ、物語の進行と共に少しずつ明かされていきます。はっきり言ってめちゃくちゃ面白い物語なので、これはネタバレなしで読んでほしい!
ちょっとした謎解き要素やミステリー要素もあり、ファンタジーの世界のような不思議さも残しつつ、とにかく多くの人に読んでもらいたい作品です。「あなたの良い部分も醜い部分も全部ひっくるめて好き」みたいな感情になれます。
あとがき
フィナーレで鳥肌立ったの久々。
誰もが1度は想像!面白くておすすめのタイムスリップ、タイムリープを題材にした漫画を紹介する