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「トラさん」を読んだ感想・レビュー

 

最初は「あまり可愛くない猫か虎か知らんけど」って感じの絵がインパクト強すぎて、完全にギャグ漫画だと思ってました。それが読んでみてビックリ!こんなハートフルな漫画とは…。

生きてた時はぐーたらで、ろくに仕事もせず、ギャンブルとお酒が大好きという…。一般的には素晴らしいとは言い難いお父さんも、その家族からすれば唯一無二の存在です。それを痛感する物語と言っても過言ではありません。

というわけで今回は、ギャグ漫画と思いきやハートフルな人間ドラマ「トラさん(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

トラさん あらすじ

 

売れない漫画家・高畑寿々男は、酒とギャンブルに溺れる日々だったが、ある日、歩道橋の上から落ちて死んでしまう。地獄行きかと思いきや、1年の執行猶予で家族のもとに戻り、家族の本当の心・自分の本当の心を見つめ直せと、ネコの姿で現世に戻されて!? 父と娘の泣き笑いストーリー!!

 

トラさんの見所をチェック!!

俯瞰的な目線から見る、家族の自分に対する感情

 

酒、ギャンブルが大好きで、仕事も売れない漫画という…普通に考えたら誇らしい父親でないことは明らかなんだけど、家族にとってみたら唯一の父親なわけで、それが急にいなくなってしまったら当然寂しいって感情はあると思う。

もちろん娘はまだ幼いから泣いちゃう気持ちも分かるし、凹む気持ちも分かります。ただ、一方で未亡人となった奥さんの気丈な振る舞いには、何かを思わずにはいられません。

誰しもが「もし自分が死んだときに、誰か泣いてくれる人はいるかなぁ」って考えたことがあるんじゃないかと思うんだけど、その様子を覗くことができます。こういうシーンは、ぶっちゃけウルっときちゃう人が大半なんじゃないかと。「本当に馬鹿な人だよ…」みたいな厳しいセリフだったとしても、涙なんか見せられたら…。そりゃあ、ね。

 

終始ハートフルな物語

 

猫であることを存分に生かした振る舞いというか、とにかく泣けるシーンが多いです。こういう行動を通じて、「人間の時にもっと一生懸命生きるんだった…」みたいな後悔もあったりするから、読んでいるこっちも「一生懸命生きなきゃ!」みたくなる。

後悔先に立たずってことを分かりやすい形で表現してくれているので、小さい子供でも読みやすく仕上がってるのには、素直に脱帽です。漢字があるから本当に小さい子供には難しいだろうけど、世界観は完全に道徳向き。いや、道徳の教科書に載せれるんじゃね?知らんけど。

 

最終的に人間に戻れるかどうか

 

本作の一番の見所は「猫になった父親が元の姿に戻れるか」っていう部分だと思う。「葬式終わって火葬も済んじゃってるっぽいけど、その辺は大丈夫なの?」という野暮なことは言わんと見届けましょう。

ちなみに物語の序盤で明らかになりますが、母親のお腹の中には新たな生命も宿っているってことなので、個人的には「今度は子供として生まれ変わる」的な結末もあるんじゃないかと。

いずれにしても「猫として家族に接することで、自分が気付かなかった小さな幸せや娘の成長を目の当たりにし、これまでの人生を悔い改める」という流れだから、よほど変な結末にしない限りは外さないと思う。

漫画の中での1年間が区切りになっているので、変にダラダラしてしまうこともないでしょう。序盤から早くも結末に期待できます。

 

トラさん コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

不慮の事故で主人公が死んでしまって、幽体離脱のような形で自分の葬式を眺めるってパターンは割とよく見るじゃないですか?代表的なところで言えば幽遊白書とか。

そこで口うるさかった友人、あるいは先生や職場の上司なんかが、罵声と一緒に涙を流すシーンなんかは、もはや鉄板と言ってもいいでしょう。「こんなん揺さぶられない人いるの?」ってレベル。

そこに動物の要素を持ってきて、自分の奥さんとか子供と接するって設定ですから、よほど嫌われてる父親でもない限りは良い話になるよね。「ギャンブルとお酒ばっかりで、ろくに働くこともなかったけど、お母さんは好きだったんだよね」みたいな感じでも、十分成立するじゃないですか?ましてそれを近くで聞くお父さんの心情を察したら、もう色々思う部分も出てくるはず。

どんな結論になるか分からないけど、序盤を見る限りは結末にも期待できる感が溢れまくってます。

 

あとがき

吾輩は猫である。名前は「トラさん」。

 

 

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