僕はお酒を飲まないんですがおつまみがめちゃくちゃ好きで、友人が横でお酒を飲んでいる時にひたすらおつまみを食べてたりします。最初は「居酒屋の料理って酒飲みを相手にしてるから適当なんじゃないの?」って思ってたんだけど、意外と斬新で美味しい料理が多いんですよね。
今回紹介する作品は居酒屋に住み込みで働くことになった女の子の物語で、非常に人情味が溢れる素敵な物語です。というわけで今回は、古き良き世界を舞台にした人情譚「ハルの肴(全8巻完結済み)」を紹介します。
ハルの肴 あらすじ
歴史の街、相撲の街、東京・両国。北海道から絵描きを目指して上京した春野ハルはひょんなことから老舗居酒屋・大門で働くことに。はたしてハルの新生活の行方は!?
「蒼太の包丁」で大人気を博したゴールデンコンビが描く、美肴と人情満載の両国居酒屋物語。
ハルの肴の見所をチェック!!
居酒屋を舞台に繰り広げられる人情譚
本作の主人公は居酒屋で働く女の子です。通っていた絵の専門学校が廃止になって放り出されていたところを居酒屋の主人に拾われたという流れ。
ぶっちゃけると「料理が好きで好きで…」みたいな感じではなく、成り行きで居酒屋に住み込みで働くようになり、その過程で料理人を目指すようになるという感じです。もちろんバックボーンには北海道実家で培った漁師仕込みの腕があるんだけど、料理人として大事なことはこの居酒屋でイチから学んでいくことになります。
そして舞台が老舗料亭とかではなく、居酒屋であることもポイントです。とにかく美味しい料理とか取材映えする料理じゃなくて、落ち着ける雰囲気に合っている料理とか人間ドラマのようなものにスポットが当てられている割合が多いような気がしました。料理漫画としての一面も持ちつつ、人情譚としての一面にも注目してみてください。
厳しくも優しくもある料理人への道
料理人とか板前になろうって思ったら、イメージ的にはブラック企業とかと遜色ないくらいの新人いびりというか、理不尽な悪しき風習みたいなのが思い浮かぶという人も少なくないと思います。寿司職人で言うところの「飯炊き3年握り8年」という言葉は非常に有名です。
これが現代の考えに遅れているかどうかはさておき、職人の道には常人には理解しがたい文化が強く根付いていて、その道にいなければ理解できない面も少なくありません(まぁその世界にいても理解できない部分もあるんじゃないかと思うけど)。
で、きっとそういうのがあるんだろうなぁって思いながら本作を読むと、意外とその辺に関してはマイルドに描かれていました。板長も厳しいっちゃ厳しいけど、全然理不尽じゃないという印象です。お客さんにも色んな人がいて、展開を盛り上げるために登場する嫌な奴もそこまで過剰じゃない気がするので、誰にでも読みやすい料理漫画と言えるでしょう。
読者が思わずマネしたくなる料理の数々
舞台が居酒屋ということで、酒のつまみになりそうな料理が多数登場します。そしてそのどれもが「ちょっと作るのに挑戦してみようかな」と思えるレベルで、エピソードの終わりにはレシピもちゃんと載ってるんですよね。
まぁ手軽にちゃっちゃと作れるような料理は少ないけど、材料をちゃんと用意すれば誰でも手軽に作れそうな物ばかりです。これが非常に親しみやすさを演出しているポイントであり、真似してみようかなって思える絶妙なラインを再現しているように思います。
僕はお酒を飲まないからアレだけど、お酒が好きな人なら日本酒に合いそうだって感じの料理がたくさん登場するので、それなりに覚悟を決めて読まなければいけないかも。
ハルの肴 コミックス全8巻を読んだ感想・レビュー
理不尽な嫌がらせが少ない料理漫画、人情味溢れる居酒屋物語っていうだけでも読む価値があると思います。それぞれのキャラクターが人間ドラマを持っていて、それがより本作を引き立てているんですが、古き良き昔っぽさみたいなものが感じられる漫画です。
ぶっちゃけ主人公の顔や雰囲気はクセが強くて最後まで慣れませんでした。意外とここに不満を持つ読者の人が少なくないんじゃないかって思ったけど、実際にkindleレビューを読んでみると全然みたいですね。これは僕が完全に少数派だったっぽい。
居酒屋料理ということで、技術的なものばかりじゃなく創作料理的なアイディア面も大きな武器になるという点で、主人公の良さもしっかりと出ている素敵な物語だったと思います。
ちなみにkindleアンリミテッド登録者なら、全8巻が無料で読めるのでぜひ読んでみてください。
あとがき
海鮮料理が無性に食べたくなる漫画です。
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