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「ヒメノスピア」を読んだ感想・レビュー

ヒメノスピア表紙

 

小学生の頃、学校にスズメバチの巣ができて刺されてしまう生徒は出てくるわ、そのハチの巣を狙ってクマが出るわで中々の騒動になった経験があります。

子供ながらに「女王蜂が~」という大人の会話を聞いて、「メスでこんだけ大騒ぎになるなら王様蜂が来たら大変なんだろうな」と。もちろん凶暴さを取ってもオス>メスだと思っていたので、大人になって「ハチはメスしか刺さない」と聞いたときはマジで驚きました。

というわけで今回は、そんなハチと人間のハイブリッドを描いた戦慄のインセクト・サスペンス「ヒメノスピア(全8巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ヒメノスピア あらすじ

ヒメノスピア1

 

人間社会においても「男女平等」の声が大きくなってきていますが、蜂の世界は完全なる女性社会と言っても過言ではありません。女王バチとそれを取り巻く仲間のほとんどはメスによって構成され、蜂の毒針は元々は産卵管であるという特徴があり、オスは刺さないっていうね。

そんな蜂の能力を手にした女子高生の物語です。いじめられっ子だった主人公が蜂の力を手に入れ、いじめっ子たちを仲間に取り込んでいき、徐々に勢力を拡大して国を作るというもの。

胸糞悪くなるようなダークな展開を持ちながらも、絶大な力を持ちつつそれを悪用しない主人公の人間性、仲間にできるのは女性のみという様々な要素が絡み合ったバトル系ダークファンタジーです。

 

ヒメノスピアの見所をチェック!!

蜂と人間が融合して得た特殊能力

ヒメノスピア2

 

男が上とか女が上とか言うつもりは全くありませんが、人間界においては男の方が腕力があるわけで、暴力的な人が多いというのも1つの事実です。そういうコミュニティに属していると自然界で「求愛に失敗したオスは食べられる」とか聞いて、驚き以外の何物でもなかったりします。

特に蜂や蟻の世界において、オスの存在意義っつったら悲しくなりませんか?交尾相手としての価値しかなく、基本的には間引きの対象だったりするし、存在がニートと言っても過言ではありません。そんな能力を人間が手にしたら…。

最初は百合漫画かと思ってしまう雰囲気を感じるものの、それは一気に急展開を迎えます。女子高生ばっかり出てくるけど殺伐としていて、蜂の世界の片鱗を垣間見る恐怖を感じられる作品です。

 

統率力や戦略性を武器に展開されるバトル

ヒメノスピア3

 

蜂の能力とは言っても女王である主人公は「女性を仲間に取り込む能力」を有する他、あとは仲間を含めて「針で刺すことができる」という程度です。確かに針にも殺傷能力はあるものの、銃を持った特殊部隊に勝てるかどうかって言ったら相当厳しい戦力と言えるでしょう。

特に昆虫特有の外殻を持っていて銃を無効化できるということもないため、銃で撃たれたら一発死してしまいますし、対抗するとすれば戦術と物量以外ありません。そして本作の主人公はこのような能力を有しながらも「日本にいるすべての女性を支配下に置く」などの野望は持っていないため、人間からの攻撃に対しては戦術で切り抜ける展開が描かれています。

蜂って役割分担がしっかりしてて、すごく統率が取れてるじゃないですか?言葉も持たないのにアレはすごい…っていう部分がバトル要素に組み込まれているので、一風変わったバトル展開が面白いです。

 

ヒメノスピア コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

蜂×人間のハイブリッド vs 人類 という感じで見応えのあるダークファンタジーだと思いました。コミックス1巻時点では「これから大きなバトルに発展するのか!」っていう良い場面で終わってしまうからアレだけど、ここまで読んだら2巻を読みたくなる読者がほとんどだと思う。

最初は苛烈ないじめのシーンがあるし、絵にもちょっと癖があって読む人を選ぶんじゃないかと思うんだけど、生きる価値を見出せない虫けらのような扱いを受けていた主人公が、人生に楽しみを見出した瞬間から段々面白くなってきます。

別に悪意はなく、ただ平和に暮らしたいと考えている主人公(女王蜂)と、それを駆除しようと必死になる人間との戦いには何かを思わずにはいられません。相手との駆け引きに大きな見所がある作品です。

 

あとがき

蜂の生態もセットで勉強にもなります。

 

 

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