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「僕たちがやりました」を読んだ感想・レビュー

 

初めて読んだ時は「面白い!」っていうよりも「なんだこの漫画は!?」っていう衝撃にやられた感がありました。お世辞にも漫画の主人公っぽくない主人公の人間性が自分に似てたからなのか何なのか、毎日を何となく生きているっていう読者なら少なからずも共感できる部分があるんじゃないかと。

それでいて何気ない日常が、割とリアルな目線で大事件に発展していくっていうのがね。リアリティはそこまで無いんだけど、ノンフィクションって言われても納得しちゃうような絶妙なバランスがクセになりました。

というわけで今回は、些細な悪戯が悲劇へと繋がってしまう青春譚「僕たちがやりました(全9巻完結済み)」を紹介します。

※コミックス1巻のみネタバレあり。

 

 

僕たちがやりました あらすじ

 

どこにでも居そうな仲良しグループ(同級生3人+ニートの先輩)は、そこそこの人生をこれ以上ないくらい謳歌していた。

特にリア充と呼べるほど充実はしていないが、それもそのはず。充実した日々を本人たちが望んでいないからだ。本人たちは、自分たちの人生を「そこそこでいい」と考えている。

彼らは人に迷惑をかけている不良たちを心底見下していた。そしてそれが原因となり、不良たちにイチャモンを付けられ、仲間の1人が怪我を負わされてしまう。

その仕返しに軽い気持ちで相手の高校に爆弾を仕掛けたが、それが思わぬ大事態に発展。そこそこで良かった人生の歯車が、今急速に動き始める。

 

僕たちがやりましたの見所をチェック!!

どこにでもいそうな男子高校生たちが主人公

 

漫画の主人公って、どっかギラギラしてるというか「常人とは逸脱している部分」みたいなものがあると思うんだけど、本作にはそれがないです(良い意味で)。

仲間内ではすっごい盛り上がるし、それなりに本音を言い合うけど、一度外の世界で何かがあると軽く引っ込み思案になるというか…。仲間内でもお互いの悪口のようなものを影で言い合うとか…。良くも悪くも普通の男子高校生たちって感じ。だからこそ共感できる部分があると思うんですよね。

所々に男子特有の悪ノリみたいな場面も出てくるので、そのあたりは似たようなことをやったことがある読者ならクスッとさせられると思う。登場するお笑い芸人ネタがもうタイムリーじゃなくなってるのがアレだけど、まぁそれも一興ということで。

 

ほんの悪ふざけのつもりが大事故に発展

 

誰しもが「そんなつもりじゃなかった」っていう経験あるんじゃないかと。それこそ軽い気持ちで言った冗談が相手を深く傷つけたって経験は、誰にでもあるんじゃないでしょうか(気付いてないだけで)。

そんな感じで、本作でも不良にやられた仕返しに簡単な爆弾を相手の学校に仕掛けるんです。もちろん不良たちに面と向かってやり返しに行くようなヤンキー漫画的な展開は一切ありません。

 

で、最初は窓ガラスが割れたりする程度で、不良たちがいきり立っている姿を遠目に見てゲラゲラ笑うというだけだったんだけど、あるタイミングで爆発した爆弾がガスに引火して大惨事になるっていうね。

本人たちからしたら「そんなつもりじゃなかった」以外のなにものでもないわけで、でもこれが相手の不良たちを含め、自分たちの人生を大きく左右するフラグだったって展開です。どうですか?続き、気になりません?

 

僕たちがやりました コミックス全9巻を読んだ感想・レビュー

最初は失礼ながらにもギャグ漫画崩れかなって思ってました。どこにでもいそうな高校生のノリを面白おかしく描いて、そこから「あるある」みたいなもので笑わせようとしてるのかなぁと。それがコミックスの1巻の後半から急激に方向転換されて、もうそこからは夢中になって読みました。

僕は本作をリアルタイムで読んだけど(とは言ってもヤンマガじゃなくてコミックスね)、次巻が待ちきれないほど夢中になったのを覚えてます。最初は主人公たちも不良たちも馬鹿ばっかりって思う人が大半だと思う。でも本当の馬鹿って、自分がしでかしたことの大きさとか過ちを振り返ることができない人物じゃないかって気付かされたんですよね。

「これが夢だったらいいのに!」っていう経験はみんな1度はあるはず。きっと本作の主人公たちもそんな気持ちだったんじゃないかと。で、その罪の意識を背負って生きていくってことがどういうことなのか。まさかコミックス1巻の時点ではこんな壮大な物語になるとは思わなかったから、そういう意味でも衝撃作だったと思う。

 

あとがき

「ダンソンッ!」って懐かしい。

 

 

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